体内で代謝され、スルファピリジンとメサラジン(5-アミノサリチル酸:5-ASA)に変換され、主にメサラジンが炎症を抑える成分となる。
5-ASAとSPがアゾ結合(N=N結合)した化合物で、90%以上がそのまま大腸に至り、腸内細菌により5-ASAとSPに分解される。
抗炎症効果を示すのは5-ASAだが、そのまま服用すると大腸に至る前に吸収されてしまうため、SPとアゾ結合させることで吸収を防いでいる。
サラゾピリンは薬剤が大腸に到達したのちにアミノサリチル酸(5-ASA)とスルファピリジン(SP)に分解され、主に5-ASAの成分が治療効果を発揮します。
ペンタサは有効成分である5-ASAだけで作られた薬剤であり、副作用をおこす成分の中心ががSPであるため、より副作用が少ないのが特徴です。
消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使用する。
通常、サラゾスルファピリジンとして成人1日投与量1gを朝食及び夕食後の2回に分割経口投与する。
アザルフィジン(サラゾスルファピリジン腸溶錠)と非腸溶性(素錠)のサラゾスルファピリジン錠の効能・効果、用法・用量は異なります。
関節リウマチの効能取得においては、1984年、胃障害軽減を目的に腸溶性製剤である本剤で臨床試験が行われ、1995年、その有用性により承認されました。そのため、アザルフィジンの効能・効果は関節リウマチのみとなっています。
サラゾスルファピリジン(SASP)は潰瘍性大腸炎やクローン病等の炎症性腸疾患の治療に用いられていたが、関節リウマチでの有効性が示され、他の炎症性関節疾患(乾癬性関節炎)への有効性も確認された。他のDMARDsよりも忍容性が高い。
代謝産物のスルファピリジンが無顆粒球症や精液減少症を引き起こす
最近までSASPはあまり使われなくなり始めていたが、場合によっては5-ASAよりも適していることがある。
サラゾピリンは副作用が多いのですが、その理由は補助成分のSPによるものと考えられています。
関節炎を合併する症例では有用であるが、副作用発現率の高さが同薬の問題点です。
副作用症状としては、⑴発熱、皮疹などの過敏症状、⑵悪心、嘔吐、食欲不振などの消化器症状、⑶頭痛、全身倦怠感、めまい、不眠などの全身症状一が代表例です。
サラゾスルファピリジンは、女性の妊娠には影響を与えないと考えられているが、男性不妊の原因となることが証明されており、男性には避けるのが通常です。
服用中の男性が挙児を希望する場合にはメサラジンに切り替えるのが一般的である。ただし、サラゾスルファピリジンにより影響を受けた精子が受精に寄与する可能性は低い。
サラゾスルファピリジンにより造精機能障害が起こる可能性があり、精子数減少や精子運動性が低下する。また、動物実験において精子運動能低下、受精率・着床数・胎児生存数低下、精子先体反応の抑制、妊よう性の低下等が報告されている。
サラゾスルファピリジン製剤は、男性不妊の副作用が報告されている。服用開始後2ヶ月程度の段階で精子運動能の低下や精子数の減少などの造精機能異常が起こり、自然妊娠が起こりにくくなる。
元来使われていたサラゾスルファピリジンの副作用を解消するために開発された。
サラゾスルファピリジンの成分のうち副作用の原因となっていたスルファピリジン(SP)を除き、有効成分5-アミノサリチル酸のみを取り出した治療薬。
腸内で徐々に成分が放出されるようにコーティングされており、SPを含んでいない。
大腸に届く前に小腸で吸収されてしまうことも多いため、ペンタサでは腸溶性の被膜コーティングを、アサコールではpH依存型の被膜コーティングを施行し、胃では溶けずに小腸から大腸にわたって徐々に溶けて、大腸に到達してから5-ASAが放出されるように工夫されている。
メサラジンを成分とする製剤で主に小腸から大腸にかけてメサラジンが放出されるように造られた製剤がペンタサとなる。
また、メサラジンをより大腸で放出されるようし、潰瘍性大腸炎治療により効果をあらわすように造られた製剤(pH依存型放出調節製剤)がアサコールとなる。
サラゾピリンは大腸に入ってから大腸内の細菌の作用で分解されて有効成分の5-ASAが作られます。したがって、大腸でのみ有効。小腸を通過しますが、その時には有効成分ができていません。
一方、ペンタサは小腸通過中から5-ASAを溶かしだすために小腸の病変に有効なわけです。
直腸やS状結腸といった遠位の場合はSASPの方が5-ASAより有効性が高いことが知られており、病状に応じて現在も使われている。
5-ASAとSASPでは潰瘍性大腸炎(UC)に対する有効性の作用が少し異なることが見つけられてきた。ペンタサは小腸で吸収が始まってしまうため、直腸などの遠位までほとんど到達しない。
ペンタサで効果がない患者さんにサラゾピリンへ変更することにより症状が改善することもあります。これはペンタサが小腸で少しずつ溶解され効果を発揮するため、薬剤の成分が肛門に近い直腸まで行きわたりにくいためであるとかんがえられています。
サラゾピリンは大腸でようやく腸内細菌により分解されるため、遠位まで届きやすい。
本剤の成分により皮膚、爪及び尿・汗等の体液が黄色~黄赤色に着色することがある。また、ソフトコンタクトレンズが着色することがある。
これはアゾ結合に起因しており、そのままの形で吸収された薬が尿や精液などに移行するためと考えられている。
尿中に排出された未変化体が尿がアルカリ性の場合、黄~黄赤色に変色する
尿が酸性の場合は変色しない
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