ゲンダイエージェンシー<2411、株価 - チャート>が反発し、基準値比16円高の598円まで買われた。25日引け後、13年9月中間期(4-9月)の連結業績予想を上方修正し、好感された。
9月中間期予想で、売上高を80億5000万円から86億円(前年同期比4.6%減)へ、営業利益を7億1000万円から8億8000万円(同4.8%減)へ、純利益4億3000万円から5億3000万円(同9.4%減)に修正した。大型案件獲得に向けた事前の広告提案活動が奏功し、パチンコホールの新規出店告知案件や大規模改装案件の受注獲得が想定を上回った。利益面では、売上高予想が予想を超過したことに伴うマージンの超過に加え、デザイン業務の内製化などのコスト削減策も寄与した。
14年3月期の業績予想は、現在精査中とし、10月18日に発表を予定する中間期決算発表時に公表する予定。
26日の終値は、10円高の592円。
ストレージ開発のニューテック<6734、株価 - チャート>が80円ストップ高配分の420円。25日引け後、13年8月中間期(3-8月)の単体業績予想を上方修正し、刺激材料となった。
中間期業績見通しは、売上高が前回予想の8億9400万円から10億600万円(前年同期比17.2%増)へ、営業利益は同1400万円から2100万円(前年同期は100万円)に引き上げられた。OEM(相手先ブランドによる生産)関連企業などへのミラーカード納入が好調で、収益拡大につながった。
富士重工業<7270、株価 - チャート>が続伸。大和証券では25日付で、投資判断「2」(アウトパフォーム)、目標株価2800円程度を継続するとしている。
14年3月期第2四半期(13年7-9月)の連結営業利益を730億円前後(前年同期比2.8倍)と想定。販売好調を背景に第1四半期(13年4-6月)実績696億円を上回る利益水準が期待できると考えているという。14年3月期会社側計画は上方修正の公算があり、修正幅は為替前提に加え増産可能幅次第とコメントしている。株価は販売・業績好調を背景に堅調な推移が続くと想定している。
同証券では連結営業利益について、14年3月期2780億円(前期比2.3倍、会社側計画は1980億円)、15年3月期2970億円と試算している。
26日の終値は、基準値比107円高の2747円。
みずほフィナンシャルグループ<8411、株価 - チャート>が小動き。大和証券では25日付で、投資判断「1」(買い)を継続、目標株価は250円から260円に引き上げている。
13年9月中間期(4-9月)連結純利益は、与信損益改善や子会社の利益貢献から、会社側計画2500億円を大幅に上回る3700億円(前年同期比約2倍)を予想。14年3月期連結純利益は、保守的な想定を置いたうえでも、会社側計画5000億円を上回る5800億円(前期比3.4%増)が期待されるとしている。
業績上ブレ期待に加え、各種バリュエーション面からも割安感があり、オリンピック開催で東京圏の投資が拡大すれば恩恵は大きいとも指摘している。目標株価は14年3月期連結純利益の同証券予想上方修正にあわせて260円に引き上げられている。
26日の終値は、基準値比3円高の223円。
東京五輪開催決定後にスルスルと上昇した日本株だが、今週に入って足踏み状態が続いており、今後も上値が重そうな状況が信用取引のデータから読みとれる。今回は信用取引のデータを保有銘柄チェックや銘柄探しに使う方法を解説しよう。
信用倍率は5〜6%で高止まりしている
日経平均は9月に入ると上昇に転じ、投資家の懐具合は徐々に改善している。【図表1】は過去1年の日経平均、【図表2】は信用取引の評価損益率と信用倍率だ。
信用取引の評価損益率は、信用取引で株を買い建てた人の損益率を表している。5月下旬の急落で損益率は急速に悪化し、-15%まで落ち込んだ【図表2】。ちなみに、-10%が信用取引の追証発生水準。現時点では少し改善し-6%程度となっている。
信用倍率(信用取引の売り残に対する買い残の比率)を見ると、昨年は2倍程度だったが、今年前半のアベノミクス相場で上昇を続け、最近では5〜6倍で高止まりしている【図表2】。信用買い残が多ければ近い将来、返済による売り圧力となるため、株価は上がりにくい。
