20日の日経平均株価は前日比82円01銭高の1万4088円45銭で寄り付いたあと、一時1万4093円46銭(前日比87円02銭高)を付ける場面があった。米国株高を受け、買いが先行し、5営業日ぶりに反発している。19日の米国株式市場では、手掛かり材料に乏しいなか、小動きの展開ながら、ナスダック総合指数ともに続伸し、投資家心理の安定化につながった。ただ、買い一巡後は伸び悩み商状となっている。
業種別では、三井金属<5706、株価 - チャート>、住友鉱<5713、株価 - チャート>、タツタ線<5809、株価 - チャート>などの非鉄金属株が上昇。住友不<8830、株価 - チャート>、東建物<8804、株価 - チャート>などの不動産株も堅調。ソフトバンク<9984、株価 - チャート>、フューチャー<4722、株価 - チャート>、ジャスト<4686、株価 - チャート>などの情報通信株も高い。同セクターでは、ソフトバンク<9984、株価 - チャート>からイー・アクセス株式の取得を中止するヤフー<4689、株価 - チャート>がカイ気配を切り上げている。ケネディクス<4321、株価 - チャート>、リブセンス<6054、株価 - チャート>などのサービス株も買われている。個別では、自社株買いを決議したウシオ電機<6925、株価 - チャート>とキヤノン電子<7739、株価 - チャート>が上昇。大平金<5541、株価 - チャート>、シップHD<3360、株価 - チャート>などの上げも目立つ。
半面、昭シェル<5002、株価 - チャート>、JX<5020、株価 - チャート>などの石油株や、国際帝石<1605、株価 - チャート>、K&Oエナジ<1663、株価 - チャート>などの鉱業株がさえない。個別では、15年3月期連結業績予想で減益転換のノーリツ鋼<7744、株価 - チャート>がウリ気配。高級ブランド「バーバリー」のライセンス契約を15年6月で終了する三陽商<8011、株価 - チャート>は大幅続落。日本M&A<2127、株価 - チャート>、あすか薬<4514、株価 - チャート>などの下げも目立つ。
東証寄り付き前段階での主要外国証券経由の注文動向は、「6社ベースで、売り2200万株、買い1090万株で、差し引き1110万株の大幅売り越し」(外資系証券)。午前9時25分時点の東京外国為替市場は、1ドル=101円台前半(前日終値は1ドル=101円42銭-43銭)、1ユーロ=139円台前半(同1ユーロ=139円12銭-16銭)で取引されている。
<2158> UBIC 391 +17大幅反発。「プレディクディブ・コーディング」に係る日本特許を取得したと発表したことが材料視されている。「プレディクディブ・コーディング」とは、ビジネス推進に重要な情報をビッグデータから抽出する次世代データ解析ソリューションを提供可能とした、同社独自の人工知能応用技術。特許取得により、他社には実現できない同社製品の革新性が認められた確信していると。
寄り付きの東京株式市場で日経平均は、反発して始まっている。前日の米国株が上昇したことに加え、日経平均は4日続落した後で値ごろ感から自律反発の機運が高まった。1万4000円付近では予想PERなどバリュエーション面での割安感も意識されている。非鉄、不動産が高く、情報・通信もしっかり。半面、石油はさえない。
一方、外為市場では1ドル101円40銭台と円高傾向が収まっていない。消費増税の影響を見極め切れないうちに円高が進めば、景気腰折れの懸念も出てくるとして、多くの投資家は上値追いに慎重な姿勢を崩していない。
寄り付き 前営業日比
日経平均<.N225> 14088.45 +82.01
日経平均先物中心限月<2JNIc1> 14090 +60
<3859> シナジーM 530 +27買い先行。上期の営業利益見通しを1.4億円から1.8億円へと上方修正したことが好感されている。クラウドサービス事業、エージェント事業ともに、足元で順調に推移していることが背景のようだ。四季報予想の上期営業利益は1.3億円が見込まれており、上方修正がストレートに評価される格好に。
<4689> ヤフー 460 +49買い気配スタートで大幅反発。イー・アクセスの買収を中止すると発表、ポジティブに受け止められている。ソフトバンクから3240億円で買収の計画であったが、ネットサービスの提供に特化すべきと判断したもよう。白紙になった詳細な経緯など不透明感は残るものの、買収発表後は、多額のキャッシュアウト、未経験領域への参入リスクなどが警戒されて株価は調整に転じていたため、評価する動きが先行する格好に。SMBC日興では、買収中止は英断として、投資判断を「2」から「1」に格上げしている。
