<外為市場>
午後5時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べドル高/円安の101円半ば。かんぽ生命保険が2015年3月期に日本株と外債の保有比率を拡大する方針であることが伝わり、株価が上げ幅を拡大したことを好感し、一時101円後半に上昇した。米国債利回りの上昇もドル/円相場を下支えした。
<株式市場>
東京株式市場で日経平均は一時300円を超える大幅高となった。中国経済指標が上振れたことに加え、かんぽ生命が日本株と外貨建て債券の保有比率を拡大する方針が明らかになり、市場の追い風となった。
東証1部騰落数は、値上がり1619銘柄に対し、値下がりが140銘柄、変わらずが51銘柄だった。
<短期金融市場>
無担保コール翌日物金利の加重平均レートは、速報ベースで0.067%と前日(0.089%)に比べて低下した。地銀、信託、証券などを主な取り手に、0.065%を中心に取引された。前日の強含みの理由となった試し取りの要因がはく落。当座預金残高が130兆円台の高水準が維持され、資金ニーズは限られた。
3カ月物国庫短期証券入札の結果は、最高落札利回りが0.0401%と前回と同水準となった。平均落札利回りは0.0389%と前回(0.0369%)に比べて小幅上昇した。ほぼ事前予想通りの結果となったが、平均落札利回りが前回から小幅上昇するなど、利回り低下に対する警戒感も示す内容だった。
<円債市場>
国債先物中心限月6月限は前日比8銭安の145円14銭と小幅続落して引けた。前日の米債安に加えて、円高・株安にいったん歯止めがかかったことから、短期筋の売りを誘った。流動性供給入札は順調に通過したが、かんぽ生命が日本株を買い増す方針と伝えられたことを手掛かりに日経平均が上げ幅を広げると、国債先物は下値を模索した。
現物市場は、株高を受けて長期・超長期ゾーンを中心に利益確定売りが出た。10年最長期国債利回り(長期金利)は前日比1bp高い0.600%に上昇した。
JR西日本<9021、株価 - チャート>が4日続伸し、一時84円高の4297円まで買われた。同社は21日、新たな寝台列車を導入すると発表、材料視された。
新しい寝台列車は、1編成10両編成。列車の前後に展望スペース付きの車両を配置。1両に寝室のほかバスルームやリビングを備えて、1室として使用する客車1両のほか、1両を3室として使用する車両5両のほか、食堂車、ラウンジカーなどで編成されている。列車の運行エリアは、京阪神から山陰側、あるいは山陽・瀬戸内側を周遊することを想定、17年春の運行開始を予定している。
また、昨年7月の集中豪雨で大きな被害が発生して以降、運転を見合わせている山口線と山陰線について、8月中に運転を再開できそうな見通しとなったとしている。
22日の終値は、前日比79円高の4292円。
日立製作所<6501、株価 - チャート>が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では21日付で、レーティング「アウトパフォーム」(強気)を継続、目標株価は940円から880円に引き下げている。同証券では業績予想を修正、あわせて目標株価を引き下げている。
連結営業利益について、15年3月期6200億円(前期比16.4%増、従来6400億円、会社側計画は5600億円)、16年3月期6900億円(従来7000億円)、17年3月期7400億円と試算。15年3月期の慎重な会社側計画に対し、市場はネガティブに反応したものの、収益性向上に対する姿勢は変化しておらず、先行きを警戒しすぎる必要はないと考えるとコメント。「むしろ費用構造改革に対する取り組みは加速してきたとみており、外部環境の変化を乗り越えて増益を実現できよう」としている。業績予想引き下げは、主に情報通信システムや建設機械の収益性想定を引き下げたことを要因に挙げている。
22日の終値は、前日比17円高の688円。
