戸惑う俺を見て、親方が大笑いしながら言った。

「大方、腹減らしながら寝ちまったから、そんな夢を見たんだろうよ。
 それか、オオカミ様がおめぇの働き振りを気に入って、
 ご馳走してくださったかだ。
 まあ、後でお礼の酒でも納めれば良いんじゃねえか」

一週間後、無事に竣工した神社を奉納する儀式も終わった。

俺は休日に一人で神社に行き、酒と銀細工の髪飾りを納めた。

帰りに鳥居を潜ろうとしたとき、
お堂の前に間違いなく誰かが居る様な濃厚な気配を感じて、
振り向きそうになったが、そのまま一礼して階段を降り始めた。