8日の東京市場は、引き続き不安定な相場展開が続きそうである。7日の米国株式相 場は下落。政府機関閉鎖の解除のメドは依然として立っていない状況であり、デフォ ルト懸念が燻っている。シカゴ日経225先物清算値は大証比85円安の13775円となり、 日経平均はこれにサヤ寄せする格好から始まろう。 テクニカル面では一目均衡表の雲上限レベルまでの調整をみせているが、この雲上 限を割り込んでくる展開になりそうである。結果、9月3日に空けたマド(13600- 13750円辺り)埋めが意識されてくることになりそうだ。ボリンジャーバンドでは- 1σを前日に割り込んでいるが、-2σが意識されてくる。 また、円相場は1ドル96円台に突入しており、今後決算シーズンを迎えるなか、円 安効果による業績上ブレ期待が後退。足元での急ピッチの調整によって値ごろ感は出 ているが、米国のデフォルトリスクのほか、決算を見極めたいとの手控えムードによ って、じり安基調が続きやすい需給状況であろう。 そのため、物色は短期的な値幅取り狙いが中心になりやすく、より値動きの強い銘 柄に資金が集中しやすい。また、参加者が限られてくるなか、新興市場の値がさ株で の値幅取りの売買が活発化しそうである。資金の逃げ足が速くなるため、フットワー クが求められよう。 なお、7日のNY市場でダウ平均は136.34ドル安の14936.24、ナスダックは37.37ポイ ント安の3770.38。ADRの日本株はトヨタ<7203>、ソフトバンク<9984>、キヤノン <7751>、ソニー<6758>など、対東証比較(1ドル96.70円換算)で全般小安い。 (村瀬智一) [株式市場強弱材料] 強気材料 ・日銀10月月報、設備投資の判断引き上げ ・訪日中国人客、回復の兆し ・NY金反発、リスク回避資金の流入が続く ・バルチック海運指数、4日続伸 ・日銀のETF買い入れに対する思惑 弱気材料 ・シカゴ225先物清算値13775円、大証比85円安 ・NYダウ反落、米債務上限問題への警戒感高まる ・米半導体SOX指数、下落 ・欧州株式市場、米財政協議を巡る懸念が重しとなり軟調 ・ドル/円、円高進行(96円67-70銭) ・ユーロ/円、円高進行(131円24-28銭) ・ノーベル医学・生理学賞、米3教授に決定 ・LMEニッケル、下落 ・東証REIT指数、続落 留意事項 ・TPP関税撤廃、223品目が検討対象に ・トヨタ<7203>と富士重<7270>、ハイブリッド車を共同開発 ・官製ファンド膨張、成長戦略で5兆円規模に ・ヤフー<4689>、出店や出品を無料に見直し ・NY原油先物、反落(1バレル=103.03ドル) ・米長期金利、下落(10年債利回り2.629%) ・長期金利、下落(10年債利回り0.640%) ・8月国際収支 ・10年物価連動国債入札、2008年8月以来の発行再開 ・9月企業倒産 ・8月移動電話国内出荷 ・9月街角景気ウォッチャー調査 ・英9月住宅価格指数RICS ・中国9月HSBCサービス業PMI ・独8月貿易収支 ・米8月貿易収支 ・国際通貨基金(IMF)、世界経済見通し ・ノーベル物理学賞、受賞者発表 ・APEC開幕、首脳宣言「包括的統合」盛る [サポート&レジスタンス] 終値 13853 5日移動平均 14138 標準偏差+2σ 15024 転換線 14330 25日移動平均 14286 レジスタンス(2) 14154 基準線 14077 レジスタンス(1) 14004 100日移動平均 13987 ピボット 13923 先行スパンB 13828 サポート(1) 13772 先行スパンA 13725 サポート(2) 13692 標準偏差−2σ 13548 200日移動平均 12951
ナノキャリア<4571、株価 - チャート>が7日、国内外での公募増資とオーバーアロットメントによる国内第三者割当増資および海外第三者割当増資で、合計の手取り概算金上限112億1619万円を調達すると発表した。同時に大株主による海外売り出し8400株を実施する。
公募増資は国内向けが5600株、海外向けは2万8000株の合計3万3600株。価格決定日は21日から23日までのいずれかの日。オーバーアロットメントによる国内第三者割当増資が840株、海外向け第三者割当増資が5460株の合計6300株。国内外での公募増資と第三者割当増資が全株行われた場合、発行済み株式数は13年9月30日現在の発行済み株式数に対し約11%増加する見込み。
調達した資金は、主要開発パイプラインの一部および新規開発パイプラインの試験研究などに89億1600万円、その他運転資金に23億円を充当する。
7日の終値は、前週末比1万5800円安の28万3000円。
ソフトウェア・サービス<3733、株価 - チャート>は電子カルテ専業。医療のIT化を追い風に、電子カルテシステムなどの統合系医療情報システム分野での活躍期待は大きい。
13年10月期予想の単体経常利益は前期比14.0%減の20億9700万円(期初予想は30億2000万円)。競争激化などで減益に転じる見通し。ただ、足元の受注残は「過去最高の水準を確保している」(伊藤純一郎取締役)という。このため、14年10月期は増益に転換する可能性が高く、株価は業績好転を先取りした動き。
一方、期末一括配当の60円は継続予定。1.8%台の利回りに着目した買いも誘いやすく、10月28日の権利付き最終日に向けて、下がれば、押し目買いが期待される。25日・75日の両移動平均線のゴールデンクロス(GC)を実現済みで、売られにくい展開が続きそうだ。
7日の株価は、前週末比40円高の3315円ザラバ引け。
シイエム・シイ<2185、株価 - チャート>は自動車を中心に使用説明書・修理書などの制作が主力。トヨタ自動車<7203、株価 - チャート>向けに強みを持つ。自動車生産台数の増加や新車種の数が増えることが利益面に寄与する。
13年9月期の連結業績予想は営業段階から減益となり、経常利益は前期比40.5%減の7億6300万円を見込んでいる。会社側は「技術マニュアル(使用説明書や修理費の企画、編集・制作)で、自動車関連分野の案件が端境期に当たる」(経営企画部)という。11月8日に決算発表を予定している。14年9月期の業績見通しは、自動車関連分野や中国を仕向け地とする案件を中心に持ち直すかどうかが業績のカギを握る。
