月刊センチュリー(USPマネジメント刊)2020年巻頭特集のまとめ
経済・経営の専門雑誌・月刊センチュリーは、タイムリーな話題を深く掘り下げた巻頭特集が人気です。2020年度の特集をまとめます(8月号はコロナウイルスの感染拡大による取材自粛のため休刊となっています)。
「キャッシュレス決済元年」「キャッシュレス決済戦国時代」などと呼ばれるほど、最近では各社がこぞって独自のキャッシュレス決済に乗り出しています。
消費者の選択肢が増え、コロナ禍では非接触もメリットの1つとされていますが、反面、若い世代でさえ「色々ありすぎてどれを使ったらよいか分からない」といった声も聞こえてきます。
スマホ決済の多くが運賃、コンビニ・スーパーでの商品購入、飲食費、公共料金、携帯料金、病院などの支払いで利用されています。
現金を使わない、または使わないことが多いと答えた人の34.4%がスマホ決済を利用しており、今後キャッシュレス決済は我々の生活に浸透していくのでしょうか。還元事業や鉄道関連の情報も絡めて考察します。
現在、建設業界は好景気の裏で深刻な人材不足。
若手人材を増やすことは急務ですが、その世代はワークライフバランスを重視しており、3K(きつい・汚い・危険)と言われる建設業界は敬遠されがち。高齢化が進んだ建設業界の若返りを図り、また、業界を変革すべく大手ゼネコンなどが率先して週休二日制の実現に向けて動き出しました。
建設大手の竹中工務店は「週休二日モデル現場」を設定。このようにモデル現場を確立することで、すべての現場での週休二日制を目指しているそうです。取り組みが功を奏し、現場閉所の割合は昨年度上半期に比べ、4週8閉所以上で約6%、4週6閉所以上においては約9%も向上しています。
他、国土交通省関東地方整備局が発信している「週休2日チャレンジサイト」などの紹介や、建設業界全体の動向を追跡しました。
文部科学省が実施した全国調査によると、日本に住む外国籍児童12万4049人のうち15.8%に当たる1万9654人が不就学の可能性があることが判明しました。
十分な教育を受けられず、進学や就職に支障を来す外国籍の若者は少なくありません。母国とは制度も文化も異なる中、相談できる人がほとんどおらず、どうすれば教育を受けられるのか知る術のない保護者は多くいます。あるいは、もし就学案内が届いたとしても日本語が読めないために内容がわからないケースも。
政府は、外国籍の子供を就学に繋げるため、自治体の転入手続き担当部署と教育委員会の連携を促しています。さらに、先進的な取り組みを行っている各地域の事例などとの情報共有も進行中。
政府の方針や、各自治体の取り組みなどをまとめました。
短時間で高い生産性を実現するためのアプローチ「テンプレ化」とは?
仕事の手順を分析・整理し、誰がその業務についても効率よく仕事が進められる手順、チェックリスト、一定のパターンを作っておけば、「うっかりミス」を防いで誰でも効率よく仕事を成し遂げることができます。
一度テンプレ化をしてしまえば、以降は業務のクオリティを底上げする効果が期待できる他、仕事のテンプレ化は働く人々の「自分の時間」も生み出します。
テンプレ化で個々の従業員の時間を作る工夫こそ、今後経営者が求められる役割の一つ。会社の成長を加速させる戦略となっていくのではないでしょうか。業務上のタスクを合理化する具体的なノウハウをご紹介します。
コロナウィルス感染拡大に伴い、テレワークを導入する企業が急増しています。
「出勤できない=仕事ができない」では企業活動は成り立たないため、あらゆる企業がテレワークを選択肢にしておく必要があるでしょう。
テレワーク導入の波に「乗り遅れた」と感じている企業もまだ遅くはありません。今後も起こり得る感染症拡大や自然災害のリスクを回避し、政府が推進する「働き方改革」を実践するためにも、テレワーク導入を検討してはいかがでしょうか。
昭和の繁栄や平成の低迷を経て、日本経済が令和の時代に復活の狼煙を上げる鍵を握るのはテレワークかも知れません。
本誌では、テレワークのメリットや導入成功の秘訣を公開中しています。
コロナ禍において、さまざまな業種が営業自粛をしている中、映画館も例外ではありません。フランスでは7月中旬までイベント禁止が決定。5月開催のカンヌ国際映画祭も一旦取りやめとなり、全米各地の映画館のネオンサインが一斉に消えました。
映画館関係者は休館の間、売り上げは当然ゼロ、廃業の危機に晒されることになります。映画館が休館せざるを得ない現在、観客、劇場、配給、製作者によってまわる『映画の経済』そのものが存続の危機を迎えています。
このような状況を打破すべく、映画業界が動き出しました。
劇場公開の代替策としてオンライン配信サービスが台頭しつつあります。アメリカでは3月の段階で劇場公開から配信サイトへと切り替える作品が増加、このムーブメントは日本でも起こり始めています。
生き残りを掛けて、大手から小規模ミニシアターまで、映画業界の今を追います。
コロナ禍が深刻化する以前、マイナンバーカードの普及率は全人口の15.5%でした。
しかし、今後、政府から現金給付が行われる場合、オンライン申請にはマイナンバーカードが必須になると予想されています。その制度が始まった当初マイナンバーカードは「必要性がわからない」といった声も少なからずありました。今後、私たちにとってマイナンバーカードは本当に必要なものなのでしょうか?