双葉電子工業<6986、株価 - チャート>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では21日付で、レーティング「アウトパフォーム」(強気)を継続、目標株価は1950円から2000円に引き上げている。従来主力のVFD(蛍光表示管)に代わってOLED(有機エレクトロルミネッセンス)、タッチパネルが業績をけん引する可能性が高まったとコメント。とくにOLEDは車載用途に加え、フィルム型製品がウエアラブル用途に拡大すると予想。「業績回復が鮮明となり、株価は再評価される局面に入る」としている。
また、同証券では業績予想を修正。連結営業利益について、15年3月期30億円(前期比35.4%増、従来32億円、会社側計画は31億円)、16年3月期43億円(従来46億円)、17年3月期55億円と試算している。
22日の終値は、前日比51円高の1528円。
トランコム<9058、株価 - チャート>が続落。SMBC日興証券では21日付で、投資判断を「2」(中立)から「3」(アンダーパフォーム)に引き下げ、目標株価は3500円を継続している。
同証券では業績予想を修正、あわせて投資判断を引き下げている。投資判断引き下げの背景として、(1)求貨求車事業を展開する物流情報サービス事業において、成約件数の増加幅が今後鈍化すると予想すること(2)現行株価と目標株価のカイ離率がセクター内で下位となること――を挙げている。陸運業界では景況感改善を背景とした物量の増加、トラック事業におけるドライバー不足を背景に、物流需給はひっ迫傾向にあると指摘。車両情報数の減少により、求貨求車事業の成約件数は今後伸び悩むと予想している。
同証券では連結営業利益について、15年3月期51億円(前期比2%増、従来53億円、会社側計画は52億1000万円)、16年3月期55億円(従来58億円)、17年3月期58億円と試算している。
22日の終値は、前日比400円安の3630円。
JCRファーマ<4552、株価 - チャート>が3日続伸し、一時68円高の2166円まで買われた。22日付の日刊工業新聞は、同社がヒト角膜内皮の再生医療の早期事業化に取り組むと報道、材料視された。
同紙によると、視力低下や失明が起こる水泡性角膜症の治療のため、安定した角膜内皮細胞の培養方法の研究を進め、細胞医薬品として工業生産を可能にすることを目指す。すでに、13年末から医師主導の臨床研究が始まり、これまで3例が良好な経過としている。
22日の終値は、前日比48円高の2146円。
香港取引所(HKEX)<0388.HK>の李小加(チャールズ・リー)最高経営責任者(CEO)は22日、香港と上海の株式市場の相互乗り入れ計画について、将来的には債券なども対象となる可能性があるとの見方を示した。
同氏は、「市場の相互開放というわれわれの戦略はすべてに当てはまる」と述べたうえで、将来的には香港と上海の株式市場の相互接続を商品(コモディティー)やフィクストインカムにも広げる可能性を検討すると述べた。
李氏はまた、人民元のオフショア市場について、インフラ整備という第1段階は終了しており、市場参加者は製品の革新という第2段階に注目していると指摘した。
日経平均が1143円急落してからあす23日で1年がたつ。当時強かった過熱感は消え、むしろ割安感が漂うが、本格上昇に至るには依然として力強さに欠ける展開だ。
アベノミクスへの期待感が後退しているほか、米利上げ予想が高まらない中で米金利が低下、円安も進まず、企業業績も減速気味だ。昨年は調整終了後に高値奪回に転じたが、当時と比べて日本株に不利な材料が多くなるなか、再浮上のきっかけを探り続けている。
<昨年と大きく異なる地合い>
日本株市場の地合いは昨年5月23日と大きく異なっている。水準が大きく低下したために大崩れの可能性は低下したが、相場の勢いを失い、低迷が続いている。
当時は、世界経済の回復予想が広がる中で、黒田日銀が4月に決めた「異次元緩和」の余韻が残り、「買いが買いを呼ぶ展開」(大手証券トレーダー)だった。さらに日経平均<.N225>がファーストリテイリング<9983.T>など特定銘柄にけん引され急上昇するなど相場の「歪み」も大きく、日経平均は1万5942円から6月13日の安値1万2415円まで約3500円下落し、大きな調整となった。
