8日の東京市場は、引き続き不安定な相場展開が続きそうである。7日の米国株式相 場は下落。政府機関閉鎖の解除のメドは依然として立っていない状況であり、デフォ ルト懸念が燻っている。シカゴ日経225先物清算値は大証比85円安の13775円となり、 日経平均はこれにサヤ寄せする格好から始まろう。 テクニカル面では一目均衡表の雲上限レベルまでの調整をみせているが、この雲上 限を割り込んでくる展開になりそうである。結果、9月3日に空けたマド(13600- 13750円辺り)埋めが意識されてくることになりそうだ。ボリンジャーバンドでは- 1σを前日に割り込んでいるが、-2σが意識されてくる。 また、円相場は1ドル96円台に突入しており、今後決算シーズンを迎えるなか、円 安効果による業績上ブレ期待が後退。足元での急ピッチの調整によって値ごろ感は出 ているが、米国のデフォルトリスクのほか、決算を見極めたいとの手控えムードによ って、じり安基調が続きやすい需給状況であろう。 そのため、物色は短期的な値幅取り狙いが中心になりやすく、より値動きの強い銘 柄に資金が集中しやすい。また、参加者が限られてくるなか、新興市場の値がさ株で の値幅取りの売買が活発化しそうである。資金の逃げ足が速くなるため、フットワー クが求められよう。 なお、7日のNY市場でダウ平均は136.34ドル安の14936.24、ナスダックは37.37ポイ ント安の3770.38。ADRの日本株はトヨタ<7203>、ソフトバンク<9984>、キヤノン <7751>、ソニー<6758>など、対東証比較(1ドル96.70円換算)で全般小安い。 (村瀬智一) [株式市場強弱材料] 強気材料 ・日銀10月月報、設備投資の判断引き上げ ・訪日中国人客、回復の兆し ・NY金反発、リスク回避資金の流入が続く ・バルチック海運指数、4日続伸 ・日銀のETF買い入れに対する思惑 弱気材料 ・シカゴ225先物清算値13775円、大証比85円安 ・NYダウ反落、米債務上限問題への警戒感高まる ・米半導体SOX指数、下落 ・欧州株式市場、米財政協議を巡る懸念が重しとなり軟調 ・ドル/円、円高進行(96円67-70銭) ・ユーロ/円、円高進行(131円24-28銭) ・ノーベル医学・生理学賞、米3教授に決定 ・LMEニッケル、下落 ・東証REIT指数、続落 留意事項 ・TPP関税撤廃、223品目が検討対象に ・トヨタ<7203>と富士重<7270>、ハイブリッド車を共同開発 ・官製ファンド膨張、成長戦略で5兆円規模に ・ヤフー<4689>、出店や出品を無料に見直し ・NY原油先物、反落(1バレル=103.03ドル) ・米長期金利、下落(10年債利回り2.629%) ・長期金利、下落(10年債利回り0.640%) ・8月国際収支 ・10年物価連動国債入札、2008年8月以来の発行再開 ・9月企業倒産 ・8月移動電話国内出荷 ・9月街角景気ウォッチャー調査 ・英9月住宅価格指数RICS ・中国9月HSBCサービス業PMI ・独8月貿易収支 ・米8月貿易収支 ・国際通貨基金(IMF)、世界経済見通し ・ノーベル物理学賞、受賞者発表 ・APEC開幕、首脳宣言「包括的統合」盛る [サポート&レジスタンス] 終値 13853 5日移動平均 14138 標準偏差+2σ 15024 転換線 14330 25日移動平均 14286 レジスタンス(2) 14154 基準線 14077 レジスタンス(1) 14004 100日移動平均 13987 ピボット 13923 先行スパンB 13828 サポート(1) 13772 先行スパンA 13725 サポート(2) 13692 標準偏差−2σ 13548 200日移動平均 12951