一方、移動平均線は25日・75日の両線を下回るなど、先行き業績に対して気迷いムードが強まり、下値模索の動きを続けている。直近高値(2014円、9月25日)に対して値ごろ感が強まれば、自律反発期待の見直し買いが入る可能性がある。
7日の株価は、前週末比2円安の1845円ザラバ引け。
ヒビノ<2469、株価 - チャート>はプロ用音響・映像機器のシステム設計から設置・施工、機器の販売・運営・レンタルを展開。海外高級オーディオの輸入販売と、コンサートなどイベントへの映像・音響設備提供の2本柱。銀座の老舗ライブハウス「ケネディハウス銀座」を子会社化。
14年3月期第1四半期(13年4-6月)の連結経常利益は前年同期比2.7%減の2億9600万円だったが、9月26日に通期の連結業績予想を増額。経常利益は前期比47.3%増の8億5000万円となる見通し。大型案件が寄与し、映像製品の開発・製造・販売事業の利益が黒字転換となった。「11月2日に13年9月中間期決算、11月26日にアナリスト向け説明会を予定している」(経営企画本部)という。通期予想に対する第1四半期実績の業績進ちょく率は30.5%と高い。
今後、20年の東京夏季五輪に向けて、ロードサイドボード(主要幹線道路沿いに設置される広告看板)向けにLEDディスプレー・システムの本格納入期待もあり、軟調な場面は見直し余地が大きそうだ。
テクニカル上では、25日移動平均線を下回ったことで、売り優勢の展開となっているが、75日移動平均線がサポートラインとして意識され、底入れきっかけ待ち。
7日の終値は、前週末比122円安の1299円。
花王<4452、株価 - チャート>についてクレディ・スイス証券では7日付で、投資判断「ニュートラル」(中立)、目標株価3400円を継続している。
同証券では、13年12月期第3四半期(13年7-9月)連結営業利益を370億円(前年同期比6%増)と試算。国内コンシューマー事業は、カネボウを除けば1ケタ前半の伸び率と、会社側計画を若干上回って推移しているもようであり、海外コンシューマー事業も第2四半期(13年4-6月)の堅調な趨(すう)勢を継続しているとみているとコメント。ケミカル事業は中間期決算時に利益計画が下方修正されているものの、事業構造上の不透明要素でありつづけると考えると指摘している。
7日の終値は、前週末比22円安の2930円。
あさひ<3333、株価 - チャート>が7日、9月度(8月21日-9月20日)の月次売上高速報を発表、既存店ベースで前年同月比9.6%減と2カ月連続のマイナスとなり、株価の重しとなった。客数が2カ連続、客単価は3カ月連続で前年割れとなった。
7日の終値は、前週末比76円安の1652円。
三菱マテリアル<5711、株価 - チャート>についてクレディ・スイス証券では7日付で、投資判断「アウトパフォーム」(強気)を継続、目標株価は470円から500円に引き上げている。
同証券では、持分法適用会社であるSUMCO<3436、株価 - チャート>の業績下方修正などにより、収益予想を引き下げているものの、目標株価は500円に引き上げるとしている。セメント市場の拡大期待はセメント株の高騰で明らかになる一方、同社への評価は依然過小評価であると考えているという。また、超硬工具には出遅れ感があるものの、回復傾向にあることに変わりはなく、過剰に懸念する必要はないとコメント。
7日の終値は、前週末比3円安の371円。
SHOEI<7839、株価 - チャート>は高価格帯の二輪車用ヘルメットが主力。
13年9月期予想の連結経常利益は前期比8.4倍の12億円を見込んでいる。「防衛省向け特需が業績を押し上げる」(平野明人取締役)という。大震災や自然災害などで、自衛隊の活動が増え、消耗品のヘルメットの買い替え需要期に当たる。11月14日に本決算、11月25日にアナリスト向け説明を予定しており、「足元の詳細は差し控えたい」(同)という。
一方、14年9月期は反動減が見込まれるが、二輪車向けでの高付加価値品を伸ばすほか、海外需要もサポートする見通し。北米では代理店の仕入れ調整が一段落し、欧州と同様の新製品効果も浸透。円安の流れが続けば、業績面にプラス効果をもたらす。
テクニカル上では、25日移動平均線を挟み、一進一退の動き。全体相場や14年9月期の業績予想次第で株価の方向性も変わってくるが、仮に売られたとしても75日移動平均線がサポートラインとして意識され、下値は限られそうだ。半面、業績が底堅く推移すれば、直近高値(968円、9月24日)抜けを目指す動きが期待される。
7日の株価は、前週末比7円高の907円ザラバ引け。
<為替> 7日終盤のニューヨーク外為市場では、米議会の財政協議がこう着状態に陥っていることからドルが幅広い通貨に対して下落し、対円で一時96.79円と8月12日以来の安値を付けた。米政府機関の一部閉鎖は2週間目突入が迫り、債務の法定上限引き上げの期限とされる17日も迫りつつあるが、民主、共和両党に合意に向けた歩み寄りの兆しは見られず、非難合戦が続いた。
手詰まり状態が長引けば足取りが弱い米景気回復に影響がおよび、連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れ縮小が遅れるとの懸念が広がり、資金の安全な逃避先となる円やスイスフランが買われた。
<債券> 米金融・債券市場では国債価格が総じて上昇。政府機関閉鎖の終結に向けた進展が見られず、経済への影響や債務上限引き上げ協議をめぐる懸念が強まった。
政府機関の一部閉鎖は終結のめどが立たないまま2週目を迎え、雇用統計を含む多くの経済指標は発表が延期されたままとなっている。米株安も国債の投資妙味を高めたが、大半は小幅な価格上昇にとどまった。
<株式> 7日の米国株式市場は下落。米政府機関の一部閉鎖が続き、連邦債務上限の引き上げをめぐる与野党の対立に打開に向けた進展が見られず、投資家の警戒感が継続した。S&P500種は振れの大きい展開となり、この日の安値近辺で終了。過去13営業日で10日目の下落となった。投資家の不安心理を示すCBOEボラティリティ指数(VIX指数)<.VIX>は16%上昇し、6月以来の高水準をつけた。同指数は過去3週間に48%上昇している。
