東京株式市場で日経平均は一時300円を超える大幅高となった。中国経済指標が上振れたことに加え、かんぽ生命が2015年3月期に日本株と外貨建て債券の保有比率を拡大する方針が明らかになり、市場の追い風となった。

日本郵政グループのかんぽ生命は、日本株の投資金額を3000─3500億円増加させるほか、外国債券を約6500億円買い増す方針であることが、ロイターの取材で明らかになった。報道を受け、日経平均は後場に入ると一段高となり、一時326円高まで上昇した。

ばんせい証券・投資調査部長の廣重勝彦氏によると、「この報道で海外勢が刺激された」という。「海外勢はどこかのタイミングでは買おうという気持ちがあったのだが、ここ最近は上値を買う材料がなかった。午前中の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想を上振れたことで市場に安心感が広がっていたところ、タイミング良くかんぽをめぐる報道が出たため、株価をさらに押し上げる効果があった」と指摘した。

午前の取引時間中に発表された、マークイット/HSBCによる5月の中国製造業PMI速報値は49.7と、依然として節目の50を割り込んでいるものの、ロイター調査の予想である48.1は上回った。指標の上振れを受けて円安・株高が進行したが、市場では「今回の改善をみて底入れしたとは言い難い」(国内証券)と慎重な見方も出ていた。

個別銘柄では、アイフル<8515.T>が大幅高。一部報道で、自民党は消費者金融などを規制する貸金業法の改正案を検討するため、小委員会を立ち上げ、一部の「優良業者」に限定して、現在20%となっている金利の上限を引き上げるなど、規制の緩和に向けて議論を始めたと伝わり、材料視された。

一方、サンリオ<8136.T>が一時ストップ安。ゴールドマン・サックス証券による目標株価引き下げなどが嫌気されているほか、「午前9時半ごろにまとまった売り注文が観測され、大口投資家が売ってきたとの警戒感が広がった」(国内証券)という。

また、関西電力<9503.T>が続落。福井県の住民らが関西電力を相手取り、大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働の差し止めを求めていた訴訟で、福井地裁(樋口英明裁判長)は21日、再稼働を認めない判決を言い渡した。原発再稼働による収益改善期待が後退し、売りが先行した。

東証1部騰落数は、値上がり1619銘柄に対し、値下がりが140銘柄、変わらずが51銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      14337.79 +295.62

寄り付き    14188.28

安値/高値   14147.55─14369.02

TOPIX<.TOPX>

終値       1169.34 +19.29

寄り付き     1159.1

安値/高値    1155.76─1172.49

東証出来高(万株) 234529

東証売買代金(億円) 19851.54