たとえば、代表的な個別銘柄の信用倍率(9月20日時点)は、トヨタ自動車(7203)7.63倍、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)16.41倍、ソフトバンク(9984)4.92倍と高水準だ。
ソフト大手のSCSK<9719、株価 - チャート>が3日ぶりに反発し、20日の年初来高値2394円を更新。基準値比170円高の2431円で高値引けした。大和証券が25日付で、目標株価を2540円から3306円に引き上げ、見直し買いにつながった。投資判断「1」(買い)は継続。
同証券では、会社取材を行い、上期(13年9月中間期)は会社計画超過ペースで進ちょく中とし、受注の加速傾向と採算性向上を評価したいとした。受注に関しては、金融と自動車産業向けが活況で、そのプロジェクトが長期のため、今後2-3年は拡大が持続しようと指摘している。
あさひ<3333、株価 - チャート>が3日ぶりに反発し、一時59円高の1643円を付ける場面があった。ゴールドマン・サックス証券が25日付で、高いキャッシュリターン、収益成長性を踏まえ、現株価は割安と判断。投資判断「買い」、目標株価2400円を継続した。
同証券では、専門店業態の競争優位性をベースに、市場シェア拡大による成長が続こうと指摘。人件費適正化とともにスケールメリットが次第に発現され、収益性も今後改善に向かうとみている。
26日の終値は、前日比50円高の1634円。
帝人<3401、株価 - チャート>が小動き。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では25日付で、レーティング「アンダーパフォーム」(弱気)、目標株価155円を継続している。
25日、14年3月期第2四半期(13年7-9月)において、特別利益および特別損失が発生する見込みになったと発表。同証券では、第2四半期決算までに発表すると会社側が公表している長期ビジョンの見直しの一環とみているものの、6月に報じられた米国炭素繊維の一部設備休止と本件だけでは長期ビジョンとして不十分な印象であり、全体としてどのような施策や戦略が示されるかを精査したいとコメントしている。
26日の終値は、基準値比1円高の231円。
イオンファンタジー<4343、株価 - チャート>が反落。SMBC日興証券では25日付で、投資判断「1」(アウトパフォーム)を継続、目標株価は1900円から1850円に引き下げている。
同証券では、国内のセールスミックス悪化と海外の新規出店見通しを引き上げたことを背景に業績予想を下方修正。あわせて目標株価を引き下げている。同証券では連結営業利益について、14年2月期36億円(前期比5.8%増、従来41億円、会社側計画は36億円)、15年2月期45億円(従来50億円)、16年2月期56億円(同55億円)と試算している。
26日の終値は、前日比17円安の1395円。
26日の東京外国為替市場でドル・円は1ドル=99円台に乗せるなど堅調に推移した。午前11時頃、政府が消費増税に対する景気対策として法人税の引き下げを「早急に検討を開始する」と明記する方向で調整に入ったと報じられると、日経平均株価がマイナス圏から浮上、株高を背景とした円売りが強まった。
また、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用方針などをめぐる有識者会議による中間論点整理で株式市場に対しポジティブな見方が出る可能性、投資信託の新規設定が多くあった点も株高・円安の支援材料となった。
なお、朝方は日経平均株価が下落して始まったことからリスク回避目的の円買いが増加。ドル・円は一時98円24銭近辺まで下落した。
午後3時15分時点は1ドル=98円92銭、1ユーロ=133円74銭、1ユーロ=1.3518ドル。
東京株式市場で日経平均は4日ぶりに反発。終値は前日比178円高で高値引けとなった。朝方は前日の米国株安などを背景に売りが先行。先物への大口売りで日経平均は200円を超す下げとなる場面もあった。