<金先物> 週明け7日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米財政問題をめぐる先行き不透明感を背景に安全資産としての買いを集め、3営業日ぶりに反発した。相場は、午前の早い段階でこの日の高値まで上昇。リスク回避ムードに押され、株式などから流出した資金の受け皿として選好されたほか、ドルの対ユーロ相場が軟調に推移したこともドル建てで取引される金塊の追い風となった。また、翌8日に国慶節が明ける中国や、祭礼シーズンを控えるインドからの現物需要の拡大期待も相場の支援材料。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国のデフォルト(債務不履行)懸念などから売られ、反落した。原油相場は早朝から売り地合いで、寄り付き後には電子取引で一時101.86ドルまで下落。その後、外国為替市場でドルがユーロに対して下落したことから、ドル建てで取引される原油は割安感を受けて下げ幅を縮小したが、プラス圏には届かなかった。このほか、メキシコ湾南東部で発生した熱帯暴風雨「カレン」が大きな被害なく消滅したことも、供給ひっ迫懸念を後退させ、相場の下げ材料となった。
[7日 ロイター] -
ドル/円 終値 96.70/72
始値 96.84/85
前営業日終値 97.45/50
ユーロ/ドル 終値 1.3580/82
始値 1.3571/72
前営業日終値 1.3557/58
30年債
(2105GMT) 98*23.50(+0*13.50)=3.6952%
前営業日終盤 98*10.00(‐0*07.50)=3.7189%
10年債
(2105GMT) 98*28.00(+0*04.00)=2.6302%
前営業日終盤 98*24.00(‐0*11.00)=2.6447%
5年債
(2105GMT) 99*27.75(+0*01.25)=1.4027%
前営業日終盤 99*26.50(‐0*08.25)=1.4108%
2年債
(2105GMT) 99*26.00(‐0*00.75)=0.3452%
前営業日終盤 99*26.75(‐0*01.25)=0.3332%
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
終値 14936.24(‐136.34)
前営業日終値 15072.58(+76.10)
ナスダック総合<.IXIC>
終値 3770.38(‐37.38)
前営業日終値 3807.75(+33.41)
S&P総合500種<.SPX>
終値 1676.12(‐14.38)
前営業日終値 1690.50(+11.84)
COMEX金(12月限)(ドル/オンス)
終値 1325.1(+15.2)
前営業日終値 1309.9(‐7.7)
COMEX銀(12月限)(セント/オンス)
終値 2238.6(+63.4)
前営業日終値 2175.2(‐3.4)
北海ブレント原油先物(11月限)(ドル/バレル)
終値 109.68(+0.22)
前営業日終値 109.46(+0.46)
米WTI原油先物(11月限)(ドル/バレル)
終値 103.03(‐0.81)
前営業日終値 103.84(+0.53)
CRB商品指数(ポイント)<.TR●●RB>
終値 287.3439(+0.8907)
前営業日終値 286.4532(+0.9008)
7日の米株式市場でロッキード・マーチン<LMT.N>など防衛関連企業の株価が上昇した。ヘーゲル米国防長官が政府機関の一部閉鎖で一時帰休となっていた国防総省の文民職員の大半を復帰させる方針を明らかにしたことを受け、関連企業で従業員を職場に戻す動きが出ている。
ロッキード・マーチンは約0.9%高の123.56ドルで引けた。一時124.96ドルの高値をつけた。
ノースロップ・グラマン<NOC.N>は1.78%高の94.98ドル、レイセオン<RTN.N>は1.3%高の75.22ドルで終了した。
ロッキードは7日、国防総省の決定を受け、一時帰休の対象を当初の3000人から20%減らすことを明らかにした。
ただ、出向先の政府機関の閉鎖や担当プロジェクトの停止によって同社従業員の約2400人はそれでもなお一時帰休となる。
航空機エンジン・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)<UTX.N>傘下の軍事・商用ヘリコプター製造会社シコルスキー・エアクラフトも米国防総省の決定を受け、7日から予定していた従業員の一時帰休を取りやめた。
同社は前週、7日から2000人近くの従業員を一時帰休させる方針を示し、政府機関の閉鎖が11月まで続いた場合、一時帰休者は最大5000人になる可能性があるとしていた。
UTCの株価は一時0.47ドル高の104.74ドルに上昇した。終値は0.2%安の104.03ドル。
航空機大手ボーイング<BA.N>は0.4%安の116.69ドルで引けた。民間航空機部門が大型案件の受注合戦で、欧州のライバル企業エアバスに敗れたことが背景。
業界関係者は、政府機関の一時閉鎖が続いた場合、米国防総省の財政会計部門の運転資金は来週か再来週には不足し始める可能性があると指摘。「これは大きな問題だ。キャッシュフローを支払いに依存している中小企業に深刻な打撃となる恐れがある。規模が小さいほど影響は大きい」との見方を示した。
7日の米国株式市場は下落。米政府機関の一部閉鎖が続き、連邦債務上限の引き上げをめぐる与野党対立の事態打開に向けた進展が見られず、投資家の警戒感が継続した。
S&P500種は振れの大きい展開となり、この日の安値近辺で終了。過去13営業日で10日目の下落となった。投資家の不安心理を示すCBOEボラティリティ指数(VIX指数)<.VIX>は16%上昇し、6月以来の高水準をつけた。同指数は過去3週間に48%上昇している。
月初から政府機関の一部が閉鎖され、最大で100万人の政府職員が一時帰休となった。投資家は債務上限引き上げに向けた交渉にも注目しており、議会が17日までに合意できなければ米国債がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性がある。
ダウ工業株30種<.DJI>は136.34ドル(0.90%)安の1万4936.24ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は37.38ポイント(0.98%)安の3770.38。
S&P総合500種<.SPX>は14.38ポイント(0.85%)安の1676.12。
BNYメロン・ウエルス・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、レオ・グロホウスキ氏は「状況が不透明な間は市場が一段の下落圧力を受けやすい。一日一日が過ぎるごとに市場は落ち着きを失っている」と語った。