一方、足元の日本株は冷え込んだままだ。欧米株が高値を更新する一方、日経平均は年初から約2000円下落した水準に低迷。東証1部売買代金も昨年ピークの3─4兆円から大きく減少、2兆円を下回る水準が定着しつつある。当時18倍近くあった予想PER(株価収益率)は13倍台まで低下しているが、「カタリスト(材料)が乏しい」(国内投信)とされ、反発しても買い戻しの範囲内にとどまっている。
目ぼしい成長戦略は見当たらず、日銀追加緩和期待も後退。消費増税への警戒感が広がる中で、企業業績も減速する懸念が出てきている。アベノミクスへの期待感が後退するなか、昨年、日本株を15兆円買った外人投資家が今年に入って2兆円以上売り越しに転じている。機関投資家、個人投資家ともに、国内勢は依然として日本株に慎重な姿勢を崩していない。
<大きく変化した米金融政策への市場認識>
日本株への影響という点に関しては、世界の投資環境で1年前と最も変わったのは、米金融政策に対する見方だろう。
昨年はバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言で、米金融緩和の早期縮小観測が強まったことが、日本だけでなく世界の株式市場が大きく調整に入った背景だった。その後、テーパリング(量的緩和縮小)は開始されたが、現在は早期の利上げ観測はむしろ後退。投資家はシナリオの再構築を迫られている。
早期米利上げ観測の後退はリスク資産市場にはプラスだが、日本株にとっては相対的に不利な環境となる。早期米利上げ観測の後退は米金利を低下させ、対ドルで円高の要因になるためだ。
ただ、マーケットの認識が早期利上げなしとの方向にやや傾き過ぎているとの指摘もある。米経済指標をみる限り、寒波の影響を脱し、総じて順調に回復しつつある。潜在成長率低下への懸念もあるが、このまま順調に経済が回復していけば、「出口」論も浮上するとみられている。そうなれば、日本株が出遅れを修正するきっかけになり得るだろう。
SMBC日興証券シニアマーケットエコノミストの嶋津洋樹氏は4月29─30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨について、FRBメンバーがかなり米景気に楽観的だったとの印象を受けたと話す。「FRBが出口戦略に着手するタイミングは一般に想定されているよりも前倒しになる可能性が高い」とみている。
昨年5月23日に、株売りのきっかけとなったのは、マークイット/HSBCが同日発表した5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値だった。市場予想を下回ったことで中国の景気減速懸念が広がり、日経平均の下げ幅は1143円まで広がった。
だが、今年は反対に買い材料となった。景気判断の分かれ目である50は下回ったものの、5カ月ぶりの高水準となったことで、日経平均<.N225>の上げ幅は200円を超えた。中国の景気減速念が消えたわけではなく、不安としては昨年よりも大きいぐらいだが、日本株の水準も低いだけにポジティブな材料に反応しやすくなっている。
メッセージ<2400、株価 - チャート>が5営業日ぶりに反発し、一時190円高の3320円を付ける場面があった。野村証券が21日付で、目標株価を3900円から4300円に引き上げ、株価支援材料となった。投資判断「Buy」(買い)は継続。
同証券では、Cアミーユ(サービス付き高齢者向け住宅)事業は入居者獲得が順調に進んでおり、15年3月期は営業黒字化が見込めると指摘。在宅と施設向けサービスの両方をカバーし、厚生労働省が掲げる地域包括ケアシステムを構築すべく設立したJICCは、体制整備の先行投資期から、利用者増加・運営効率化による新たな成長源となりうるとしている。
22日の終値は、前日比155円高の3285円。
メイコー<6787、株価 - チャート>が連日の年初来安値更新となり、一時21円安の541円を付ける場面があった。野村証券が21日付で目標株価を620円から540円に引き下げ、株価の重しとなった。投資判断「ニュートラル」(中立)は継続した。
