5日の米国株式市場は小幅高で終了した。朝方発表されたISM非製造業部指数が好調だったことに加え、アップル<AAPL.O>株が2012年以来初めて600ドル台に乗せて引けたことが支援要因となった。ただ、ウクライナ情勢をめぐる緊張が高まった状態が続いていることで、上値は重かった。
アップルは取引終盤にかけて上昇、前営業日比1.4%高の600.96ドルで取引を終えた。600ドル台に乗せて引けたのは2012年10月26日以来。
ダウ工業株30種<.DJI>終値は17.66ドル(0.11%)高の1万6530.55ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は14.16ポイント(0.34%)高の4138.06。
S&P総合500種<.SPX>は3.52ポイント(0.19%)高の1884.66。
米供給管理協会(ISM)が発表した4月の非製造業部門総合指数(NMI)は55.2と前月の53.1から上昇。前年8月以来の高水準をつけ、拡大、縮小の分岐点となる50を52カ月連続で上回った。
シェーファー・インベストメント・リサーチのシニア・テクニカル・ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は、「ISM非製造業指数が良好だったことで買いが触発された」と述べた。
著名投資家ウィリアム・アックマン氏が米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)<FNMA.OB>と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)<FMCC.OB>の買いを推奨したことで、両社の株価は上昇。ファニーメイは3%高、フレディマックは6.3%高で引けた。
一方、JPモルガン・チェース<JPM.N>は2.4%安。S&P総合500種の最大の押し下げ要因となった。米証券取引委員会(SEC)に前週2日に提出した文書で、第2・四半期は債券・株式トレーディング部門の収入が前年同期比約20%減になるとの予想を示したことが嫌気された。S&P金融株指数<.SPSY>は0.4%低下した。
医薬品大手ファイザー<PFE.N>は2.6%安。同社がこの日発表した第1・四半期決算は、後発医薬品(ジェネリック)が振るわず、売上高は9%減の113億5000万ドルと、予想を7億3000万ドル下回った。
ディスカウントストア大手ターゲット<TGT.N>は3.5%安。前年末の顧客情報流出事件を受け、シュタインハフェル最高経営責任者(CEO)兼会長が退任すると発表したことが嫌気された。
保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)<AIG.N>は取引終了後に発表した四半期決算が思わしくなかったことで、 時間外取引で1.9%安の51.70ドルとなった。
BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の出来高は約50億株と、過去5日間の平均の67億株を大きく下回った。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
終値 16530.55(+17.66)
前営業日終値 16512.89(‐ 45.98)
ナスダック総合<.IXIC>
終値 4138.06(+14.16)
前営業日終値 4123.90(‐ 3.55)
S&P総合500種<.SPX>
終値 1884.66(+3.52)
前営業日終値 1881.14(‐2.54)
5日の欧州株式市場は、下落して取引を終えた。激化するウクライナ紛争や、中国の軟調な製造業購買担当者景気指数(PMI)で投資家心理が悪化し、リスク志向が弱まった。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は3.49ポイント(0.26%)安の1347.59で引けた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は6.60ポイント(0.21%)安の3171.29。
HSBC/マークイットが5日発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は4ヶ月連続のマイナスとなり、中国経済の減速懸念が広がった。
また、ウクライナ東部で続く政権部隊と親ロシア派武装集団の交戦も売り材料となった。DJユーロSTOXXを構成する企業が東ヨーロッパで上げている収益は全体のわずか1.6%にすぎないが、投資家は欧米とロシアのさらなる制裁の応酬を懸念している。
通信機器の独ウィンコール・ニックスドルフ<WING.DE>は、東欧の通貨乱高下により第1・四半期の売上げが市場予想を下回り、株価は5.1%下落した。
ただ、終盤にはほとんどの欧州市場が持ち直した。米供給管理協会が5日発表した4月の米サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が8カ月ぶりの伸びとなったことが好感された。景況指数や新規受注も好調だった。
5日は欧州で最大規模を誇るロンドン株式市場が休場だったことから取引量は少なく、株価は変動は増幅されて不安定だった。
週明け5日の東南アジア株式市場の株価は、海外資金が流入したにもかかわらず、大半の市場が下落して引けた。クアラルンプール市場とシンガポール市場は約1週間ぶり安値水準で終了。中国の製造業指標が失望させられる内容だったことで、中国経済の成長勢いへの懸念が浮上した。
クアラルンプール市場の総合株価指数<.KLSE>は金融株主導で、0.46%安の1860.54と、終値としては4月29日以来の安値で終了。シンガポール市場のストレーツ・タイムズ指数(STI)<.FTSTI>は不動産株主導で0.34%安の3241.60と、こちらも4月29日以来の安値で引けた。