<6502> 東芝 397 +5米グーグルが2015年に発売を計画しているスマートフォンに半導体を供給すると報じられている。グーグルが次の戦略商品に位置付けるスマホはカメラや電池、健康管理といった多様な機能の部品を利用者が選んで組み合わせることができる。同社の半導体は本体との脱着を繰り返す部品が正常に動くよう制御して、スマホの特徴を生かす主要な役割を担うと伝えている。株価は弱いトレンドが継続しているが、390円処でのボトム形成も意識されやすく、短期的なリバウンド狙いに。
<9984> ソフトバンク 6884 +118社外取締役に日本電産社長の永守重信氏の起用を内定したと発表。6月20日に開催する予定の株主総会で正式に決める。M&A戦略で日本電産の成長をけん引してきた永守氏の経験や判断力を経営に生かしてもらうと伝えている。トレンドは弱く、基本スタンスは戻り売りとなるが、5月連休明け後は9営業日中、上昇は1日のみと、日柄的には反発しやすいタイミングか。
<6752> パナソニック 1043 -12015年3月期末に、連結の手元資金が有利子負債を上回る「実質無借金」となる見通しと報じられている。不振事業の赤字縮小や運転資金の圧縮によって資金繰りが改善するためと伝えている。同社が実質無借金となるのは09年3月期末以来6年ぶり。業績と財務の改善で成果を上げ、信用力を示す社債格付けの引き上げにつなげる考えと。株価は下降する25日線が上値抵抗となるが、1050円近辺でのボトム意識も。
<3765> ガンホー 504 +4反発。人気パズルRPG「パズル&ドラゴンズ」とアニメ「ドラゴンボール改」がコラボレーションすることを発表した。株価は年初来安値更新で節目の500円を割り込んできており、値ごろ感からの買いが意識されやすい水準か。
<3715> ドワンゴ 2629 -18「第6回AKB48選抜総選挙」の投票が20日(午前10時)にスタート。21日にAKB48劇場にて行う速報発表の模様が、ニコニコ生放送にて独占生中継される。話題性から値幅取り狙いの動きが意識されそうだ。KADOKAWAとの統合を手掛かりに動意付くも、一目均衡表の雲が抵抗に。前日の下げで直近の上昇部分を帳消しにしてきており、仕切り直しに。
[株式市場強弱材料] 強気材料 ・シカゴ225先物清算値14125円、大阪比95円高 ・NYダウ続伸、閑散取引もハイテクや小型株がけん引 ・米半導体SOX指数、続伸 ・ロシア、ウクライナ国境周辺から軍撤収命令 ・NY金反発、インド新政府による金の輸入規制緩和への期待で ・LMEニッケル、大幅続伸 弱気材料 ・ドル/円、円高基調継続(101円45-48銭) ・ユーロ/円、円高基調継続(139円07-11銭) ・欧州株式市場、資本増強計画のドイツ銀行などが下落 ・4月首都圏マンション発売戸数、前年同月比39.6%減 ・バルチック海運指数、反落 ・東証REIT指数、7日ぶり反落 留意事項 ・東芝<6502>、米グーグルの新型スマホ向けに半導体を供給 ・TPP閣僚会合、夏の大筋合意へ地ならし急ぐ ・ヤフー<4689>、イー・アクセス買収中止 ・NY原油先物、続伸(1バレル=102.61ドル) ・米長期金利、上昇(10年債利回り2.548%) ・長期金利、上昇(10年債利回り0.590%) ・3月全産業活動指数 ・日銀政策委員会、金融政策決定会合(21日まで) ・4月百貨店売上高(全国、東京地区4月) ・4月コンビニエンスストア売上高 ・独4月生産者物価指数 ・英4月消費者物価指数 ・英4月生産者物価指数 ・英4月小売物価指数 ・プーチン露大統領が中国訪問(21日まで) [サポート&レジスタンス] 終値 14006 5日移動平均 14246 100日移動平均 14866 先行スパンB 14740 先行スパンA 14740 標準偏差+2σ 14665 200日移動平均 14649 25日移動平均 14285 基準線 14267 転換線 14228 レジスタンス(2) 14208 レジスタンス(1) 14107 ピボット 14050 サポート(1) 13949 標準偏差−2σ 13904 サポート(2) 13891
