少年犯罪と成人犯罪

逮捕されたら同じように刑罰を科せられるのでしょうか?

オサコ☆ さん

51 PV

犯罪を犯した場合、逮捕され、刑罰を与えられるのは当たり前だと思います。
しかし加害者が未成年だった場合その状況が少し変わってしまいます。

成人犯罪の場合は刑罰を科す手続きがあり、一般的には犯した罪を償うことや、一般人の犯罪防止、再犯を防ぐ目的があります。

一方少年犯罪の場合は、少年の健全育成のために保護処分を行なうという少年法の理念に基いています。少年の立ち直りを信じ、1日も早い更生を目指すという保護主義がとられているのです。

逮捕後の手続きが違う

成人が刑事事件を起こして逮捕された場合、逮捕に引き続いて勾留という身柄拘束をされることがあり、期間は原則として10日間とされています(その後10日以内に限り延長されることがあります)。勾留されると、通常は警察の留置場に収容されます。

逮捕されると最大で3日間、警察署の留置場などに留め置かれ、勾留が決定すると10日間、勾留延長ではさらに10日間、最大合計23日間、身体拘束されます。
勾留期間が満了する前に起訴、不起訴の判断がされ、不起訴の場合はすぐ釈放されます。しかし起訴された場合は裁判が終わるまで身柄が拘束されるのです。(但し保釈が認められれば釈放される)

少年事件の場合は、勾留にかわる観護措置として、少年を少年鑑別所に収容することもあり得ますが、多くの事案では、成人と同様に勾留され、警察の留置場に収容されます。

逮捕、勾留期間については成人の刑事事件と同様です。
ただし、少年事件では勾留に代わる観護措置というものを取ることができ、勾留状はやむを得ない場合にしか発行してはいけないことになっています。
勾留期間終了後、原則全ての事件が家庭裁判所に送られ、その後は観護措置として38週間、少年鑑別所で少年の性格、生活環境等調査される可能性があります。

家庭裁判所では、裁判官が家庭裁判所の調査官に少年の調査命令を出し、それを受けて調査官が少年の性格や生活環境などを調べます。家庭裁判所の調査官は、裁判官が、事件を起こしてしまった少年の最終的な処分を判断する際に、判断の元となる資料(少年調査票)を作成する職務を担当しています。

高校一年生の娘と一緒に家庭裁判所に来るように言われました。
何のために呼ばれたのでしょうか?

少年事件では家庭裁判所送致後の調査によって決定されるので、その間、身体拘束が続くことがあります。
事件の内容が重大だった場合、検察官送致が決定されるとさらに最大10日間勾留されます。

成人の場合、犯罪内容が軽いものだった場合、警察が「微罪処分」として刑事手続を警察段階で終了させる場合があります。また、犯罪を行なっても被疑者の事情により検察官が不起訴にすることもあります。


未成年の場合、原則的にすべての事件が家庭裁判所に送られるので、成人犯罪で認められる微罪処分、起訴猶予処分が認められません。事案が軽微であれは厳重注意のみで終わることも事実上あるのです。

成人の場合は原則として公開された法廷で裁判が行われます。

未成年の場合は家庭裁判所において非公開の審判という手続きで審理されます。

成人の場合、犯した罪の重さにより、死刑、懲役(無期、有期)、禁錮、罰金、科料という刑罰がある。

少年事件の場合は少年の健全な育成を期し、更生を図るためには教育が必要という考え方に基づき、原則として、刑罰ではなく、保護観察処分になるのです。

家庭裁判所で行われる少年審判とは何ですか?

少年審判とは、家庭裁判所が、少年の処分を決定するために行う裁判です。
家庭裁判所は、少年やその他の出席者から事情を聞くなどした後、 1.)保護観察、 2.)児童自立支援施設等送致、 3.)少年院送致、 4.)不処分、5)検察官送致(逆送)のいずれかの処分を決定します。

家庭裁判所で行われる少年審判とは何ですか?