だが、前場の取引時間中に政府が法人税の実効税率引き下げを早急に検討すると伝わると急速に切り返し、日経平均はプラス転換。円相場が99円付近まで下落したことも指数の戻りを後押しした。きょうは9月期末の権利落ち日だが、約80円とみられる配当落ち分を即日で埋めた。
アベノミクスへの期待感が再び高まってきた。共同通信は26日、政府が消費増税に伴う経済対策で、焦点となっている法人税の実効税率引き下げについて「早急に検討を開始する」と明記する方向で調整に入ったと報じた。これを受け先物市場で買い戻しが加速。大引けにかけて上げ幅が拡大する展開となった。EPS(1株利益)上昇に直結する法人税率引き下げ報道に海外勢が反応したとみられている。また、きょう行われる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの資産運用見直しを議論する有識者会議で、株式にポジティブな内容が出てくるのではとの期待感も広がった。
米財政問題をめぐる懸念が引き続き重しとして意識されているが、市場では「暫定予算、債務上限、来年の歳出自動削減など問題は目白押しだ。しかし、基本的には妥協が図られリスクは限定的。米財政問題で大きく株価が下がれば買い場になる」(みずほ証券ストラテジスト兼エコノミストの倉持靖彦氏)との強気の見方が出ていた。
個別銘柄では、日本電産<6594.T>が堅調。同社は26日、三菱マテリアル<5711.T>の子会社で車載モーターなどを手掛ける三菱マテリアルシーエムアイ(静岡県裾野市)を買収すると発表した。これを材料視した買いが入った。半面、アドバンテスト<6857.T>が年初来安値を更新。25日、2014年3月期の当期損益(米国会計基準)予想を98億円の黒字予想から一転、25億円の赤字予想に下方修正すると発表し嫌気された。
東証1部騰落数は、値上がり1043銘柄に対し、値下がりが546銘柄、変わらずが104銘柄だった。
田辺三菱製薬<4508、株価 - チャート>が上昇。基準値比20円高の1370円で高値引けした。25日引け後、13年9月中間期(4-9月)の純利益予想を増額修正し、好感された。
9月中間期予想で、純利益予想を190億円から270億円(前年同期比33.4%増)に引き上げ、一転して増額となる。国際商業会議所の仲裁裁定で、抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤「レミケード」の過年度分供給価格の精算など、仲裁に係る収益110億円を特別利益に計上したことなどが寄与する。
<6988> 日東電工 6710 -830 大幅反落。本日から日経平均に新規採用、それに伴うインデックスファンドの組み入 れ需要発生から、前日は大引けにかけてストップ高水準まで買い進まれた。インデッ クス買いの一巡で本日は利食い売りが先行する格好に。また、BNPパリバでは投資 判断を「バイ」から「リデュース」に格下げ、目標株価も8000円から5000円に引き下 げている。競争激化などで市場の期待ほどITOフィルムの成長は見込みにくいとの 見方に。 <4911> 資生堂 1768 +64 買い優勢。JPモルガン(JPM)では投資判断「オーバーウェイト」を継続、目標 株価を1740円から1900円に引き上げている。米国・欧州化粧品事業のプラス転換など も想定されるため、上半期営業利益は会社計画を大きく上回る見通しと指摘。会社計 画150億円に対して、JPMでは202億円と予想のようだ。 <7532> ドン・キホーテ 6120 +230 買い先行。モルガン・スタンレー(MS)では小売り専門店各社のカバレッジを開 始、同社とUアローズ<7606>を新規に「オーバーウェイト」としている。同社に関し ては目標株価を6500円と設定、消費者の防衛本能が成長ドライバーとなって業界再編 のイニシアチブをとる可能性が高いと判断しているもよう。 <9110> ユナイテド海 288 +39 買い優勢。海運セクターは業種別で唯一のプラスサイドとなっている。前日のバルチ ック指数は5%強の上昇となり、一段と上昇ピッチを早めている。