同氏は、政府機関の閉鎖が1週間続くと国内総生産(GDP)を10─15ベーシスポイント(bp)押し下げると推計しており、「さほど大きな影響ではないが、景気回復の勢いは長期的に影響を及ぼす要因に対してなおぜい弱だ。企業業績の見通しにも影響を及ぼし始め、株式のバリュエーションにも影響が出るだろう」と指摘した。
S&P500種は10業種中、9業種が下落し、経済成長ペースとの関連性が高い金融<.SPSY>と素材<.SPSMCM>が相場の下げを主導した。ディフェンシブ銘柄とされる電気通信<.SPLRCL>のみが上昇した。
米政府が機能不全状態に陥ったことを嫌気し、S&P500種は終値ベースで最高値をつけた後の2週間で3%近く下落した。この日は50日移動平均線を下回って引け、目先のモメンタムが下向きである可能性を示している。
米クレジットカード大手キャピタル・ワン・フィナンシャル<COF.N>は2%安、米アメリカン・エキスプレス(アメックス)<AXP.N>は1.8%安で終えた。
カナダのスマートフォン(多機能携帯電話)メーカー、ブラックベリー(旧リサーチ・イン・モーション)<BBRY.O>は3.6%高。同社が身売りまたは資産の一部売却に向け、米シスコシステムズ<CSCO.O>やグーグル<GOOG.O>、独SAP<SAPG.DE>と協議していることが関係筋の話で明らかになった。
アップル<AAPL.O>はジェフリーズが利益率の改善見通しを理由に目標株価を引き上げたことを受けて1%高。医療機器のアトサ・ジェネティクス<ATOS.O>は、不具合の見つかったがん検査機器をリコール(回収・無償修理)すると発表し、46%の大幅安となった。
米財政協議のこう着状態が継続し、政府機関の閉鎖が続いた場合、8日に予定されている重要指標である貿易統計と米小売売上高の発表は行われない。先週は雇用統計や建設支出、製造業受注などの発表が見送られた。
ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE MKTの3市場の出来高は約45億4000万株と、年初来の1日平均の約61億株を下回った。
ニューヨーク証券取引所で全体の4分の3以上の銘柄が下落し、ナスダックでは約70%が下げた。
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
終値 14936.24(‐136.34)
前営業日終値 15072.58(+76.10)
ナスダック総合<.IXIC>
終値 3770.38(‐37.38)
前営業日終値 3807.75(+33.41)
S&P総合500種<.SPX>
終値 1676.12(‐14.38)
前営業日終値 1690.50(+11.84)
1250GMT 4日終盤
ユーロ/ドル <EUR=> 1.3564 1.3557
ドル/円 <JPY=> 96.910 97.460
ユーロ/円 <EURJPY=> 131.44 132.12
7日終値 前営業日終値
株 FT100 6437.28(‐16.60) 6453.88
クセトラDAX 8591.58(‐31.39) 8622.97
金 現物午後値決め 1323.50 1309.75
先物清算値
3カ月物ユーロ(12月限) 99.74 (+0.00) <FEIZ3>
独連邦債2年物(12月限) 110.42 (+0.02) <FGBSZ3><0#FGBS:>
独連邦債5年物(12月限) 124.36 (+0.16) <FGBMZ3><0#FGBM:>
独連邦債10年物(12月限) 140.31 (+0.35) <FGBLZ3><0#FGBL:>
独連邦債30年物(12月限) 123.90 (+0.46) <FGBXZ3><0#FGBX:>
現物利回り
独連邦債2年物 0.163 (0.172) <DE2YT=TWEB><0#DE2YT=TWEB>
独連邦債5年物 0.694 (0.720) <DE5YT=TWEB><0#DE5YT=TWEB>
独連邦債10年物 1.804 (1.832) <DE10YT=TWEB><0#DE10YT=TWEB>
独連邦債30年物 2.678 (2.699) <DE30YT=TWEB><0#DE30YT=TWEB>
<為替> 米議会で財政協議をめぐる与野党の対立の解消の兆しが見られないなか、ドル指数が8カ月ぶり低水準近辺で推移、ドルは円に対し8月半ば以来の安値に下落した。
主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数<.DXY>は0.2%安の79.989と、前週3日に付けた8カ月ぶり低水準の79.627近辺で推移している。
ドル/円は一時96.79円と、8月12日以来の安値に下落。その後はやや持ち直し、0.6%安の96.87円となっている。
<株式> ロンドン株式市場は反落。米債務上限引き上げの期限が17日に迫る中、財政協議の行方をめぐる懸念が地合いを圧迫した。また中国経済の減速懸念から、高級ファッションブランド、バーバリー<BRBY.L>が売られた。
年初来好調だった銘柄の一角に利益確定の売りが出た。イージージェット<EZJ.L>は2.9%安。スポーツ・ディレクト<SPD.L>は4.3%値を下げた。
FT100種ボラティリティ指数<.VFTSE>はこの日、3週間ぶりの水準に上昇した。
市場関係者によると、ロイヤル・メールの新規株式公開(IPO)に備え、一部でポジションを手仕舞う動きも出た。
世銀が中国の2013、2014年の経済成長見通しを下方修正したことで、中国経済をめぐる懸念が再燃し、鉱山株やバーバリーが売られた。
バーバリーは商いを伴って1.2%安。同社のアンジェラ・アーレンツ最高経営責任者(CEO)は仏経済紙レゼコーとのインタビューで、中国の景気減速は高級ブランドにとり一時的なものにとどまらない可能性があるとの見方を示した。
欧州株式市場は薄商いの中、マイナス圏で取引を終えた。事態打開の兆しが見えない米財政協議をめぐる懸念が重しとなっており、主要株価指数はおよそ1カ月ぶりの安値で引けた。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は2.65ポイント(0.21%)安の1241.09と、終値で9月9日以来の安値をつけた。米財政協議のこう着を受けて市場では様子見ムードが強まっており、出来高は90日平均の82%にとどまった。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は5.27ポイント(0.18%)安の2923.04。
