脳の細胞が死滅したり働きが悪くなり、記憶力や判断力が低下します
認知症予防に良いといわれている栄養素
できれば生涯なりたくない認知症。認知症にならないためには日ごろの食生活が重要なようです。今回は認知症予防に良いといわれている栄養素と、その栄養素が多く含まれる食材を紹介します。日ごろの食事に取り入れてみてください。
脳は、呼吸や睡眠といった意識せずに行っている活動から、学ぶ、運動する、創造するといった高度な活動に至るまで、人間のあらゆる活動をコントロールする「司令塔」の役割を果たしています。認知症は、脳の細胞がさまざまな原因で減少したり、働きが悪くなったりすることによって、記憶や判断力の障害などが起こった状態です。
アルツハイマー型認知症の病気の進行は個人差がありますが、ゆっくりと悪化していきます。現在はまだ治すことはできませんが、症状の進行を遅らせることができるお薬があります。この薬により、患者さんのこれからについて、介護について考える時間を持つことができます。
特に秋刀魚(さんま)、鯵(あじ)、鰯(いわし)、鯖(さば)などの青魚には、オメガ3脂肪酸のDHAやEPAが多く含まれています。DHAは脳の構成成分であり、記憶力や判断力の向上、認知症予防、特にアルツハイマー病発症予防に有効であるという報告があります4)。
DHAが多いのは、イワシやサバなどのいわゆる青い背の魚(青魚)です。また、マグロなら霜降りのトロの部分に多く含まれています。カブト煮などで食べる目の裏のゼリー状の部分(眼窩脂肪)には、最も多くのDHAが含まれています。いずれも、旬の時期の脂ののったものがオススメです。
青魚以外ではウナギ、サケ、筋子などにも豊富に含まれています。
そこで次に注目されているのが抗酸化物質を取るという対策です。抗酸化物質には様々なものがあります。ビタミンCやビタミンE、魚の脂で有名なオメガ3脂肪酸、ベータカロテン、抗酸化酵素を構成する亜鉛やマンガン・セレンなどの基本的な栄養素、そしてスルフォラファンやレスベラトロール、アントシアニンなどのポリフェノールなど植物に含まれる天然の化学物質などのほか、最近では水素ガスにも抗酸化作用があるということで研究が進んでいます。
伝統的な和食が認知症の発症リスクを下げるということが複数の研究から示されていることから、食品からこのような抗酸化物質を取るということは基本的に問題なく推奨できます。
シニア(高齢)世代になるときになる軽度認知障害や認知症。その予防として知られる栄養素の1つが、『葉酸』です。
20年前からあらゆる穀類に葉酸の添加が法的に義務付けられている米国では、人口あたりの認知症患者数は日本の約3分の1に抑えられています。
第1位: <その他>酵母 パン酵母 乾燥 葉酸 3800μg
第2位: あまのり 焼きのり 葉酸 1900μg
第3位: <その他>酵母 パン酵母 圧搾 葉酸 1900μg
第4位: あまのり 味付けのり 葉酸 1600μg
第5位: いわのり 素干し 葉酸 1500μg
水素には、活性酸素という体内の細胞を酸化・老化させてしまう成分のうち、悪性活性酸素(ヒドロキシラジカル)を選択的に除去するという働きがあります。活性酸素によって脳の脂質が酸化されてできる老人斑が、多くの認知症患者に確認されています。
まず「酸化ストレス亢進マウス」(高齢になると自然にアルツハイマー病の症状があらわれるマウス)を用意し、このマウスに2年間毎日、水素分子を溶け込ませた水素水を飲ませました。
その結果、アルツハイマー病の症状である「記憶力の低下」を抑制することができたんですね。
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