運賃上昇による収 益改善期待が引き続き高まっているもよう。なかでも同社は、中小型海運株で唯一年 初来高値を更新している銘柄であり、短期資金の関心も高まりやすいもようだ。 <4182> 三菱ガス化学 857 -49 下げ目立つ。半導体関連材料中心に8月頃から受注が減速、下半期業績に不透明感が 出てきたとの見方なども挙がっているもよう。今期業績は会社計画比で大幅な上振れ がコンセンサスとなっていたなか、警戒感も強まる格好のようだ。株価は年初来高値 圏を推移してきただけに、利食い売りも急がれる状況か。 <6881> キョウデン 184 +50 ストップ高。電気自動車関連技術の見本市「電気自動車開発技術展」が開幕、「超小 型」に注目が集まると伝わっている。とりわけ、同社が展示した三輪の「Rena X3」は年内に49.8万円で発売予定とされており、期待感の高まりにつながっている ようだ。また、技術力の高さに対する見直しなども。 <1861> 熊谷組 247 +50 急反発でストップ高まで。同社を含めたインフラ関連の低位材料株は総じて、前日に は手仕舞い売りの動きに押される格好となった。ただ、実質下半期入りしたことで、 短期資金の動きもあらためて活発化する格好に。インフラ関連株には短期リバウンド を狙った押し目買いの動きが優勢となっているようだ。また、大和では、リニア中央 は路線の86%がトンネル区間となり、かつ、難工事が見込まれることで、実績の高い トンネル技術を有する企業の活躍が期待できると指摘している。 <9501> 東京電力 560 +37 上げ幅広げる。一部報道では、新潟県知事が柏崎刈羽原発の再稼働に向けた安全審査 申請を容認する方向で検討に入ったと伝わっている。規制委への申請、認可への道筋 が見えたとして、期待材料視する動きが先行のようだ。前日には東京電力と新潟県知 事の会談が行われており、思惑材料視されていた面もある。 <6594> 日本電産 8300 +200 しっかり。三菱マテリアル子会社を100億円で買収すると報じられている。買収する 企業は「三菱マテリアルシーエムアイ」、自動車用モーターを手掛けており、前期売 上高は約140億円のもよう。短期的な業績インパクトは限定的であるが、注力中の車 載分野における顧客基盤の拡大、新分野での技術取得などにつながるとの期待感など が先行する状況へ
<6857> アドバンテスト 1197 -50 大幅安。前日に発表した業績下方修正がネガティブなインパクトに。通期営業損益は 130億円の黒字予想から収支均衡水準にまで減額修正へ。有力半導体メーカーによる テストシステムへの需要は想定ほど伸びておらず、かつ、先行きの不透明感も高まる 状況になっているもよう。下方修正の可能性は織り込まれていたものの、市場コンセ ンサスを大幅に下回る水準までの下方修正となる格好に。クレディ・スイス(CS) では更なる下方修正リスクもあると指摘している。 <8035> 東京エレク 5450 -40 反落。米アプライドとの経営統合を好感、昨日は大幅高となったものの、本日は利食 い売りが先行する状況のようだ。アプライドは昨日も続伸の展開となっており、終値 の17.84ドルをベースとした理論株価は5700円程度になる。また、バークレイズでは 投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も 4800円から5400円に引き上げ。ユーザーに対し幅広いプロセスを提供することが可能 となり、トップライン、ボトムラインの両面でシナジー効果は大きいと指摘。
マザーズ指数が急反発。全般相場の切り返しに連動して後場に上げ幅を拡大させ、前日の大幅下落分を一気に取り戻した。ナノキャリア<4571、株価 - チャート>、アンジェス MG<4563、株価 - チャート>、UMNファーマ<4585、株価 - チャート>などバイオ株が上昇。株式分割の権利を落としたコロプラ<3668、株価 - チャート>、ユーグレナ<2931、株価 - チャート>などの主力株も堅調に推移した。ジャスダックでも分割落ちのデジタルガレージ<4819、株価 - チャート>が上伸。楽天<4755、株価 - チャート>は連日の高値更新。