仏経済紙レゼコーとのインタビューで、英バーバリー<BRBY.L>のアンジェラ・アーレンツ最高経営責任者(CEO)が中国の景気減速は高級ブランドにとり一時的なものにとどまらない可能性があるとの見方を示したことが嫌気され、同セクターに売りが広がった。
バーバリーは1.2%安。仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)<LVMH.PA>は1.1%、スイスのリシュモン<CFR.VX>は0.9%それぞれ値を下げた。
米財政協議をめぐる懸念にもかかわらず、相場はこれまでのところ比較的底堅さを維持しているが、米債務上限引き上げ期限が近付くにつれ、売りが加速し始める可能性があるとの見方も出ている。
BNPパリバ・フォルティス・グローバル・マーケッツの調査部門責任者、フィリップ・ジゼル氏は「懸念が高まるのに伴い、現在の水準から5%程度の調整が入る可能性がある」と予想している。
<ユーロ圏債券> 低リスクの債券が上昇した。米政府機関の一部閉鎖は2週目に入ったが、財政問題をめぐるこう着状態に早期打開の兆しは見えず、成長への影響に対する懸念が強まっている。
安全資産とされる独連邦債が他の域内国債をアウトパフォームした。10月17日の米債務上限引き上げ期限が近づく中、政府機関の閉鎖解除をめぐる議論が債務上限引き上げをめぐる議論と一体化し、より深刻な状況に陥ることへの不安が広がっている。
投資家は、9日に発表される9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録にも注目している。大方の予想に反して量的緩和縮小を見送った理由について、議事録から手掛かりが得られる可能性がある。
シティのストラテジスト、マテオ・レヘスタ氏は「市場は明らかに、ゆっくりとリスクを回避する方向に動いており、これが独連邦債を支援している。逆説的だが一部米国債を求める向きもある」と語った。
独連邦債先物は35ティック高の140.31で清算。独連邦債10年物利回りは3ベーシスポイント(bp)低下し1.80%。
ベルギー、オーストリア、フランス、オランダの国債利回りも2―3bp低下した。
周辺国国債の利回りは横ばいから小幅低下した。イタリア10年債利回りは2.3bp低下し4.30%。
スペイン10年債利回りはほぼ変わらずの4.21%。独連邦債との利回り格差は241bpと、4日につけた2年超ぶり低水準付近にとどまった。
ポルトガル10年債利回りは3bp低下して6.42%と、1カ月超ぶり低水準となった。
BNPパリバの欧州金利ストラテジスト、パトリック・ジャック氏は、ギリシャ発で明るいニュースが聞かれたこともあり、周辺国債と独連邦債の利回り格差は縮小しやすい状態になったとの見方を示した。
ギリシャ政府は7日に公表した予算案で、2014年は7年ぶりにプラス成長を回復するとの見通しを示した。
米国では、こう着状態を打開できない責任をめぐり与野党の非難合戦が続いている。
米10年債利回り2.7bp低下し2.62%となっている。米国の債務不履行をめぐる懸念は主に短期債を圧迫している。仮に債務不履行に陥ることになれば、まず短期債の返済が滞るのではないかとの見方が出ている。
(カッコ内は前営業日比)
FT100種総合株価指数(ロンドン)<.FTSE>
終値 6437.28(‐16.60)
前営業日終値 6453.88(+ 4.84)
クセトラDAX指数(フランクフルト)<.DAX>
終値 8591.58(‐31.39)
前営業日終値 8622.97(+25.06)
CAC40種平均指数(パリ)<.FCHI>
終値 4165.58(+ 1.33)
前営業日終値 4164.25(+36.27)
<ロンドン株式市場> 反落。米債務上限引き上げの期限が17日に迫る中、財政協議の行方をめぐる懸念が地合いを圧迫した。また中国経済の減速懸念から、高級ファッションブランド、バーバリー<BRBY.L>が売られた。
年初来好調だった銘柄の一角に利益確定の売りが出た。イージージェット<EZJ.L>は2.9%安。スポーツ・ディレクト<SPD.L>は4.3%値を下げた。
FT100種ボラティリティ指数<.VFTSE>はこの日、3週間ぶりの水準に上昇した。
市場関係者によると、ロイヤル・メールの新規株式公開(IPO)に備え、一部でポジションを手仕舞う動きも出た。
世銀が中国の2013、2014年の経済成長見通しを下方修正したことで、中国経済をめぐる懸念が再燃し、鉱山株やバーバリーが売られた。
バーバリーは商いを伴って1.2%安。同社のアンジェラ・アーレンツ最高経営責任者(CEO)は仏経済紙レゼコーとのインタビューで、中国の景気減速は高級ブランドにとり一時的なものにとどまらない可能性があるとの見方を示した。
<欧州株式市場> 薄商いの中、マイナス圏で取引を終えた。事態打開の兆しが見えない米財政協議をめぐる懸念が重しとなっており、主要株価指数はおよそ1カ月ぶりの安値で引けた。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は2.65ポイント(0.21%)安の1241.09と、終値で9月9日以来の安値をつけた。米財政協議のこう着を受けて市場では様子見ムードが強まっており、出来高は90日平均の82%にとどまった。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は5.27ポイント(0.18%)安の2923.04。
仏経済紙レゼコーとのインタビューで、英バーバリー<BRBY.L>のアンジェラ・アーレンツ最高経営責任者(CEO)が中国の景気減速は高級ブランドにとり一時的なものにとどまらない可能性があるとの見方を示したことが嫌気され、同セクターに売りが広がった。
バーバリーは1.2%安。仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)<LVMH.PA>は1.1%、スイスのリシュモン<CFR.VX>は0.9%それぞれ値を下げた。
