仏経済紙レゼコーとのインタビューで、英バーバリー<BRBY.L>のアンジェラ・アーレンツ最高経営責任者(CEO)が中国の景気減速は高級ブランドにとり一時的なものにとどまらない可能性があるとの見方を示したことが嫌気され、同セクターに売りが広がった。

バーバリーは1.2%安。仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)<LVMH.PA>は1.1%、スイスのリシュモン<CFR.VX>は0.9%それぞれ値を下げた。

米財政協議をめぐる懸念にもかかわらず、相場はこれまでのところ比較的底堅さを維持しているが、米債務上限引き上げ期限が近付くにつれ、売りが加速し始める可能性があるとの見方も出ている。

BNPパリバ・フォルティス・グローバル・マーケッツの調査部門責任者、フィリップ・ジゼル氏は「懸念が高まるのに伴い、現在の水準から5%程度の調整が入る可能性がある」と予想している。

<ユーロ圏債券>  低リスクの債券が上昇した。米政府機関の一部閉鎖は2週目に入ったが、財政問題をめぐるこう着状態に早期打開の兆しは見えず、成長への影響に対する懸念が強まっている。

安全資産とされる独連邦債が他の域内国債をアウトパフォームした。10月17日の米債務上限引き上げ期限が近づく中、政府機関の閉鎖解除をめぐる議論が債務上限引き上げをめぐる議論と一体化し、より深刻な状況に陥ることへの不安が広がっている。

投資家は、9日に発表される9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録にも注目している。大方の予想に反して量的緩和縮小を見送った理由について、議事録から手掛かりが得られる可能性がある。

シティのストラテジスト、マテオ・レヘスタ氏は「市場は明らかに、ゆっくりとリスクを回避する方向に動いており、これが独連邦債を支援している。逆説的だが一部米国債を求める向きもある」と語った。

独連邦債先物は35ティック高の140.31で清算。独連邦債10年物利回りは3ベーシスポイント(bp)低下し1.80%。

ベルギー、オーストリア、フランス、オランダの国債利回りも2―3bp低下した。

周辺国国債の利回りは横ばいから小幅低下した。イタリア10年債利回りは2.3bp低下し4.30%。

スペイン10年債利回りはほぼ変わらずの4.21%。独連邦債との利回り格差は241bpと、4日につけた2年超ぶり低水準付近にとどまった。

ポルトガル10年債利回りは3bp低下して6.42%と、1カ月超ぶり低水準となった。

BNPパリバの欧州金利ストラテジスト、パトリック・ジャック氏は、ギリシャ発で明るいニュースが聞かれたこともあり、周辺国債と独連邦債の利回り格差は縮小しやすい状態になったとの見方を示した。

ギリシャ政府は7日に公表した予算案で、2014年は7年ぶりにプラス成長を回復するとの見通しを示した。

米国では、こう着状態を打開できない責任をめぐり与野党の非難合戦が続いている。

米10年債利回り2.7bp低下し2.62%となっている。米国の債務不履行をめぐる懸念は主に短期債を圧迫している。仮に債務不履行に陥ることになれば、まず短期債の返済が滞るのではないかとの見方が出ている。