<3076> あいHD - -あいホールディングス<3076>は15日、子会社のグラフテックが、新規事業として業務用プリンタ事業を開始すること及び同事業に関連する子会社「Graphtec Digital Solutions, Inc.(同社における孫会社)」を米国に設立することを決議したと発表。
グラフテックは、情報機器事業として主に業務用のカッティングプロッタやスキャナのほか、最近ではカッティングプロッタをコンシューマ向けとした商品を販売している。新規市場向けの商品開発が完了したことにより、新たに業務用ラベルプリンタ事業へ参入する。また、特に需要の見込まれる米国に、本事業のための販売会社を設立。秋頃までには新製品の量産体制を確立し、本格的に事業を開始する。
さらに業務用プリンタに引き続き、各種製造業・物流業・印刷業などで要望されている専用プリンタの発売準備を進めており、これらの商品群により本格的に業務用プリンタ事業に取り組む計画だ。
なお、今回発売する新製品は、業界初の本格的なフルカラーラベル専用プリンタ。米国及びEU諸国において、2015年までの基準採用が義務付けられ、罰則規定も追加されたGHS(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)ラベルへの要求条件を、完璧にクリアした商品である。消耗品ストックビジネスと合わせて、本事業の事業規模と収益の拡大を図り、5年後には売上規模200億円を目指す。
あいホールディングスは共同持株会社で、セキュリティ機器や情報機器などが収益の柱。傘下には、マンション向けセキュリティシステム、病院・金融機関向けのカードシステムを扱う「ドッドウエル ビー・エム・エス」、計測機器や情報関連機器を扱う「グラフテック」、耐震診断や耐震構造設計に強みを発揮する「あい設計」などを置く。
<4579> ラクオリア創薬 - -創薬ベンチャーのラクオリア創薬<4579>は15日、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)及びiPSアカデミアジャパンとiPS細胞の分化・誘導に関する共同研究契約を締結したと発表した。
同社とCiRA内の増殖分化機構研究部門、iPSアカデミアジャパンの3者が共同で、同社の保有する化合物ライブラリーから、iPS細胞から免疫細胞への分化・増殖を誘導する低分子化合物の探索を行う。この共同研究により、iPS細胞から免疫細胞の効率的な作成技術を開発することを目指す。
同社は、先端科学技術を活用して、医療分野でニーズの高い疾患に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬企業である。独自に創出した新薬の開発化合物(低分子化合物医薬)を製薬会社等に対して導出(使用許諾契約によりライセンスアウト)することにより収益を得る。独創性の高い創薬分野において、探索研究から初期開発、導出までを一体化して進めるビジネスモデルにより効率化を図る点に特徴がある。
<4784> GMO-AP - -GMOアドパートナーズ<4784>は1日、第1四半期(2014年1月-3月期)決算を発表した。
連結業績は、売上高が前年同期比39.0%増の62.13億円、営業利益が同12.8%増の2.43億円、経常利益が同11.4%減の1.99億円、純利益が同29.0%減の0.80億円になった。
主力のインターネット広告事業において、当第1四半期よりGMOソリューションパートナー(SOL社)を連結グループ会社化したことや、インターネット広告代理店を手がけるエージェンシー事業でリスティング広告及びSNS広告が好調に推移したことが増収・営業増益に寄与した。また、メディア開発事業では、ニュースとエンタメ情報を中心としたスマートフォン・モバイルメディアの「Yomerumo」の売上が増加基調にあるほか、中国におけるフリーマガジン事業の展開拡大を続けている。
SOL社については、2014年12月期の売上高を33~34億円、営業利益を4.6~5.6億円程度と想定しており、通期で売上・利益に大きく寄与する見通し。2014年12月期の成長戦略として積極的M&Aや提携のほか、自社アドテク(広告技術)商品・自社サービスの強化、サービスエリア拡大やローカル営業の強化、組織拡大のためのコーポレート強化を定めており、通期も増収増益を目指す。 通期業績予想は2月に発表した期初計画のとおり、売上高が前期比21.5%増の230.00億円、営業利益が同51.6%増の10.00億円、経常利益が同52.9%増の10.00億円、純利益が同2.2倍の4.00億円を見込んでいる。