同証券では、韓国のモバイル機器向けでの想定超の需要軟化や、中国スマホ向け基板での収益性悪化を考慮し、15年3期以降の業績予想を下方修正した。連結営業利益ベースで、15年3月期は会社計画の25億円(前期実績は9億2200万円)を大きく下回る17億円(同証券前回予想は18億円)とし、16年3月期は24億円(同30億円)を想定している。
22日の終値は、前日比12円安の550円。
スズキ<7269、株価 - チャート>が反発。野村証券では21日付で、投資判断を「ニュートラル」(中立)から「Buy」(買い)に、目標株価を2500円から3500円にそれぞれ引き上げている。
トップシェアを持つインドで経済改革志向の安定政権が誕生し、中期成長の可能性が高まったと指摘。国内でもHustlerの新型車効果が想定以上でシェア回復に向かうと予想している。今後の新商品投入や販売網で他社に大きく先行していることから、高シェアを維持する可能性が高く、インド市場の成長の恩恵を世界の大手自動車会社で最も強く受けると考えているという。
国内は環境が厳しいものの、13年末に発売したHustlerが想定以上にヒットしており、シェア拡大が見込まれることから、市場ほど販売が落ち込まないと考えられるとしている。また、発行済み株式の19.9%を保有するVWに対し、株式売却を求めて仲裁手続き中であるが、(1)スズキ勝訴(2)VW勝訴(3)両社で和解――といったシナリオが考えられ、いずれのケースも不透明感が後退し株価にはプラスとみるとコメントしている。
22日の終値は、前日比113円高の2936円。
三井金属鉱業<5706、株価 - チャート>が反発。野村証券では21日付で、投資判断「Buy」(買い)を継続、目標株価は325円から340円に引き上げている。
15年3月期業績の会社側計画は、Caserones鉱山からの収益貢献が織り込まれていないほか、機能材料の収益の見方も保守的と指摘。会社側計画を上回る業績達成への期待が浸透するにつれ、株価も上昇する可能性が高いと考えられるとコメントしている。同証券では機能材料や自動車機能部品の見方を上方修正し、あわせて目標株価も引き上げている。自動車機能部品や銅はくなどで生産体制再編の成果が発揮され収益改善が進む点や、鉱山投資による成長を評価しているという。
同証券では業績予想を上方修正、連結経常利益について、15年3月期280億円(前期比2倍、従来260億円、会社側計画は250億円)、16年3月期310億円(従来300億円)、17年3月期330億円と試算している。
22日の終値は、前日比10円高の250円。
サンリオ<8136、株価 - チャート>が一時700円ストップ安の2410円に崩れる場面があった。21日に決算説明会が開催され、その内容が懸念要因との見方が出ている。ゴードマン・サックス証券は同日付で、説明会を受けて、米国での成長鈍化、ライセンスビジネスから物販ビジネスへのシフトによるコスト先行、欧州は回復見られずとの3点を確認したとしている。同社は移行期で急なターンアラウンド(方向転換)は見通しづらいともしている。なお、投資判断「中立」を継続したうえで、目標株価を3800円から3200円に引き下げている。
22日の終値は、前日比512円安の2598円
日経平均は大幅に反発。昨晩の海外株高が支援材料となったほか、中国の予想を上回 る経済指標、さらに、かんぽ生命保険が2015年3月期に日本株と外貨建て債券の保有 比率を拡大する方針と伝わったことが追い風となった。 大引けの日経平均は前日比295.62円高の14337.79円となった。東証1部の売買高は23 億4529万株、売買代金は1兆9851億円だった。業種別では、証券、保険、パルプ紙、 その他金融、輸送用機器、鉄鋼、海運、機械などが堅調。一方、鉱業、電力ガスが軟 調だった。 個別では野村HD<8604>、大和証G<8601>など証券が全面高。また、「自民、貸金業 の金利規制緩和へ議論開始」とのニュースが刺激材料となり、アイフル<8515>などノ ンバンク株が全面高となった。