米財政協議をめぐる懸念にもかかわらず、相場はこれまでのところ比較的底堅さを維持しているが、米債務上限引き上げ期限が近付くにつれ、売りが加速し始める可能性があるとの見方も出ている。
BNPパリバ・フォルティス・グローバル・マーケッツの調査部門責任者、フィリップ・ジゼル氏は「懸念が高まるのに伴い、現在の水準から5%程度の調整が入る可能性がある」と予想している。
7日の欧州株式市場は薄商いの中、マイナス圏で取引を終えた。事態打開の兆しが見えない米財政協議をめぐる懸念が重しとなっており、主要株価指数はおよそ1カ月ぶりの安値で引けた。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は2.65ポイント(0.21%)安の1241.09と、終値で9月9日以来の安値をつけた。米財政協議のこう着を受けて市場では様子見ムードが強まっており、出来高は90日平均の82%にとどまった。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は5.27ポイント(0.18%)安の2923.04。
仏経済紙レゼコーとのインタビューで、英バーバリー<BRBY.L>のアンジェラ・アーレンツ最高経営責任者(CEO)が中国の景気減速は高級ブランドにとり一時的なものにとどまらない可能性があるとの見方を示したことが嫌気され、同セクターに売りが広がった。
バーバリーは1.2%安。仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)<LVMH.PA>は1.1%、スイスのリシュモン<CFR.VX>は0.9%それぞれ値を下げた。
米財政協議をめぐる懸念にもかかわらず、相場はこれまでのところ比較的底堅さを維持しているが、米債務上限引き上げ期限が近付くにつれ、売りが加速し始める可能性があるとの見方も出ている。
BNPパリバ・フォルティス・グローバル・マーケッツの調査部門責任者、フィリップ・ジゼル氏は「懸念が高まるのに伴い、現在の水準から5%程度の調整が入る可能性がある」と予想している。
7日のロンドン株式市場は反落。米債務上限引き上げの期限が17日に迫る中、財政協議の行方をめぐる懸念が地合いを圧迫した。また中国経済の減速懸念から、高級ファッションブランド、バーバリー<BRBY.L>が売られた。
FT100種総合株価指数<.FTSE>終値は16.60ポイント(0.26%)安の6437.28。
年初来好調だった銘柄の一角に利益確定の売りが出た。イージージェット<EZJ.L>は2.9%安。スポーツ・ディレクト<SPD.L>は4.3%値を下げた。
FT100種ボラティリティ指数<.VFTSE>はこの日、3週間ぶりの水準に上昇した。
市場関係者によると、ロイヤル・メールの新規株式公開(IPO)に備え、一部でポジションを手仕舞う動きも出た。
世銀が中国の2013、2014年の経済成長見通しを下方修正したことで、中国経済をめぐる懸念が再燃し、鉱山株やバーバリーが売られた。
バーバリーは商いを伴って1.2%安。同社のアンジェラ・アーレンツ最高経営責任者(CEO)は仏経済紙レゼコーとのインタビューで、中国の景気減速は高級ブランドにとり一時的なものにとどまらない可能性があるとの見方を示した。
7日の東京外国為替市場でドル・円は停滞商状が続いている。米財政問題はオバマ大統領、ベイナー下院議長など与野党の要人はインタビューで強気の姿勢を崩しておらず、前週末から状況に特段の変化はなし。株式市場が進展のなさを嫌気し売り優勢となったことも影響し、ドル・円は全般的に上値の重い動きとなった。
ただ、市場には様子見気分から積極的な売買を手控える面も強く出ており、1ドル=97円台前半の狭いレンジでの動きに終始している。
午後3時30分時点は、1ドル=97円08銭、1ユーロ=131円77銭、1ユーロ=1.3571ドル。
世界の主要株価指数の中で、日本株の下落率が突出して拡大している。米財政問題への懸念が深まり、リスク回避の動きで株価はほとんどの国で軟調だが、日経平均<.N225>は前週1週間で約5%下落。「震源地」である米国のダウ<.DJI>さえも大きく上回る下げとなっている。
消費増税による景気腰折れ懸念も指摘されているが、東京五輪決定でイベントドリブン型のヘッジファンドが積み上げたロングポジションの巻き戻しが主因との見方が有力だ。
<消費増税はニュートラルな材料>
米議会の対立が鮮明化した前週、世界の株価指数は総じて軟調だった。9月27日─10月4日に、FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は0.8%、英FT100種総合株価指数<.FTSE>は0.9%、独クセトラDAX指数<.GDAXI>は0.4%、仏CAC40種平均指数<.FCHI>は0.5%、韓国総合株価指数<.KS11>は0.7%、香港ハンセン指数<.HSI>は0.2%と軒並み下落している。
その中で目立って下落したのが日本株だ。ほとんどの指数の下落率が1%以下なのに対し、日経平均<.N225>は4.98%、TOPIX<.TOPX>も4.41%だった。米財政問題の中心である米国のダウ<.DJI>でさえ1.21%の下落、S&P500<.spx>はほぼ変わらずであり、その軟調ぶりが目立っている。週明けの7日の市場でも日経平均は下げ幅を広げており1%を超える下落となった。
他市場の下落率が小さいのは、現時点では、予算案について、米両党がほとんど歩み寄りが見られないとはいえ、急転直下、合意に至る可能性もあるためだ。「ロングを外す動きは続いているが、新規のショートポジションは組みにくい。米国が債務不履行(デフォルト)に至る可能性は小さく、相場急反転のリスクを想定しなければならないためだ」(準大手証券)という。
ショートを組みにくいのは日本株も同じ。予想株価収益率(PER)などバリュエーション的に割高感は乏しいほか、業績予想の上方修正期待が大きい3月期決算企業の中間期算発表を控えている。消費増税による景気腰折れが懸念されているものの、「消費増税は日本が財政再建に前進した」との好評価もある。
「むしろ消費増税を見送れば、日本への失望売りが出た可能性もある。景気圧迫要因には違いないが、果たして景気を腰折れさせるかどうかはまだわからない。消費増税自体は今のところ、ニュートラルな材料だ」と東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏は指摘する。