同社は、GMOインターネット<9449>グループのインターネット広告・メディア事業の中核を担う。積極的なM&Aによる販路拡大を進めながら、総合ネット広告代理店グループとして一段の成長を狙っている。
シナジーマーケティング<3859、株価 - チャート>は19日、14年6月中間期(1-6月)の連結業績予想を増額した。営業利益は前期比48.7%増の1億7700万円となる見通し。期初予想は1億3500円で、増益幅を拡大させる。
顧客情報の管理ソフトを、低価格の情報システム料でレンタルする事業が柱。クラウドサービス売上の伸長に伴い同事業の売上総利益率が向上。エージェント事業でも外部発注で対応していた案件の内製化が進み売上総利益率が向上した。
19日の終値は、前週末比45円安の503円。
三谷商事<8066、株価 - チャート>はセメント、生コンなど建設資材を柱にした建材商社。ガソリンスタンドを展開し、石油製品販売を手掛けるほか、情報・通信事業にも力を注いでいる。
14年3月期の連結経常利益は前期比20.3%増の165億3800万円。計画していた145億円を大きく上回った。「アベノミクス効果で建材事業を軸に伸び、情報システム関連ではXPパソコンの入れ替え特需があった」(総務部)という。
15年3月期は反動減から連結経常利益は前期比9.3%減の150億円を予想している。財政政策による公共投資は継続するが、人手不足や原材料価格の上昇などの面での不透明感が残る。
もっとも、「会社予想は保守的」との見方が多く、株価は下方硬直性を強め、下値不安が後退している。子会社で展開する風力発電に対する期待も大きい。年30円配当は継続する予定。
信用需給面での妙味には欠けるが、割安な指標(予想PER8倍台、PBR0.8倍台)面からは継続した買いが期待される。
19日の終値は、前週末比25円安の2227円。
東邦チタニウム<5727、株価 - チャート>についてクレディ・スイス証券では19日付で、投資判断を「ニュートラル」(中立)から「アウトパフォーム」(強気)に、目標株価を700円から900円にそれぞれ引き上げている。
買い推奨の理由として、チタン産業の在庫循環の底打ち反転が確認できたと判断したことに加え、航空機向け需要の回復コメントなどにより長期的な回復確度が高まったと考えられるためとコメントしている。航空機向けチタン需要は航空機会社の在庫過剰による低迷が続いていたものの、過剰在庫は解消に向かっていると推定、航空機需要は長期的に拡大基調にあることから、在庫調整が完了すれば、今後5年間は利益拡大が続くと考えられると指摘している。
また、同証券では業績予想を修正。連結営業利益について、15年3月期35億円の赤字(前期は47億500万円の赤字、従来28億円の赤字、会社側計画は40億円の赤字)、16年3月期66億円(従来52億円)、17年3月期83億円と試算している。目標株価は、従来はPBRを算出に使用していたが、ファンダメンタルズが底打ち反転した可能性が高いことから、PERに変更されている。
19日の終値は、前週末比36円高の694円。
松屋<8237、株価 - チャート>は銀座と浅草で展開する老舗百貨店。
14年2月期の連結経常利益は前期比44.8%増の15億7000万円。計画していた13億円を上回った。銀座店の改装に伴う集客増や景気の持ち直しの動きを受けて、「海外ブランド品などの高額品や時計、宝飾品、婦人衣料が好調だった」(総務部IR室)という。
15年2月期予想の連結経常利益は前期比1.9%増の16億円。伸び率は前期に比べ鈍化するが、銀座店の改装効果が通年で寄与してくる見通し。また、ローコスト運営に力を注ぐ浅草店では、入居する商業施設との相乗効果を目指す。
なお、足元では「増税駆け込みの反動も解消し、衣料品では初夏物の出足が好調」(同)という。配当は中間期・期末に各2円50銭の年5円(前期は期末に2円50銭)を予定している。
19日の終値は、前週末比12円高の950円。
シスメックス<6869、株価 - チャート>についてクレディ・スイス証券では19日付で、投資判断を「アウトパフォーム」(強気)から「ニュートラル」(中立)に引き下げ、目標株価は3500円を継続している。