<8136> サンリオ 2598 -512 下落率トップ。前日には説明会が開催されているもよう。ライセンスビジネスから物 販ビジネスへ回帰するとの大きな戦略転換が発表され、利益水準の切り下がりに対す る懸念が強まっているようだ。また、一部で期待された新計画策定について、当面延 期となることが明らかとなっていることもマイナス視のようだ。 <2193> クックパッド 2151 +192 実質上昇率トップ。前4月期営業利益は30億円強となり、単独決算の前期実績比では2 割程度の増加になったもようと観測報道が伝わっている。スマホ普及を追い風にレシ ピサイトの会員数が増加したもよう。今4月期も増益となる可能性が高いとされてい る。市場コンセンサスの範囲内ではあるが、第3四半期決算時には増益率鈍化が嫌気 された経緯もあるため、目先の安心感につながる形のようだ。
<9503> 関西電力 902 -38 下げ目立つ。大飯原発3、4号機を巡り、福井地裁では再稼働を認めない判決を言い渡 したと伝わっている。会社側は控訴の方針であることや過去の事例などから、控訴審 では差し止め請求が棄却される可能性は高いと見られているものの、サプライズの高 い判決結果を受けて、先行き不透明感や再稼働の遅れ懸念などが強まる状況とみられ る。 <7270> 富士重 2536 +123 買い優勢。JPモルガン(JPM)では投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウ ェイト」に格上げ、目標株価も3300円に引き上げており、見直しの動きにもつながっ ている。今期は旗艦車種の導入集中で販売費用が嵩むものの、来期以降は平準化の見 通しで、中期的なトップライン成長を評価できる局面に入るとの見方に。能力増強の メドが立ち、中期的な台数成長も可能になってきたと指摘へ。 <7269> スズキ 2936 +113 買い先行。野村では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げしている。目 標株価も2500円から3500円へと引き上げ。インドにおいて経済改革志向の安定政権が 誕生したことで、中期成長の可能性が高まったと指摘している。インド市場での最大 手の自動車メーカーとして、インド市場の成長の恩恵を世界で最も強く受けると考え ているもよう。 <5110> 住友ゴム工業 1425 +51 買い優勢。シティではタイヤセクターの強気レポートをリリースしている。米国のタ イヤ需要は4月に入り本格回復、国内需要も4月の落ち込みは限定的にとどまってお り、同セクターの強気シナリオが実現へとしている。とりわけ、同社に関しては、欧 州でのブランド力向上や今期業績のコンセンサス比上振れが評価でき、短期的な投資 妙味が高いとしている。
<6844> 新電元 471 +31 続伸。前日には東海東京の「1」継続が観測されており、評価の高まりへとつながっ ているようだ。東海東京では、二輪車向け電装品や太陽光発電向けパワコンが好調、 会社側の業績計画は過度に保守的で、営業利益は大幅な上振れが予想できるとしてい るもよう。目標株価は580円と設定しているようだ。今期営業利益は会社計画の73億 円に対して100億円を予想している。 <8515> アイフル 401 +22 後場から急伸。あらためて規制緩和策への期待が蒸し返されているようだ。アコム <8572>なども後場から強い動きが目立っている。未確認ではあるが、一部の昼のニュ ースで、自民党が貸金業法の改正検討のため、金利上限の引き上げなど規制緩和に向 けた議論を開始と伝わっているもよう。 <6804> ホシデン 541 +27 しっかり。シティでは、事業ポートフォリオ転換への確度が高まっているとして、目 標株価を520円から570円に引き上げている。前期には、移動体通信と車載向けを合わ せた売上高構成比がアミューズメント向けに匹敵する水準まで成長。今下期から来期 にかけては、移動体通信の収益土台の上に車載向け部品の成長が上乗せされ、収益改 善が鮮明になるとみているようだ。来期営業利益は従来の減益予想から一転、2割超 の増益を予想している。 <6758> ソニー 1645 +31 堅調。本日の引け後に経営方針説明会が開催される予定、期待感なども先行する動き となっているようだ。メリルリンチ(ML)では、焦点となるのは16.3期の目線であ ると指摘、約4000億円の営業利益に期待としている。ちなみに、MLでは、今期に構 造改革を完遂して来期に復活を期す方針を評価しているようだ。