<海外短期筋のポジション巻き戻し>
そうした中で、日本株の下落率が大きいのは、海外短期筋のロングポジションが溜まっていた反動が出ているとの見方が有力だ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は「東京五輪決定で、イベントドリブン型のヘッジファンドが日本株のロングポジションを積み上げた可能性がある。その巻き戻しの分だけ下落率が高いのだろう」と指摘する。
2020年夏季五輪が東京に決定したのは9月7日。日経平均は週明けの9月9日から26日まで6.7%上昇していた。
その間、米ダウは2.7%、FTSEユーロファースト300種指数は2.2%の上昇にとどまっている。東京五輪決定を材料に、一部の海外勢が日本株先物のロングを積み上げた可能性があり、「消費増税決定で国内のマクロイベントが一巡したとみて売ってきたようだ」(藤戸氏)という。
実際、株式先物の売買手口をみると、前週はCTA(商品投資顧問業者)の注文を仲介するとみられている欧州系証券の売り手口が目立った。押し目買いのチャンスとの強気な見方もあるが、米財政問題が片付くまでは買いは入れにくく、ポジション解消の売りにズルズルと押し込まれている。
先物売りが裁定買い残の解消売りを巻き込んで下げを加速させた可能性もある。東京証券取引所がまとめた9月24日─9月27日のプログラム売買状況によると、金額ベースの裁定買い残(当限・翌限以降の合計)は4週ぶりに減少した。
一方、現物株の東証1部売買代金は2兆円の大台を割り込むことも多くなっており、多くの長期投資家は様子見であることを示している。
<リバウンドは小規模になる可能性も>
ドル/円もポジション調整のドル売り/円買いが圧迫しているとみられている。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表するIMM通貨先物の取組は、連邦政府機関閉鎖のため、9月31日時点のデータが明らかになっていないが、9月24日時点では投機筋の円ショートは、9万2818枚とピークの93%にまで膨らんでいた。
このため米財政問題が解決すれば、再びドル高・円安の動きが再開するとの見方も多い。FPG証券・代表取締役の深谷幸司氏は「財政協議の結果の帰すうについては予断を許さないが、この問題のお膝元である米国内における予測や投資判断を尊重するのであれば、リスク回避は一時的であり、従って、様々なリスク価格の下落やリスクポジション圧縮の動き、円高の動きは早晩反転する公算が大きいとみている」と述べている。
ただ、米両党が合意に至る可能性を警戒して、新規の日本株ショートや円ロングは積み上がっていない可能性が大きい。投資家の指針となる米経済指標は、米政府機関閉鎖で発表延期が続いている。米政府機関閉鎖の影響をデータで確かめるまでは、リスクオンには移りにくく、短期的にはリバウンドはそれほど大きくないかもしれない。
7日後場の日経平均株価は、前週末比170円99銭安の1万3853円32銭と4日続落して取引を終了した。終値ベースで1万4000円台を割り込むのは、9月6日の1万3860円81銭以来、1カ月ぶり。為替相場でドル・円相場が1ドル=97円台前半で高止まりしたことが重しとなった。売り一巡後は、下げ幅をやや縮小する場面がみられたが、引け間際にきょうの安値となる前週末比182円38銭安の1万3841円93銭を付けた。東証1部の出来高は23億3149万株、売買代金は1兆8119億円だった。騰落銘柄数は値上がり249銘柄、値下がり1449銘柄、変わらず54銘柄だった。
市場では、米国の予算問題や債務上限の引き上げなどの不透明感があるものの「日経平均株価は9月27日の1万4817円から約1000円下落しており、そろそろ不透明感が晴れた時の対応を考えておきたい」(中堅証券)との見方があった。
業種別では、東電<9501、株価 - チャート>、東北電力<9506、株価 - チャート>など電気ガス株、アイフル<8515、株価 - チャート>、オリコ<8585、株価 - チャート>などその他金融株が下落。大和証G<8601、株価 - チャート>、野村<8604、株価 - チャート>など証券株や三井不<8801、株価 - チャート>や三菱地所<8802、株価 - チャート>など不動産株も安い。国際帝石<1605、株価 - チャート>、海洋掘削<1606、株価 - チャート>などの鉱業株、第一生命<8750、株価 - チャート>、T&DHD<8795、株価 - チャート>など保険株も売られた。東芝機<6104、株価 - チャート>、ディスコ<6146、株価 - チャート>など機械株、日橋梁<5912、株価 - チャート>、LIXILG<5938、株価 - チャート>など金属製品株も軟調だった。
個別では、前週末4日に1対2の株式分割を好感してストップ高となったエーアイテイ<9381、株価 - チャート>が利益確定売りに押され、東証1部値下がり率上位に入った。シャープ<6753、株価 - チャート>が公募増資の価格決定期間(7-9日)入りし、公募価格への思惑から売りが優勢となった。その他に、CVSベイ<2687、株価 - チャート>、不二越<6474、株価 - チャート>、航空電子<6807、株価 - チャート>なども安い。半面、月間の携帯電話契約数が21カ月連続で首位となったソフトバンクモバイルを傘下に持つソフトバンク<9984、株価 - チャート>が上げ幅を拡大し、前週3日に付けた年初来高値7540円に顔合わせした。クレオス<8101、株価 - チャート>、ローランドD<6789、株価 - チャート>、東芝プラント<1983、株価 - チャート>なども買われた。東証業種別株価指数は33業種のうち、値下がり31業種、値上がりが2業種だった。
東京株式市場で日経平均は4日続落。一時182円安となり、心理的節目の1万4000円を下回った。朝方は前週末の米国株高や短期的な売られ過ぎによる値ごろ感から押し目買いが先行したものの、米財政協議をめぐる不透明感が重しとなり、買いは続かなかった。
円高警戒感が強いなか、リスク回避の売りに押され、軟調な展開が続いた。東証1部の売買代金は9月12日以来の低水準となり、投資家は様子見姿勢を強めている。
