<為替> 7日終盤のニューヨーク外為市場では、米議会の財政協議がこう着状態に陥っていることからドルが幅広い通貨に対して下落し、対円で一時96.79円と8月12日以来の安値を付けた。米政府機関の一部閉鎖は2週間目突入が迫り、債務の法定上限引き上げの期限とされる17日も迫りつつあるが、民主、共和両党に合意に向けた歩み寄りの兆しは見られず、非難合戦が続いた。
手詰まり状態が長引けば足取りが弱い米景気回復に影響がおよび、連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れ縮小が遅れるとの懸念が広がり、資金の安全な逃避先となる円やスイスフランが買われた。
<債券> 米金融・債券市場では国債価格が総じて上昇。政府機関閉鎖の終結に向けた進展が見られず、経済への影響や債務上限引き上げ協議をめぐる懸念が強まった。
政府機関の一部閉鎖は終結のめどが立たないまま2週目を迎え、雇用統計を含む多くの経済指標は発表が延期されたままとなっている。米株安も国債の投資妙味を高めたが、大半は小幅な価格上昇にとどまった。
<株式> 7日の米国株式市場は下落。米政府機関の一部閉鎖が続き、連邦債務上限の引き上げをめぐる与野党の対立に打開に向けた進展が見られず、投資家の警戒感が継続した。S&P500種は振れの大きい展開となり、この日の安値近辺で終了。過去13営業日で10日目の下落となった。投資家の不安心理を示すCBOEボラティリティ指数(VIX指数)<.VIX>は16%上昇し、6月以来の高水準をつけた。同指数は過去3週間に48%上昇している。
<金先物> 週明け7日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米財政問題をめぐる先行き不透明感を背景に安全資産としての買いを集め、3営業日ぶりに反発した。相場は、午前の早い段階でこの日の高値まで上昇。リスク回避ムードに押され、株式などから流出した資金の受け皿として選好されたほか、ドルの対ユーロ相場が軟調に推移したこともドル建てで取引される金塊の追い風となった。また、翌8日に国慶節が明ける中国や、祭礼シーズンを控えるインドからの現物需要の拡大期待も相場の支援材料。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国のデフォルト(債務不履行)懸念などから売られ、反落した。原油相場は早朝から売り地合いで、寄り付き後には電子取引で一時101.86ドルまで下落。その後、外国為替市場でドルがユーロに対して下落したことから、ドル建てで取引される原油は割安感を受けて下げ幅を縮小したが、プラス圏には届かなかった。このほか、メキシコ湾南東部で発生した熱帯暴風雨「カレン」が大きな被害なく消滅したことも、供給ひっ迫懸念を後退させ、相場の下げ材料となった。