少年犯罪、こんなに罪の償いが軽くていいの?

現在、少年法の改正等の声も大きくなっているのが現実にあると思います。
「自分は未成年だから何をしてもいい」そんな考えの未成年被疑者もおそらくいるのではないでしょうか?

しかし、「未成年だからといって重い罰を受けることはない」ということでもないのです。

少年死刑囚(しょうねんしけいしゅう)とは、未成年の時期に死刑事犯の犯罪を犯したとして死刑判決が確定した死刑囚。

少年法では、満20歳までの触法少年に対する処遇が定められているが、●●時18歳以上の場合、死刑事犯の犯罪を犯した被告人に対して死刑判決を言い渡すことが可能である。

出典 少年死刑囚-Wikipedia

日本では戦後、未成年死刑判決が確定した死刑囚は42人います(うち昭和36人、平成6人)

しかし全員執行されたわけではなく、未執行の者も多いです。

平成の少年死刑囚

■市川一家4人殺人事件
1992年3月5日に千葉県市川市にて発生した当時19歳の未成年者による殺人事件。被害者数は4人。
過去に暴行事件や強姦事件を起こしていた点や、逮捕されてから裁判中まで事件についての反省が全く見られなかったこと、事件内容の残虐性やら計画性などは裁判で重く見られた。
死刑判決後、現在は東京拘置所にて収容。再審請求をしている。

■大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件
1994年9月28日~10月7日にかけて男女の少年グループ10名が、大阪、愛知、岐阜の3府県で4人をリンチし死亡させた事件。

公判での少年達は傍聴席の仲間に向かって笑いかける等の遺族に対しての配慮の無さだったが、死刑を求刑されてからは態度を変え、「生きて償いたい」というようなことを言い出し始めた。
2001年7月9日、名古屋地裁は「通り魔的●●で社会に大きな不安を与え、わずか11日間に無抵抗の若者の命を4人も奪った責任は重く極刑は免れない」とし、主犯Mに死刑、他2人に無期懲役を言い渡した。無期の2人に関しては殺人ではなく傷害致死と判断。
2005年10月14日、名古屋高裁で「3人の役割に差異はない」として3人全員に死刑判決。
少年事件では初めて複数に死刑が言い渡された。
現在、名古屋拘置所、東京拘置所収容。



■光市母子殺害事件
1999年4月14日に山口県光市で発生した当時18歳1ヶ月の少年が起こした殺人事件。
被害者は2名で、主婦(当時23歳)が殺害後に死姦、その娘の乳児(生後11ヶ月)も殺害され、財布が盗まれた。
少年は強姦致死罪、殺人容疑う、窃盗罪容疑の罪状で裁判となり、死刑判決を言い渡され確定した。
この事件は、その残虐な事件内容と、元少年を死刑にすべきでないと主張する弁護団の突飛とも言える弁護内容(後述)がマスコミで大きく取り上げられ、日本国内で論議を呼んだ。また死刑確定未成年としては最年少である。
現在、広島拘置所収容中。

■石巻3人殺傷事件
2010年2月10日、宮城県石巻市で少年Aが元交際相手の少女を巡って少女の親族、知人の3人を殺傷した事件(2名死亡)。
少年Aは共犯の少年Bを普段から使い走りにしたりしており、事件時も「やらないならお前も殺す」と脅していた。少年Aは少年Bを主犯格に仕立てようとしたり、さらに実母への暴力で家裁で審判を受けた経験があり、●●後「『泣いたり、父親がいない家庭事情を話すと、裁判官の同情が買える』と話していた」という証言内容等が裁判で証言された。

検察側は「●●は身勝手かつ残虐で、罪を他人に擦り付けて逃れようとするなど計画的であり、更生の余地は無い」として死刑を求刑。裁判員制度の下では初と同時に初の平成生まれの死刑囚となる。
2011年1月5日をもって判決が確定した。現在は仙台拘置支所収容。

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