米財政協議については、オバマ米大統領のアジア歴訪中止などもあり、週末から週初に進展するとの期待もあったが、具体的な成果はなく、週明けの米国株が売られるとの警戒感が現物・先物への売りを誘った。GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)では米株価指数先物が弱含んでいる。外国為替市場で1ドル=97円割れ寸前まで円高が進んだことも重しとなった。
多くの投資家は、債務上限引き上げの事実上の期限とみられる17日までには与野党が何らかの合意に至り、債務不履行(デフォルト)が回避されるとみているものの、商いは盛り上がらず、手控えムードはなお強い。また、米企業業績が頭打ちになるのではとの懸念も出始めており、「8日のアルコア<AA.N>から本格化する米第3・四半期決算を見極めたいとのムードもある」(準大手証券トレーダー)との声も出ていた。
半面、10月下旬から始まる国内企業業績への期待感が下支え要因という。野村証券・日本株チーフ・ストラテジストの田村浩道氏は「10月15日から開始される成長戦略実行国会が期待されるほか、国内企業業績の大幅な上方修正が日本株のカタリストになるだろう」と指摘し、2013年末の日経平均予想1万8000円を据え置いている。
またテクニカル面での下値サポートも指摘されている。移動平均線では75日移動平均線(1万4036円46銭=7日)や100日移動平均線(1万3986円51銭=同)などが現値水準に集中しているほか、日足・一目均衡表では抵抗帯上限(1万3827円98銭=同)が下値を支えている。「テクニカル面でのサポートもあり、日経平均がこのまま大きく下げるとは想定しづらい」(マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏)とみられている。
個別銘柄ではユニオンツール<6278.T>が反発。4日に発表した12─8月期決算が好調だったほか、株式分割を発表したことも材料視された。4─9月期利益予想の上方修正を受け、買いが先行した三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は全般相場の下落に押され下げに転じた。日本航空電子工業<6807.T>は大幅続落した。4日、防衛省から2014年7月3日まで9カ月間の指名停止措置にするとの通知を受けたと発表し、嫌気された。
東証1部騰落数は、値上がり249銘柄に対し、値下がりが1449銘柄、変わらずが54銘柄だった。
日経平均<.N225>
<2191> テラ 2877 -188テラ<2191>は、東大医科学研究所発で開発された技術・ノウハウを基に、がんの最先端治療法である「樹状細胞ワクチン療法」(免疫細胞療法)など、細胞医療に関する技術ノウハウの医療機関への提供、及び研究開発を行うバイオベンチャー企業。
4日に、北里研究所病院と共同研究契約を締結したと発表。同契約に基づき、同社は北里研究所病院と共同で、肝細胞がんに対するがん抗原を用いた樹状細胞ワクチン療法の臨床試験を開始する。
同試験は、北里研究所病院の鈴木慶一外科医長が試験責任医師として統括・実施する。同社は、樹状細胞ワクチン療法の技術ノウハウと各種基礎データを同試験に提供する。同試験の実施によって、同社と北里研究所病院は、樹状細胞ワクチン療法の科学的根拠に基づいたデータを蓄積し、安全性を評価する。
日経平均は4日続落。米財政問題の行方に対する楽観的な見方から先週末の欧米株式 市場は堅調であったものの、週末にかけて交渉は進展せず、外部環境への懸念から主 力株を中心に換金売り優勢の展開となった。先行き不透明感から下値での押し目買い 意欲も乏しく、大引けにかけて徐々に下げ幅を拡大した。 大引けの日経平均は前日比170.99円安の13853.32円となった。東証1部の売買高は23 億3149万株、売買代金は1兆8119億円。業種別では、電気・ガスやその他金融、証 券、不動産、鉱業、機械、保険、建設、非鉄金属などの下落が目立っていた。一方、 情報・通信と空運のみが上昇した。 個別では、上期の業績予想を上方修正した三井住友<8316>が買い一巡後に下げに転じ たほか、三菱UFJ<8306>やみずほ<8411>などメガバンクが軟調。また、ソニー <6758>やシャープ<6753>、東芝<6502>などハイテク関連もさえない動き。その他、東 電<9501>が7%超の大幅下落となった。一方、ソフトバンク<9984>が堅調であったほ か、JAL<9201>やNTT<9432>などが逆行高となった。
パルコ<8251、株価 - チャート>が続伸。一時前週末比29円高の957円まで買われている。
7日午後零時30分に13年8月中間期(3-8月)連結決算を発表。中間期連結は2ケタ増益となり、14年2月期の利益予想を上方修正した。
中間期の連結営業利益は前年同期比22.0%増の59億2600万円。パルコを中心にグループ全体が好調で、期初計画の同10.1%増の53億5000万円を上回った。
通期の連結営業利益予想を前期比12.7%増の122億円へ引き上げた。従来予想は同9.0%増の118億円。従来予想においても前期に続く過去最高益更新を計画していた。増益幅の拡大を見込んでいる。
サンエー<2659、株価 - チャート>が反発。一時前週末比141円高の2730円まで買われている。4日引け後に発表した13年8月中間期(3-8月)連結業績は2ケタ増益となり、純利益は前年同期比15.5%増の35億6600万円となった。家電商品が好調に推移したほか、ドラッグや日用・家庭雑貨などの住居関連用商品が堅調に推移し、既存店売上高が前年同期比2.6%増となった。
14年2月期連結業績予想は従来見通しを据え置いた。純利益予想は前期比9.0%増の60億9800万円。
<6101> ツガミ 448 -29後場は下げ幅広げる。みずほ証券では投資判断を「買い」から「中立」に格下げ、目標株価も630円から510円に引き下げている。スマホ関連の大型受注がしばらく期待しにくい中、期待していた新製品の受注も低調に推移しており、今下期からの業績回復は難しい状況になったと判断しているようだ。会社側の通期業績予想は第2四半期決算で下方修正される公算が大きいとも。
モブキャスト<3664、株価 - チャート>が一時400円ストップ高の1940円を付けた。午後1時28分時点は332円高の1872円。
スマートフォン受けゲームを手掛ける同社が今後1年で韓国市場に新作ゲーム50本を投入する、と6日付日本経済新聞が報じており、材料視されている。タイトル増加を機に会員数を現在の35万人から100万人に増やすという。