22日後場の日経平均株価は前日比295円62銭高の1万4337円79銭と大幅反発。米国株高や円安推移を背景に朝方から買いが先行。5月HSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が市場予想を上回ったことを受けて前場後半から上げ幅を拡大する流れとなった。後場も強調展開が継続。株価指数先物への断続的な買いも絡めて一段高となり、午後1時54分には同326円85銭高の1万4369円02銭とこの日の高値を付けた。その後も、高値圏での推移が続いた。東証1部の出来高は23億4529万株。売買代金は1兆9851億円。騰落銘柄数は値上がり1619銘柄、値下がり140銘柄、変わらず51銘柄。
市場からは「大幅反発したが、1万4000円で底を打ったとの確信は持てない。1万4500円前後は戻りのフシに当たる。また、信用買い残は重く、外国人投資家が買う材料もない。底打ちの兆しはあるが、下値が完全に固まったとはいえない。あすは、週末にウクライナ大統領選挙が控えていることもあり、動きづらそうだ」(中堅証券)との声が聞かれた。
東証業種別株価指数は全33業種中、31業種が上昇した。大和証G<8601、株価 - チャート>、野村<8604、株価 - チャート>など証券、NKSJHD<8630、株価 - チャート>、第一生命<8750、株価 - チャート>など保険、王子HD<3861、株価 - チャート>、日本紙<3863、株価 - チャート>などのパルプ紙が値上がり率上位。個別では、14年4月期の営業最高益報道が好感されたクックパッド<2193、株価 - チャート>のほか、ジャフコ<8595、株価 - チャート>、日コンクリ<5269、株価 - チャート>、タカタ<7312、株価 - チャート>、新電元<6844、株価 - チャート>などが東証1部値上がり率上位。富士重<7270、株価 - チャート>、オークマ<6103、株価 - チャート>、洋缶HD<5901、株価 - チャート>、三井造<7003、株価 - チャート>なども買われた。
半面、国際帝石<1605、株価 - チャート>、石油資源<1662、株価 - チャート>など鉱業、関西電<9503、株価 - チャート>、北海電<9509、株価 - チャート>など電気ガスが値下がり。個別では、SMBC日興証券が投資判断を引き下げたトランコム<9058、株価 - チャート>のほか、サンリオ<8136、株価 - チャート>、パソナ<2168、株価 - チャート>が東証1部値下がり率上位。日新製鋼<5413、株価 - チャート>、大和ハウス<1925、株価 - チャート>、日製鋼<5631、株価 - チャート>も軟調。
東京株式市場で日経平均は一時300円を超える大幅高となった。中国経済指標が上振れたことに加え、かんぽ生命が2015年3月期に日本株と外貨建て債券の保有比率を拡大する方針が明らかになり、市場の追い風となった。
日本郵政グループのかんぽ生命は、日本株の投資金額を3000─3500億円増加させるほか、外国債券を約6500億円買い増す方針であることが、ロイターの取材で明らかになった。報道を受け、日経平均は後場に入ると一段高となり、一時326円高まで上昇した。
ばんせい証券・投資調査部長の廣重勝彦氏によると、「この報道で海外勢が刺激された」という。「海外勢はどこかのタイミングでは買おうという気持ちがあったのだが、ここ最近は上値を買う材料がなかった。午前中の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想を上振れたことで市場に安心感が広がっていたところ、タイミング良くかんぽをめぐる報道が出たため、株価をさらに押し上げる効果があった」と指摘した。