26日後場の日経平均株価は前日比178円59銭高の1万4799円12銭と高値引けに反発。9月配当権利落ち分(市場推計80円程度)を即日で埋めた。後場寄りの買い一巡後はもみ合い。政府の経済対策待ちや米国の財政問題など内外に見送り材料を抱えていることから、積極的な動きがみられなかった。その後、円安基調一服を背景に急速に上げ幅を縮小する場面もみられたが、円が再び弱含んだことから後半は強調展開。株価指数先物への買いを交えて引けにかけて一段高となった。日中値幅は388円60銭と、8月8日の474円49銭以来の大きさとなった。東証1部の出来高は30億4783万株。売買代金は2兆1534億円。騰落銘柄数は値上がり1043銘柄、値下がり546銘柄、変わらず104銘柄。
市場からは「配当落ち分を即日で埋めたことで、今後の展開に期待が出てきた。政府の経済対策に対する期待感と財政問題など米国での不透明感が綱引きする展開が続いているが、きょうの予想以上の強さで前向きな見方が強まりそうだ」(中堅証券)との声が聞かれた。
業種別では、郵船<9101、株価 - チャート>、川崎汽<9107、株価 - チャート>など海運株、洋ゴム<5105、株価 - チャート>、ブリヂス<5108、株価 - チャート>などタイヤ株、MS&AD<8725、株価 - チャート>、T&DHD<8795、株価 - チャート>など保険株が東証業種別株価指数で値上がり率上位。トヨタ<7203、株価 - チャート>、ホンダ<7267、株価 - チャート>など自動車株、ソニー<6758、株価 - チャート>、キヤノン<7751、株価 - チャート>など電機株も堅調。個別では、三菱マテリアル<5711、株価 - チャート>の自動車用モーター子会社買収を発表した日電産<6594、株価 - チャート>、中国アリババ集団の米市場上場観測が材料視されたソフトバンク<9984、株価 - チャート>、13年8月期連結売上高が1兆円を超えたと伝わったファーストリテ<9983、株価 - チャート>が買われた。ラサ工業<4022、株価 - チャート>、熊谷組<1861、株価 - チャート>、ユナイテッド海運<9110、株価 - チャート>が東証1部値上がり率上位となった。
半面、日新薬<4516、株価 - チャート>、中外薬<4519、株価 - チャート>など医薬品株、伊藤忠<8001、株価 - チャート>、三井物産<8031、株価 - チャート>など卸売株などが軟調。個別では、前日ストップ高の反動から売られた日東電<6988、株価 - チャート>が前場に続いて東証1部値下がり率トップ。ほかには、SHOBI<7819、株価 - チャート>、極東証券<8706、株価 - チャート>、三菱ガス化学<4182、株価 - チャート>が値下がり率上位。13年8月中間期連結最終損益が145億円の赤字見込みのダイエー<8263、株価 - チャート>も売られた。
なお、東証業種別株価指数は全33業種中、29業種が上昇した。
10月1日に表明する見通しとなった消費税率の引き上げ。政府は消費税率の引き上げに備えて、新たな経済対策を検討するなど、着々と地固めをしている。施策自体は減税と補正予算などの財政出動を合わせて、5兆円を上回るという予測もある。こうした施策を打ってまで消費増税を押し進める理由はどこにあるのか。ZAi編集部は、消費増税に到った経緯を振り返りながら、『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界一わかりやすいニッポンの論点10』の著者であり、アベノミクスブレーンの高橋洋一さんに消費増税の今後の流れと展望についてインタビューした。
ギリシャ問題で危機感を煽り、消費増税を強引に決定
――そもそも、なぜ消費税を5%から段階的に10%に引き上げることになったのはなぜか、もう1度経緯を振り返ってみたいのですが
ちょうど1年前、民主党政権交代時のマニフェストにも書かれていなかったことが、当時の野田首相のもと強引に決められた。それが消費増税だ。
