「おい、○○。起きろや」
親方の声で目を覚ました俺は、バッと飛び起き時計を見る。
朝の7時。目の前には、ニコニコした親方と神主さんが居る。
「あ、すみません親方。昨夜遅くなったんで、泊まっちまいました」
俺は親方にどやしつけられるかとビクビクしながら謝った。
「ふ。お堂の中で一晩過ごすなんざ、おめぇもそろそろ一人前かぁ?」
なぜか嬉しそうな親方。なんとか怒られずに済んだようだ。
「あ、神主さん、昨夜はありがとうございました。
食事届けていただいて。」
「はぁ?なんですかそれは?私は存じませんが?」
「え?だって神主さんのお身内だっていう巫女さんが、
酒と食事を持ってきてくれて…」
「いやあ、あなたがお堂に泊まってるのに気付いたのは今朝ですよ。
朝、様子を見に来たら、あなたの軽トラが階段の下に止まっていたので、
何か有ったのかと思って親方に連絡して、一緒にお堂に来たのですが…」
「え?そんなはずは…?」