午前の取引時間中に発表された、マークイット/HSBCによる5月の中国製造業PMI速報値は49.7と、依然として節目の50を割り込んでいるものの、ロイター調査の予想である48.1は上回った。指標の上振れを受けて円安・株高が進行したが、市場では「今回の改善をみて底入れしたとは言い難い」(国内証券)と慎重な見方も出ていた。
個別銘柄では、アイフル<8515.T>が大幅高。一部報道で、自民党は消費者金融などを規制する貸金業法の改正案を検討するため、小委員会を立ち上げ、一部の「優良業者」に限定して、現在20%となっている金利の上限を引き上げるなど、規制の緩和に向けて議論を始めたと伝わり、材料視された。
一方、サンリオ<8136.T>が一時ストップ安。ゴールドマン・サックス証券による目標株価引き下げなどが嫌気されているほか、「午前9時半ごろにまとまった売り注文が観測され、大口投資家が売ってきたとの警戒感が広がった」(国内証券)という。
また、関西電力<9503.T>が続落。福井県の住民らが関西電力を相手取り、大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働の差し止めを求めていた訴訟で、福井地裁(樋口英明裁判長)は21日、再稼働を認めない判決を言い渡した。原発再稼働による収益改善期待が後退し、売りが先行した。
東証1部騰落数は、値上がり1619銘柄に対し、値下がりが140銘柄、変わらずが51銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 14337.79 +295.62
寄り付き 14188.28
安値/高値 14147.55─14369.02
TOPIX<.TOPX>
終値 1169.34 +19.29
寄り付き 1159.1
安値/高値 1155.76─1172.49
東証出来高(万株) 234529
東証売買代金(億円) 19851.54
今、日本株とりわけ高配当株が割安に放置されている。楽天証券経済研究所のチーフ・ストラテジスト、窪田真之さんが差し出したグラフには、1993年5月から今年4月までの10年国債利回りと東証1部銘柄の平均配当利回りの推移が書かれていた(グラフを参照、NTTの配当利回りは編集部で追加)。グラフから読み取る今高配当株が買いの理由とは?
高配当株が割安に放置されている
時代はインフレに強い株の出番だ!
金融商品の利回りと価格の関係をものすごくカンタンに言えば、高利回りほど価格が安く(=人気がない)、利回りが低いほど価格が高い(=人気がある)ということになる。その点でいえば、今日本では、国債は人気で株は不人気となる。ウクライナ情勢の緊迫化などで株が売られ国債が買われているからだ。その結果、国債の利回りは14年4月現在で0.6%、一方の東証1部銘柄の配当利回りは1.9%にもなる。
ただ、消費者物価指数は、最近マイナスからプラスに転換し、14年2月には1.3%の伸びになている。ということは、このまま国債を買っていたのでは物価上昇率に負けてしまう。それでも、株ではなく国債が買われるのはなぜなのか。
「どうせ物価上昇率はまたマイナスになるに決まっていると、機関投資家がたかをくくっているからです」と、窪田さん。
そこには90年代と同じ過ちの構造があると指摘する。93年当時、国債の利回りは5%だったが、90年代初めに比べ3%程度落ちていた。「当時は1970年代のオイルショック(インフレ)時に物価上昇率が10%を超えた記憶も残っており、5%の国債の魅力は乏しいと考えられていたのです」(窪田さん)
このため当時は国債ではなく、インフレに強い株が買われたのだが、その後日本はデフレになってしまった。これを現在に置き換えてみると、このままデフレが続くと考えて低利回りの国債を買い続け、インフレになると大変なことになるわけだ。
「今後5年くらいは物価上昇率は1〜1.5%程度で推移するとみています」(窪田さん)
つまり、0.6%の国債を買っている場合ではないのだ。
減配リスクが低い高配当株を探せ!