そもそもは、その前の菅首相が当時のギリシャ危機を例に、増税しないと年金や給料がカットされるとさんざん危機感をあおって増税を言い出したのだ。
当時、日本の借金は、対国内総生産(GDP)比で200%を上回っている。債務危機に見舞われたギリシャでも160%程度だから大変だ、といったことが議論された。
しかしギリシャの問題は国民数に対して公務員の数があまりにも多いことにあった。年金の拠出に比べて、給付があまりにも大きかったために財政破たん状態に追い込まれたのだ。同じように日本も危機に直面しており、増税しなければ、財政破たんをすると言うのは、あまりにも論理的ではない議論だ。
日本の場合は、長引くデフレ状態に加え、歴史的な円高により、税収が落ち込んだ。民主党政権時代に失ったGDPはピーク時と比較して最大で52兆円だ。GDPを引き上げる政策を打ち出さず、また為替レートを適正な水準で安定化させることをせず、安易に消費増税を言い出したのが、ことの発端なのだ。逆に言えば、名目GDPを引き上げ、円高を是正し、デフレを解消すれば、自ずと税収が増える。消費増税をするまでもないのだ。
この好例は、2001年からの小泉政権時代を見ればいい。消費増税を封印しつつ歳出の伸びを抑え、同時に経済成長を目指したから、基礎的財政収支赤字は28兆円から6兆円まで改善した。これは消費税率8%分に相当する。
低めの成長率に固執する財務省
――消費増税をする明確な理由がないのに、増税に向かって突き進んでいる理由は何ですか?
名目GDP成長率が5%程度になると、プライマリー収支が改善し、財政再建ができる。9月9日に発表された4-6月期の速報値では3.8%。先進国では4〜5%が当たり前なわけだから、まだまだ成長率を上げなければならないはずだ。
しかし、財務省は「景気回復の兆し」とし、これ以上の成長を明確には打ち出していない。それは、成長すると増税の根拠がなくなるからだ。財務省は低めの成長率に固執していると言わざるをえない。
日経平均は大幅反発。昨晩のNYダウが5日続落となるなど下落基調が続いているほ か、配当権利落ちの影響も重なり売り先行でスタート。ただし、法人税の引き下げを 早急に検討すると報じられたことなどが好感され、日経平均は配当落ち分の約80円を 吸収する強い動きに。 大引けの日経平均は前日比178.59円高の14799.12円となった。東証1部の売買高は30 億4783万株、売買代金は2兆1534億円。業種別では、海運や金属製品、保険、ゴム製 品、パルプ・紙、建設、非鉄金属などが堅調。一方、医薬品や石油・石炭製品、化 学、卸売などが下落した。 個別では、ファストリ<9983>やソフトバンク<9984>など、日経平均の指数寄与度の大 きい銘柄が堅調。また、トヨタ<7203>やホンダ<7267>、富士重<7270>など、自動車関 連も買い優勢に。その他、バルチック海運指数の大幅上昇が好感され、郵船<9101>や 商船三井<9104>などが強い動きとなった。一方、配当落ちの影響で、武田<4502>やア ステラス<4503>などが軟調。また、今期の業績予想を下方修正したアドバンテスト <6857>、昨日は日経平均への組み入れに伴うリバランスで急伸した日東電<6988>が大 幅下落となった。
<9501> 東電力 560 +37上げ幅広げる。一部報道では、新潟県知事が柏崎刈羽原発の再稼働に向けた安全審査申請を容認する方向で検討に入ったと伝わっている。規制委への申請、認可への道筋が見えたとして、期待材料視する動きが先行のようだ。前日には東京電力と新潟県知事の会談が行われており、思惑材料視されていた面もある。
<1861> 熊谷組 222 +25急反発。同社を含めたインフラ関連の低位材料株は総じて、前日には手仕舞い売りの動きに押される格好となった。ただ、実質下半期入りしたことで、短期資金の動きもあらためて活発化する格好に。インフラ関連株には短期リバウンドを狙った押し目買いの動きが優勢となっているようだ。また、大和では、リニア中央は路線の86%がトンネル区間となり、かつ、難工事が見込まれることで、実績の高いトンネル技術を有する企業の活躍が期待できると指摘している。
