東京株式市場で日経平均は4日続落。一時182円安となり、心理的節目の1万4000円を下回った。朝方は前週末の米国株高や短期的な売られ過ぎによる値ごろ感から押し目買いが先行したものの、米財政協議をめぐる不透明感が重しとなり、買いは続かなかった。

円高警戒感が強いなか、リスク回避の売りに押され、軟調な展開が続いた。東証1部の売買代金は9月12日以来の低水準となり、投資家は様子見姿勢を強めている。

米財政協議については、オバマ米大統領のアジア歴訪中止などもあり、週末から週初に進展するとの期待もあったが、具体的な成果はなく、週明けの米国株が売られるとの警戒感が現物・先物への売りを誘った。GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)では米株価指数先物が弱含んでいる。外国為替市場で1ドル=97円割れ寸前まで円高が進んだことも重しとなった。

多くの投資家は、債務上限引き上げの事実上の期限とみられる17日までには与野党が何らかの合意に至り、債務不履行(デフォルト)が回避されるとみているものの、商いは盛り上がらず、手控えムードはなお強い。また、米企業業績が頭打ちになるのではとの懸念も出始めており、「8日のアルコア<AA.N>から本格化する米第3・四半期決算を見極めたいとのムードもある」(準大手証券トレーダー)との声も出ていた。

半面、10月下旬から始まる国内企業業績への期待感が下支え要因という。野村証券・日本株チーフ・ストラテジストの田村浩道氏は「10月15日から開始される成長戦略実行国会が期待されるほか、国内企業業績の大幅な上方修正が日本株のカタリストになるだろう」と指摘し、2013年末の日経平均予想1万8000円を据え置いている。

またテクニカル面での下値サポートも指摘されている。移動平均線では75日移動平均線(1万4036円46銭=7日)や100日移動平均線(1万3986円51銭=同)などが現値水準に集中しているほか、日足・一目均衡表では抵抗帯上限(1万3827円98銭=同)が下値を支えている。「テクニカル面でのサポートもあり、日経平均がこのまま大きく下げるとは想定しづらい」(マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏)とみられている。

個別銘柄ではユニオンツール<6278.T>が反発。4日に発表した12─8月期決算が好調だったほか、株式分割を発表したことも材料視された。4─9月期利益予想の上方修正を受け、買いが先行した三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は全般相場の下落に押され下げに転じた。日本航空電子工業<6807.T>は大幅続落した。4日、防衛省から2014年7月3日まで9カ月間の指名停止措置にするとの通知を受けたと発表し、嫌気された。

東証1部騰落数は、値上がり249銘柄に対し、値下がりが1449銘柄、変わらずが54銘柄だった。

日経平均<.N225>