14年3月期連結決算では前期比26.8%増収、同50.8%営業増益を達成し、15年3月期予想も堅調であるものの、株価は好業績への期待を織り込んだとみられるとコメント。同社の主力事業であるヘマトロジーはグローバルで検体件数が増加しており、引き続き業績をけん引することは確実とみられるが、今後は円安効果は一巡すると指摘。業績以外に目先で顕在化するカタリストは多くないことから、当面の株価の上値余地は限定的と思われるとしている。
また、同証券では業績予想を修正。連結営業利益について、15年3月期360億円(前期比9.5%増、従来350億円、会社側計画は360億円)、16年3月期400億円(従来400億円)、17年3月期450億円(同450億円)と試算している。
19日の終値は、前週末比20円高の3370円。
アイロムホールディングス<2372、株価 - チャート>は19日、100%子会社であるディナベックが「臨床使用iPS細胞作製用ベクターのGMP(医薬品・医療機器の安全性を確保するための製造業者の遵守基準)対応製造技術の整備」について、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)が主催する2013年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業の助成事業に採択されたと発表した。
ディナベックは、助成事業として、同ベクターのGMP対応製造技術を開発する。本開発を通じて、センダイウイルスベクターによるiPS細胞作製技術により、再生医療の基礎研究から臨床開発までのシームレスな研究開発をサポートし、再生医療の早期実現に向けて貢献していくとしている。
19日の株価は、前週末比1円高の688円ザラバ引け。
高見澤<5283、株価 - チャート>は長野県に本社を置く。建設関連、電設資材を柱にカーライフ、住宅・生活関連事業で構成している。
14年6月期第3四半期(13年7月-14年3月)の連結経常利益は前年同期比66.6%増の11億1300万円。「公共工事の拡大や増税前の駆け込み需要を追い風に、建設関連、電設資材の販売が順調に推移した」(大井文成常務)という。
通期予想は前期比22.4%減の6億3000万円。第4四半期は増税反動減の影響が残るなか、第3四半期時点では通期予想をすでに超過しており、増額期待の買いを誘いやすい。
15年6月期は引き続き公共投資の増加し建設関連事業が伸びる方向。太陽光発電設備やLED照明などの関連商材の販売増も期待され、業績面にプラス効果をもたらす可能性が高い。さらに、水の宅配事業では、昨年8月に建設した新潟工場がフルに寄与。減価償却費の軽減なども見込まれる。
指標(予想PER11倍台、PBR0.4倍台)面での割安さも目立ち、見直し買い好機といえそうだ。
19日の株価は、前週末比18円高の379円ザラバ引け。
星和電機<6748、株価 - チャート>は道路標示機器大手。LED分野への展開にも力を注いでいる。
14年3月期の連結経常利益は前期比18.6%増の5億100万円。「情報機器や照明機器事業で売上が増え利益が取れた。また、エアコン用の配管保護機材を取り扱うコンポーネント事業では増税前の駆け込み需要があった」(経営企画部)という。
15年3月期はさらに強気の計画を出しており、連結経常利益は前期比49.4%増の7億5000万円を見込んでいる。工事費の高騰、為替の影響による仕入れ価格の上昇も、増収効果で吸収できる見通し。
情報機器事業では前期に続いて道路関連の需要が拡大。照明機器事業ではLED照明器具の民間需要の拡大に加え、公共投資関連も強含みで推移する見通し。さらに、コンポーネント事業は前期並み水準を予想しているが、夏場にかけて気温が上昇すれば、需要を押し上げる可能性がある。
期末一括配当は1円増配の8円を予定している。
1株純資産697円に対して半値以下水準の時価は割安。年2.4%台の配当利回りも下支え。株価の上昇に欠かせない出来高が今後、増加してくれば、水準訂正高が期待される。
19日は取引がなく、直近終値は16日の321円。
<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円に対して約3カ月半ぶりの安値に下落した。米景気回復の先行き不透明感から、米国債利回りがこのところ低下傾向にあることがドル安要因となった。米経済指標がまだら模様であることに加え、米連邦準備理事会(FRB)幹部が概ねハト派的な見通しを示していることが米国債利回りの重しとなり、ドルは今年の上昇を維持できなくなっている。