マークイットがこの日発表した4月のHSBC中国製造業購買担当者景況指数(PMI)改定値は4カ月連続で、成長と縮小の境目である50を下回った。中国経済の勢い減速が続いているかどうかについての疑問が増す結果だった。
連休から明けたホーチミン市場のVN指数<.VNI>は2.28%安の564.85と、終値ベースで4月21日以来の安値水準で引けた。株価の支援材料になるニュースに乏しい中で、悲観的な投資家が売りを出した。
一方、外国人投資家はこの日は買い手だった。買越額はクアラルンプール市場が1739万ドル、ジャカルタ市場は2650万ドル、マニラ市場は1213万ドルだった。
マニラ市場の主要株価指数PSEi<.PSI>は0.35%高の6766.46で終了。コングロマリットのSMインベストメンツ・コーポレーション<SM.PS>が3.2%高と、PSEiの上昇を主導。不動産子会社SMプライム・ホールディングス<SMPH.PS>の1─3月期純利益が11%増だったことが好感された。
ジャカルタ市場の総合株価指数<.●●SE>は0.08%高の4842.50で終了。この日発表された1─3月のインドネシア経済成長率は4年超ぶりの低水準だった。
バンコク市場は祝日で休場だった。
<為替> ドルが主要通貨に対しおおむね下落した。ウクライナ情勢をめぐる懸念から米国債が買われ、利回りが一時3ヶ月ぶりの水準に低下したことがドル圧迫要因となった。
為替電子取引プラットフォームEBSで、ドル/円<JPY=EBS>は一時101.86円まで下落、4月17日以来の安値を更新した。前週2日につけた1カ月ぶり高値の103.025円から1円以上の下落となる。終盤の取引では0.04%安の102.150円。
<債券> 国債価格が下落した。4月の米供給管理協会(ISM)非製造業部門総合指数(NMI)が予想を上回る上昇となったことで売りが優勢になった。
ウクライナ情勢の緊迫を受け、朝方は質への逃避で債券価格が上昇する場面も見られた。
終盤の取引で10年債<US10YT=RR>は7/32安と5営業日ぶりに下落した。利回りは2.613%。
期間が短めの国債はほぼ変わらず。東京やロンドン市場が休場のため商いは閑散としていた。
<株式> 小幅高で終了した。朝方発表されたISM非製造業部指数が好調だったことに加え、アップル<AAPL.O>株が2012年以来初めて600ドル台に乗せて引けたことが支援要因となった。ただ、ウクライナ情勢をめぐる緊張が高まった状態が続いていることで、上値は重かった。
アップルは取引終盤にかけて上昇、前営業日比1.4%高の600.96ドルで取引を終えた。600ドル台に乗せて引けたのは2012年10月26日以来。
<金先物> ウクライナ情勢をめぐる懸念などから買われ、続伸した。
金塊相場は、時間外取引中からおおむね上伸基調で推移した。ウクライナでは週末の間も政府と親ロシア派武装集団の衝突が続き、紛争が拡大する中で多数の死傷者が出た。ロ シアと欧米の対立も強まっており、市場のリスク回避志向につながった。米株相場が安寄りしたことも金塊相場の支援材料となり、電子取引では一時1315.80ドルまで上伸 した。
<米原油先物> 中国指標の悪化を眺めて需給バランスの緩みを警戒した売りが優勢となり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物は、前週末比0.28ドル安の1バレル=99.48ドルで取引を終了。7月物は0.31ドル安の98.73ドルで引けた。
ウクライナでは週末にかけ、軍・治安部隊と親ロシア派の武装集団が東部ドネツク州の各地で衝突。また、緊張は南部にも拡大し、ロシア産原油・天然ガスの欧州向け出荷に支障が生じるかもしれないとの懸念が強まった。
<為替> 円がドルに対して2週間ぶりの高値をつけた。中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が4カ月連続で低下したことで、比較的安全な通貨とされる円が買われた。
ドル/円<JPY=EBS>は101.86円まで下げた後、0.25%安の101.935円で取引された。主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は小幅低下の79.493となった。
ドル/円<JPY=EBS>は101.86円まで下げた後、0.25%安の101.935円で取引された。主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は小幅低下の79.493となった。
米長期金利の指標となる10年債利回りが3カ月ぶりの低さとなったこともドルの魅力を損ねた。親ロシア派武装集団とウクライナ政権部隊の交戦が続く中、投資家はリスクの少ない国債を買っている。
先週2日発表の米雇用統計は好調だったが、投資家は労働参加率の低下や賃金水準が上がらないことが嫌気され、ドルは発表当初の上昇から反落。5日に米供給管理協会(ISM)が発表した4月の非製造業部門総合指数(NMI)が8カ月ぶりの高水準をつけたことで下落は止まった。
ユーロ/ドルは1.3883ドルとほぼ横ばいだった。
スウェーデン・クローネは、対ユーロで下落。スウェーデンの鉱工業生産指数が3.8%と大幅下落したことを嫌気した。
今週はイギリスのバンクホリデーや日本の祝日で取引量は少なくなりそうだ。
<株式> ロンドン株式市場はバンクホリデーのため休場。
欧州株式市場は、下落して取引を終えた。激化するウクライナ紛争や、中国の軟調な製造業購買担当者景気指数(PMI)で投資家心理が悪化し、リスク志向が弱まった。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は3.49ポイント(0.26%)安の1347.59で引けた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は6.60ポイント(0.21%)安の3171.29。