マイナンバーカードと同様の制度は海外では既に浸透しています。具体的にはアメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、中国、韓国、オーストラリア、シンガポール、北欧など。
2021年3月からは、日本でもマイナンバーカードが健康保険証の代わりとして利用できるようになるほか、政府は「引越しワンストップサービス」や「死亡・相続ワンストップサービス」の順次導入も見据えています。
今こそ作っておきたいマイナンバーカードについて、本特集ではメリットデメリットと共に詳しく説明しています。
太古より、人類は数々の感染症に苦しめられてきました。代表的な例が奈良時代の天然痘の流行です。この時代は意外なほど多様な国との交流を持つグローバルな社会が形成されていました。
シルクロードの時代は東西の交易により栄え、商品と共に人や家畜の移動に伴ってウィルスも伝播。古来「死に至る疫病」と恐れられた天然痘ウィルスによる感染症は、735年~738年の3年に渡って日本全体に拡大しました。
当時の人口の約25%、100万人~150万人が死亡する危機を引き起こした天然痘ウィルス。奈良時代の日本人はどうやってこの国難を乗り切ったのか。新型コロナウィルスという未知の感染症と戦う、現代人が古代から学ぶべきものとは?
ドローンや自動運転車が行き交い、ロボットが作業を担う。
スマホ一つで全ての買物や支払いができて、医療も教育もオンラインで受けられる。そんな未来都市が遠からず現実のものとなるかもしれません。それが「スーパーシティ法案」です。
政府は以前からスーパーシティの実現化を目指し試行錯誤を重ねてきました。これまで二度にわたり法案成立を目指すも立て続けに頓挫。今回は三度目の正直を叶えるため力を傾注しています。
世界的に見ても、AIやIoT、ロボットなどの最新技術を取り入れて新しい社会を実現する動きがあり、既に国内外でAIやビッグデータを駆使した都市設計は進められています。その多くはスマートシティのような特定分野の実証段階に留まっているのが現状ですが、スーパーシティの実現にも多いに参考になるでしょう。
未来都市、法案が成立したスーパーシティを考察しました。
インターネット上で行われる商品やサービスの取引・決済を指す「Eコマース(Electronic Commerce)」つまり「ネットショッピング」が生活と切り離せなくなって久しい現代。
Eコマースにライブ動画を組み合わせ、商品をプロモーション・販売する通販の仕組みを「ライブコマース」と呼び、ECを変えるポテンシャルを持つと言われ、特に中国で市場が拡大しています。
中国でのライブコマースは2016年頃始まり、2019年の市場規模は日本円で約7兆円。前年の約3倍、EC全体の4.5%を占めると言われています。
日本の電機各社もこのような市場の動きを受け、中国でのライブコマースに乗り出しました。ライブコマース先進国の中国でノウハウを獲得できれば他国でも対応可能という狙いもあり、東南アジアでも普及すると見られています。
次世代の販促方法であり利益拡大の期待値が高い「ライブコマース」を詳しく紹介します。
現代、私たちの前には解決すべき様々な社会問題が山積しています。
例えば、石油資源に関する問題。これは電子・電化製品、自動車、医薬、日用品など、私たちの身の回りにある化学製品群の多くは、有機化学素材から構成されているためです。有機化学素材を構成する化石資源は有限であり、地球温暖化などの環境問題を引き起こす大きなリスクがあることをご存知でしょうか。
また、ゴミの置き場所の確保も悩ましい問題の一つ。日本で排出される可燃性ごみは年間約6千万トン。再利用は一部に留まり、そのほとんどが焼却・埋め立て処分され、二酸化炭素となって排出されているのが現状です。
様々な社会問題を解決し得る『BRエタノール』とは」。ゴミ問題とエネルギー問題を同時に解決する可能性に迫ります。
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