<債券> 米金融・債券市場では、期間が長めの国債利回りが上昇。利回りが前週数カ月ぶりの低水準をつけていたことを受け、利食い売りが出た。また、欧州市場の引け後、欧州投資家からの引き合いが弱まったことも指摘された。サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁が、米経済に明るい見通しを示したことも、長期債の需要を圧迫した。同総裁は、米経済が総じて拡大しているほか、ワシントン州シアトルやカリフォルニア州ベイエリアでは景気が「想定以上に好調」との見解を示した。米株高も、債券相場押し下げの一因になったとみられる。
<株式> 米国株式市場は上昇して終了した。国債利回りの低下が追い風となったほか、インターネットやバイオテクノロジー関連株が買われナスダックを押し上げた。この日は成長期待の高い「モメンタム」株の上昇が目立ち、オンライン旅行サイトのトリップアドバイザー<TRIP.O>が5.2%上昇し、米オンライン動画配信大手のネットフリックス<NFLX.O>も4.2%値上がりした。医薬品の バーテックス・ファーマシューティカルズ<VRTX.O>も3.4%高となった。
<金先物> 週明け19日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先 物相場は方向感に乏しく、ほぼ横ばいで終了した。金相場は朝方からショートカバーや安値拾いの買いが入り、強含みで推移した。欧州中央銀行(ECB) はこの日、スウェーデン国立銀行(中央銀行)、スイス国立銀行(同)と金取引に関して 協調する取り決めを更新したと発表。ECBが声明で、金は引き続き国際的準備資産の重 要な構成要素であると表明したことも、相場の下支え要因となったもよう。 ただ、買い一巡後はじりじりと上げ幅を削った。
<米原油先物> 週明け19日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、混迷するリビア情勢やドル安・ユーロ高を背景に続伸した。米国産標準油種WTIの6月物は中心限月として4月21日以来約1カ月ぶりの高値で終了。相場は終日強含みで推移した。リビアでは、週末に武装勢力が首都トリポリの議会議事堂を襲撃し、「議会の機能停止」を宣言。同国の産油量回復が遅れるとの懸念が原油相場の買いを支えた。
このほか、外国為替市場でドル安・ユーロ高が進行したことも、ドル建てで取引される原油相場に割安感を与え、買いを支えた。また、6月物が翌日の納会を前に買い戻されたとの見方もあった。
中国証券監督管理委員会(CSRC)は、6月初めから年末にかけ、約100社の新規株式公開(IPO)を計画している。
新華社が19日、CSRCの肖鋼委員長の発言として報じた。
新華社によると、委員長は「市場で出ている予想を安定化させるため、約100社の株式公開を計画している」と語った。
毎月、ほぼ同数のIPOを実施する方針という。
CSRCはIPO規則の刷新を進めている。今月には、資金の少ない小規模企業の支援に向け、深セン証券取引所の新興企業向け市場「創業板(チャイネクスト)」でのIPOおよび株式発行の規則を緩和した。
19日の米国株式市場は上昇して終了した。国債利回りの低下が追い風となったほか、インターネットやバイオテクノロジー関連株が買われナスダックを押し上げた。
S&P総合500種指数が1月以来となる2週連続の下落を記録し、最近の株式相場は圧力にさらされている。投資家が経済成長の見通しに関して懸念を持つようになったことが背景にある。
ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)の首席投資ストラテジスト、マーク・ラスチーニ氏は「相場におけるけん怠感は、投資家が現在直面している苦悩を物語っている。バリュエーションは十分に高いが、もう一段の伸びが見られない。経済の高成長が本格的に始まり、こうしたバリュエーションの高さを正当化できるだけの明白な証拠が見つからないためだ」と話した。
この日は成長期待の高い「モメンタム」株の上昇が目立ち、オンライン旅行サイトのトリップアドバイザー<TRIP.O>が5.2%上昇し、米オンライン動画配信大手のネットフリックス<NFLX.O>も4.2%値上がりした。医薬品の バーテックス・ファーマシューティカルズ<VRTX.O>も3.4%高となった。
インターネット関連とバイオ関連株はこの数週間に最も上下の振れ幅が大きかった業種の一つで、景気改善の兆候を材料に上昇する一方、バリュエーションが高すぎるとの懸念から売られるなどしていた。小型株のラッセル2000指数<.TOY>は1%上昇し、4営業日ぶりに反発した。同指数は度々調整圏内に接近し、直近の高値からは10%下落していた。