HSBC/マークイットが5日発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は4ヶ月連続のマイナスとなり、中国経済の減速懸念が広がった。
また、ウクライナ東部で続く政権部隊と親ロシア派武装集団の交戦も売り材料となった。DJユーロSTOXXを構成する企業が東ヨーロッパで上げている収益は全体のわずか1.6%にすぎないが、投資家は欧米とロシアのさらなる制裁の応酬を懸念している。
通信機器の独ウィンコール・ニックスドルフ<WING.DE>は、東欧の通貨乱高下により第1・四半期の売上げが市場予想を下回り、株価は5.1%下落した。
ただ、終盤にはほとんどの欧州市場が持ち直した。米供給管理協会が5日発表した4月の米サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が8カ月ぶりの伸びとなったことが好感された。景況指数や新規受注も好調だった。
5日は欧州で最大規模を誇るロンドン株式市場が休場だったことから取引量は少なく、株価は変動は増幅されて不安定だった。
<ユーロ圏債券> ポルトガル10年債利回りが8年ぶりの水準に低下した。欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から受けている金融支援を今月脱却するにあたり、予備的信用枠を求めない方針を明らかにしたことが好感された。
英国市場が祝日で休場だったため、商いは低調だった。
ロイター・データによると、ポルトガル10年債<PT10YT=RR>利回りは2ベーシスポイント(bp)低下の3.61%と、2006年以来の低水準をつけた。
ユーロ圏債務危機が深刻化していた2012年には17%近くまで上昇していた。
一部では、ポルトガル格上げへの期待も高まっている。
ムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチの格付け大手3社はいずれも、ポルトガルの格付けをジャンク級(投機的等級)としている。
ムーディーズ、S&Pは9日、ポルトガル格付けの見直しの結果を発表する。
一方、スロベニア10年債<SI10YT=RR>は9bp上昇の3.55%。同国のブラトゥシェク首相はこの日、党首選挙での敗北を受け辞任した。
<欧州株式市場> 下落して取引を終えた。激化するウクライナ紛争や、中国の軟調な製造業購買担当者景気指数(PMI)で投資家心理が悪化し、リスク志向が弱まった。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は3.49ポイント(0.26%)安の1347.59で引けた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は6.60ポイント(0.21%)安の3171.29。
HSBC/マークイットが5日発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は4ヶ月連続のマイナスとなり、中国経済の減速懸念が広がった。
また、ウクライナ東部で続く政権部隊と親ロシア派武装集団の交戦も売り材料となった。DJユーロSTOXXを構成する企業が東ヨーロッパで上げている収益は全体のわずか1.6%にすぎないが、投資家は欧米とロシアのさらなる制裁の応酬を懸念している。
通信機器の独ウィンコール・ニックスドルフ<WING.DE>は、東欧の通貨乱高下により第1・四半期の売上げが市場予想を下回り、株価は5.1%下落した。
ただ、終盤にはほとんどの欧州市場が持ち直した。米供給管理協会が5日発表した4月の米サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が8カ月ぶりの伸びとなったことが好感された。景況指数や新規受注も好調だった。
5日は欧州で最大規模を誇るロンドン株式市場が休場だったことから取引量は少なく、株価は変動は増幅されて不安定だった。
<中国・香港株式市場> 中国株式市場はほぼ変わらずの水準で引けた。HSBC/マークイットが発表した4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が弱い内容だったため、相場の重しとなった。不動産株が下落した一方で、鉄道株が上昇した。
香港市場は反落して終了。香港でも中国製造業PMI改定値の発表が圧迫材料になった。
<東南アジア株式市場> 海外資金が流入したにもかかわらず、大半の市場が下落して引けた。クアラルンプール市場とシンガポール市場は約1週間ぶり安値水準で終了。中国の製造業指標が失望させられる内容だったことで、中国経済の成長勢いへの懸念が浮上した。
クアラルンプール市場の総合株価指数<.KLSE>は金融株主導で、0.46%安の1860.54と、終値としては4月29日以来の安値で終了。シンガポール市場のストレーツ・タイムズ指数(STI)<.FTSTI>は不動産株主導で0.34%安の3241.60と、こちらも4月29日以来の安値で引けた。
マークイットがこの日発表した4月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は4カ月連続で、成長と縮小の境目である50を下回った。中国経済の勢い減速が続いているかどうかについての疑問が増す結果だった。
<ソウル株式市場> 5─6日のソウル株式市場は祝日のため休場。
<台湾株式市場> 週明け5日の台湾株式市場の株価は小幅続伸。個別銘柄では、業績が低迷しているパソコン(PC)大手の宏碁(エイサー)が2.88%上昇。昨年11月に会長に就任した、同社創設者の施振栄氏が来月に退任するとの発表を受けた。
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