オススメの安心高配当株4銘柄を公開
しかも今は高配当株、それも東証1部の平均利回りを上回る株を買ったほうが有利になる。というのも高配当株のほうが下落に強いからだ。実際、高配当銘柄(上場高配当ETF)は、TOPIXに勝る成績を記録している(グラフを参照)。
ただし、利回りの高さだけで買うと後々後悔することも。利回りは低いが実質ノーリスクの国債と異なり、株は高利回りだが値下がりリスクも減配リスクもあるからだ。高配当を見込んで買ったら業績不振により株価は激下げ、さらに今期は無配に転落、といった銘柄は少なくない。
そこでザイ編集部では5つの視点で高配当銘柄を採点し、その上でオススメ24銘柄を窪田さんにピックアップしてもらった。その中から、ここでは4銘柄を公開しよう。各銘柄をチェックして、株安の今こそピッタリの投資に役立ててほしい。
22日の東京外国為替市場でドル・円は堅調に推移している。朝方は1ドル=101円30-40銭のレンジ圏で推移。日経平均株価は買い先行で始まったが、ドル・円に目立った変化はなかった。
動いてきたのは午前10時45分に中国5月HSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)の速報値が発表されてから。49.7と市場予想48.3、前月改定値48.1を大きく上回る結果で、リスクオンからドル買い・円売りが進行。日経平均の上昇も追い風に午後は一段高となり、一時101円75銭まで買われた。
午後3時時点は1ドル=101円69銭、1ユーロ=138円96銭、1ユーロ=1.3665ドル。
マザーズ指数が3日続伸。東証1部市場の大幅高にけん引されて戻り歩調が続く。ミクシィ<2121、株価 - チャート>は分割後初の1万円乗せを果たしたあとに売られたが、ドリコム<3793、株価 - チャート>やCYBERDYNE<7779、株価 - チャート>、カイオム・バイオサイエンス<4583、株価 - チャート>など主力級銘柄が商いを伴って上昇。指数高を支えた。ジャスダックでも日本マイクロニクス<6871、株価 - チャート>や菊池製作所<3444、株価 - チャート>が上昇。投資マインドの改善を背景にバイオ株の上昇も目立った。
<6804> ホシデン 541 +27続伸で直近の上値抵抗水準を上放れている。一目均衡表では雲を明確に上放れている。
シティでは通期決算を踏まえ業績予想を見直し、ターゲットプライスを520円から570円に引き上げている。下期から来期にかけて移動体通信の収益土台の上に車載向け部品の成長が上乗せされ、事業ポートフォリオ転換による収益改善が鮮明となるとの見方。
<6957> 芝浦電子 1593 +96買い優勢。いちよしではレーティングを「B」から「A」に格上げ、フェアバリューも1800円から2000円に引き上げている。前日の説明会を受けて、業績予想を上方修正しているもよう。NTCサーミスタは、空調機器や家電向けなど従来からの用途に加え、足元では自動車向けの新用途が伸びているようだ。今後はDPFの温度制御を行うための高温用ガラスサーミスタなどの増産にも期待と。
<6758> ソニー 1637 +23堅調。本日の引け後に経営方針説明会が開催される予定、期待感なども先行する動きとなっているようだ。メリルでは、焦点となるのは16年3月期の目線であると指摘、約4000億円の営業利益に期待としている。ちなみに、メリルでは、今期に構造改革を完遂して来期に復活を期す方針を評価しているようだ。
そーせいグループ<4565、株価 - チャート>か3日続伸し、一時127円高の2826円まで付けている。21日引け後、同社が創製しノバルティス社に導出したCOPD(慢性閉塞性肺疾患)治療薬「ウルティブロ ブリーズヘラー」について、ノバルティスが第3相臨床試験のQUANTIFY試験で、対象となる薬剤に対し非劣性を示したことを明らかにしたと発表、材料視された。
同試験では、中等症から重症のCOPD患者を対象に、投与26週時にける健康関連QOL(HRQOL)改善効果について、チオトロピウム18マイクログラムとホルモテロール12マイクログラム併用に対して非劣性を示したとしている。
午後2時1分時点の株価は、前日比97円高の2796円。
関西電力<9503、株価 - チャート>が続急落し、一時47円安の893円まで売られている。福井地方裁判所は21日、同社の大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働差し止め訴訟で、住民の主張を認め再稼働を認めない判決を下した。再稼働の時期が不明確となり、同社業績への影響を警戒する動きが強まった。
福井地裁は、同原発には、地震で原子炉の冷却機能が失われたり、使用済みの核燃料から放射性物質がもれたりする具体的な危険があるとした。
同社では、「判決文の詳細を確認のうえ、すみやかに控訴の手続きを行い、控訴審において引き続き大飯発電所3、4号機の安全性について主張していきたい」とのコメントを出している。
午後1時59分時点の株価は、前日比31円安の909円。
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