<6594> 日本電産 8240 +140しっかり。三菱マテリアル子会社を100億円で買収すると報じられている。買収する企業は「三菱マテリアルシーエムアイ」、自動車用モーターを手掛けており、前期売上高は約140億円のもよう。短期的な業績インパクトは限定的であるが、注力中の車載分野における顧客基盤の拡大、新分野での技術取得などにつながるとの期待感などが先行する状況へ。
ユーグレナ<2931、株価 - チャート>が一時、基準値比246円高の1638円まで買われている。25日引け後、奈良先端科学技術大学院大学発のバイオベンチャー、植物ハイテック研究所(奈良県生駒市)を子会社化すると発表、材料視された。
取得価額は、アドバイザリー費用などを含め合計で1100万円。植物ハイテック研究所の子会社化で、ユーグレナ(ミドリムシ)の形質転換による光合成能力、油脂生産性の向上、新たな有用物質の生産手法の確立、奈良先端科学技術大学院大学から新たに生まれる発明の事業活用などの効果を見込む。
植物ハイテック研究所の株式取得予定日は10月25日で、13年9月期連結業績への影響はない。
午後2時時点の株価は237円高の1629円。
西華産業<8061、株価 - チャート>が続落し、一時、基準値比8円安の244円を付けている。25日引け後、13年9月中間期(4-9月)連結業績予想の下方修正を発表、嫌気された。
中間期予想で、売上高は期初計画の600億円から550億円(前年同期比16.6%減)へ、営業利益が同11億5000万円から6億7000万円(同52.6%減)へ、純利益は同7億5000万円から4億5000万円(同36.4%減)に引き下げた。受注環境が厳しいうえ、一部大口取引の受け渡しが第3四半期(10-12月)以降へ延期になった影響による。
14年3月期業績予想は据え置いたものの、現在精査中で、修正の必要が生じた場合に改めて公表するとしている。
午後1時52分時点の株価は6円安の246円。
<9419> ワイヤレスG 2785 +20ワイヤレスゲート<9419>は、Wi-FiやWiMAXなど無線通信サービスを提供するアグリゲーター(通信事業者から回線を借り受けて顧客に提供する事業者)である。Wi-Fiでは業界トップシェア。2013年12月期の上期(1-6月)連結業績は、売上高が前年同期比30.6%増、経常利益が同28.6%増と過去最高益を更新した。加入者数が6月末で約38万人(前年同期比15%増)と順調に拡大したのが主因。通期業績は、売上高が前期比27.6%増、経常利益が同39.0%増と2桁の増収増益を見込む。スマートデバイスの普及を背景に、契約者数も引き続き拡大を見込むうえ、新規販売チャネルからの契約者数も着実に増加している。9月1日付で1:2の株式分割を実施し、今期末からは50円(配当性向は52%)で配当を開始する予定。設備投資などの資金需要が少ないビジネスモデルのため、利益拡大とともに更なる増配も期待される。
<3386> コスモ・バイオ 2852カ +500急伸でストップ高まで。今年のノーベル賞について、生理学・医学賞候補で、生物を構成するたんぱく質が体内で分解、再利用される「オートファジー(自食作用)」の仕組みや機能を解明した大隅・東工大特任教授と水島・東大教授が有力候補と報じられたことが材料視されているようだ。同社はオートファジー技術を扱っており、思惑的な物色が強まる格好に。
<6788> 日本トリム 5320 +415堅調。株価は緩やかなリバウンドをみせており、上値抵抗として意識される25日線を捉えている。一目均衡表では切り上がる雲上限に沿ったリバウンドをみせている。環境への意識の高まりを背景に、主力の電解還元聖水器が好調。25日線を明確に上放れてくるようだと、8月末の大陰線の吸収を意識したトレンドが強まりそうである。
<4571、株価 - チャート>が急反発し、一時、基準値比2万800円高の31万4500円まで買われている。25日引け後、タンパク医薬のデリバリーに適用可能なキャリア(担体)に関する出願が、米国特許庁から特許査定を受けたと発表、材料視された。