ダウ工業株30種<.DJI>は20.55ドル(0.12%)高の1万6511.86ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は35.23ポイント(0.86%)高の4125.82。
S&P総合500種<.SPX>は7.22ポイント(0.38%)高の1885.08。
前日に米衛星放送大手ディレクTV<DTV.O>を485億ドルで買収することで合意した通信大手AT&T<T.N>は1%安となり、ダウ平均の上昇幅は限定的だった。ディレクTVも1.8%安となった。
英医薬品大手アストラゼネカ<AZN.N>の米国上場株は12%の大幅安。米医薬品大手のファイザー<PFE.N>による提示額引き上げ後の「最終的な」買収提案を拒否したことが材料視された。実現すれば世界最大の製薬会社の誕生となるはずだった。ファイザーは0.6%高をつけた。
米食品大手キャンベル・スープ<CPB.N>は2.4%安となり、S&P500種の下落銘柄上位の一角を占めた。四半期の売上高が市場予想を下回り、通年の売上高予想を下方修正したことが嫌気された。
引け後に第1・四半期決算を発表した米アパレル小売りのアーバン・アウトフィッターズ<URBN.O>は4.3%安となった。
序盤に米10年国債利回り<US10YT=PR>が2.5%近辺に低下したことが投資家の株式買いの理由となり、株式相場の上昇に寄与した。ただ、終盤に利回りは2.55%まで上昇した。
ニューヨーク証券取引所に上場する銘柄の約62%、ナスダックでは3分の2がプラス圏で取引を終えた。
BATSグローバル・マーケッツのデータによると、ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE MKTの3市場の出来高は約49億4000万株と、今月の平均である60億5000万株を下回った。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
終値(非公式) 16511.86(+20.55)
前営業日終値 16491.31(+44.50)
ナスダック総合<.IXIC>
終値(非公式) 4125.82(+35.23)
前営業日終値 4090.59(+21.30)
S&P総合500種<.SPX>
終値(非公式) 1885.08(+7.22)
前営業日終値 1877.86(+7.01)
<為替> ドルが円に対して約3カ月半ぶりの安値をつけた。米経済の先行き不透明感が根強いことから米国債の利回りが低下し、ドルが売られている。
ドル/円<JPY=>は101.11円と2月初旬以来の安値をつけた後、0.3%安の101.18円で取引された。ユーロ/ドル<EUR=>は0.2%高の1.3720ドルだった。主要通貨に対するドル指数<.DXY>は79.971とやや下落した。
まちまちな経済指標や米連邦準備理事会(FRB)のハト派的な姿勢が、米国債の利回りを押し下げており、結果として今年のドルは上がりにくい状態となっている。米長期金利の指標となる10年債利回り<US10YT=RR>は19日、2.51%に低下した。市場ではドル/円に最も大きなドルの買い持ちポジションが存在し、米国の利回りによって一番影響を受けやすい。
投資家はユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)や中国の5月製造業PMI、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨に注目している。
<株式> ロンドン株式市場は、FT100種総合株価指数<.FTSE>が11.26ポイント(0.16%)安の6844.55で取引を終えた。米医薬品大手ファイザー<PFE.N>による新たな買収案を拒否したアストラゼネカ<AZN.L>が大幅下落し、全体水準を押し下げた。
アストラゼネカは、買収額を1株当たり55ポンドに引き上げたファイザーの最終提案を拒否。株価は11.1%下落し、FT100種の中で最も大幅なマイナスとなった。
ファイザーが敵対的買収は行わないとしており、投資家はもう買収が成立することはないだろうとみている。ファイザーによる合併・買収(M&A)提案が報じられて以降、アストラゼネカの株価は27%上昇していた。
こうした中で、アイルランドの格安航空会社ライアンエア<RYA.I>の決算が市場予想を上回ったことを材料に、航空関連株が買われた。ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)を傘下に持つインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)<ICAG.L>は4.7%、格安航空のイージージェット<EZJ.L>は3.5%上昇した。
欧州株式市場は、下落して取引を終えた。米ファイザー<PFE.N>が提示した最終の買収提案を拒否した英医薬品大手アストラゼネカ<AZN.L>や、自己資本増強を発表したドイツ銀行<DBKGn.DE>が大きく値を下げ、全体水準を押し下げた。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は2.63ポイント(0.19%)安の1358.91で引けた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は2.82ポイント(0.09%)安の3169.90。
アストラゼネカは、買収額を引き上げたファイザーの最終提案を拒否。これを受けてアストラゼネカの株価は11.1%下落し、FTSEユーロファーストの銘柄で最も大きなマイナスとなった。
ドイツ銀行は80億ユーロ(110億ドル)の資本増強計画を発表し、株価が1.7%下落した。ほかの銀行もバランスシート強化に向けて増資する可能性があるとの観測が出て、STOXX欧州600銀行株<.SX7P>は0.8%下げた。
ただ、FTSEユーロファーストとSTOXX欧州600銀行株は2013年の年初から20%近く上昇しており、投資家の間では欧州株の先行きについて楽観的な見方も存在する。
AXAインベストメント・マネージメントのシニア投資マネージャー、リチャード・マーウッド氏は、欧州中央銀行(ECB)が近く利下げに動くとの観測が株式を買い進める上で安心感を与えてくれていると指摘している。利下げは国債投資のリターンを損なうことにつながり、相対的に株式の魅力を増すことになるからだ。
<ユーロ圏債券> 今週末に欧州議会選挙を控え、このところ上昇していたイタリア国債やスペイン国債などの高リスク国債に利食い売りが出た。
イタリア10年債<IT10YT=TWEB>とスペイン10年債<ES10YT=TWEB>の利回りは一時低下していたものの、その後反転し、終盤の取引では10ベーシスポイント(bp)以上上昇、それぞれ3.06%、3.20%付近で推移している。
市場関係者によると、24─25日の欧州議会選挙で緊縮財政措置に反対する議員やユーロ懐疑派の得票率が伸びれば、改革に向けた取り組みが損なわれる可能性があるとの懸念が出ている。
ICAPのストラテジスト、フィリップ・タイソン氏は、「欧州議会選挙を控えた政治リスクが意識され、利食い売りが見られた」としている。
市場は特にギリシャでの展開に注目。野党が得票を伸ばせば、すでに足元が揺らいでいる連立与党が打撃を受け、総選挙に発展する可能性も指摘されている。
欧州中央銀行(ECB)が何らかの景気支援策を打ち出すとの観測が出ていたことで、欧州議会選を前にした市場の動揺はこれまでなかなか表面化してこなかった。
ダンスケ銀行のシニア・アナリスト、オーウェン・カラン氏は、「ECBが6月に何らかの新たな景気刺激策を打ち出すとの観測から、今月初めからロングポジションが大幅に積み上がっている」としている。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスが16日、アイルランドの格付けを「Baa3」から「Baa1」に2段階引き上げたことを受け、同国の10年債<IE10YT=TWEB>は一時低下したものの、取引終盤では3bp上昇の2.72%。利回り低下は長続きしなかった。
国際支援から脱却したポルトガルの国債利回りも上昇。10年債<PT10YT=TWEB>利回りは8bp上昇の3.86%となった。
ギリシャ10年債<GR10YT=TWEB>利回りは前週末につけた2カ月ぶりの高水準を若干下回る水準で推移。海外のギリシャ国債保有者が2012─13年に得たキャピタル・ゲインに関する納税義務を撤廃する方針が表明されたが、懸念の払拭には至っていない。
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