今回の特許査定により、日本に続き米国においても、ポリマーミセル型タンパク医薬キャリアに関する、次世代型プラットフォーム技術に適用可能な物質特許を確保する。
同社では、今回の米国での特許査定による14年3月期単体業績への影響はないとしている。
午後1時4分時点の株価は1万5800円高の30万9500円。
<4091、株価 - チャート>が7日続伸し、一時、基準値比53円高の724円を付ける場面がみられた。26日付の日本経済新聞は、同社が三菱ケミカルホールディングス<4188、株価 - チャート>に対し第三者割当増資を行い、三菱ケミHDの出資比率を現在の約15%から30%弱にすると報道した。
同社は取引開始前に、「報道は当社が発表したものではない」とのリリースを発表。ただ、三菱ケミHDとは資本業務提携に関する検討を行っており、その内容については、きょう26日の取締役会に付議する予定で、決定次第、速やかに公表するとしている。
午後零時50分時点の株価は15円高の686円。
<6067> メディアF 539 +10メディアフラッグ<6067>は、ミステリーショッパー(覆面調査)や店舗巡回など、店舗・店頭に特化したマーケティングを請け負うアウトソーサーである。流通業などのチェーン店舗を覆面調査する流通支援事業、消費財の販売現場を巡回し店頭販促を支援する営業支援事業、店舗・店頭の営業状況を把握する独自ソフト「Market Watcher」などを提供するASP事業、コンビニエンスストアを経営するストア事業の4事業を展開する。
8月8日に発表した上期(1-6月期)の連結業績は、売上高が14.34億円、営業利益が0.74億円となった(前年同期は未上場のため比較せず)。売上高では上期計画14.60億円に対して1.7%届かなかったものの、営業利益では同0.57億円に対して30.78%上振れて着地した。セグメント別にみると、営業支援事業では定期店舗巡回案件の受注好調でセグメント売上高が増加したほか、流通支援事業ではインドネシアでの大型案件の稼動が始まるなど堅調であった。
通期業績予想は2月に発表した計画を据え置き、売上高が前期比16.1%増の32.62億円、営業利益が同23.6%増の2.38億円としている。通期計画に対する進捗率は、売上高が44.0%、営業利益が31.1%となっている。
今後の成長戦略として、M&Aによる事業拡大や流通小売企業の事業再生、アジア地域を中心とした海外展開、新規事業などを進める方針。8月1日には、関西を中心に推奨販売を展開するキャビックの第三者割当増資を引き受け、持分比率51.0%で子会社化した。これにより、営業支援事業として展開している推奨販売を拡大するとしている。
なお9月17日に、和菓子の製造・販売を行う十勝の株式取得(完全子会社化)を発表した。完全子会社化により、メディアフラッグが覆面調査や店舗ラウンダー業務を通じて蓄積した店舗店頭の流通ノウハウを投入、十勝各店舗の店頭活性化を行うことで、経営状態の改善につなげていく。
<2479> ジェイテック 268 -4ジェイテック<2479>は、「技術商社」を標榜する、機械、電気・電子機器、ソフトウェアに関する設計・開発の技術者の人材派遣や、それら設計・開発の請負を行っている企業。子会社では、仕事に応じて雇用契約を結ぶ「一般派遣」も手掛けており、主要なクライアントの要望に応じて臨機応変に派遣できる体制を整えている。
9月27日から9月30日にかけて、株式の分布状況の改善と流動性向上のため立会外分売を予定している。分配予定株数は410,000株、買付顧客1人につき5,000株(売買単位:100株)を限度とする。分売の値段は分売実施の前日の終値もしくは最終気配値を基準として決定する。
中期経営計画として、継続して成長可能な体制の強化、財務基盤の強化と安定した株主還元を基本目標としている。数値目標として、2016年3月期は、売上高37.23億円、営業利益1.37億円を掲げている。また、財務基盤の強化として、2013年3月期の利益剰余金残高マイナス分を解消し、安定成長による純資産の充実を図っていく。