30日前場の日経平均株価は前日比80円20銭安の1万4601円52銭と7営業日ぶりに反落。朝方は、前日の米国株高や円弱含みを受け、買いが先行。午前9時8分に1万4741円10銭(前日比59円38銭高)まで上昇した。その後は、短期的な過熱感や円下げ渋りの動きもあって、しばらく小高い水準でもみ合っていたが、株価指数先物にまとまった売り物が出たことをきっかけに下げ転換。断続的な大口の先物売りに裁定解消売りを誘発し、午前11時27分には1万4595円82銭(同85円90銭安)を付ける場面があった。
東証1部の出来高は9億6654万株、売買代金は8573億円。騰落銘柄数は値上がり786銘柄、値下がり843銘柄、変わらず177銘柄。
市場からは「週末要因に加え、ドル・円が1ドル=101円台半ばに入り、手控え気分が強まった。ここまで6日連続で上昇してきただけに、目先調整は自然体の動きともいえよう。個別株中心に物色意欲は根強く、為替に変調がなければ、来週も上が期待できるのではないか」(中堅証券)との声が聞かれた。
業種別では、アイフル<8515、株価 - チャート>、アコム<8572、株価 - チャート>などのその他金融株が下落し、値下がり率トップ。大阪チタ<5726、株価 - チャート>、タツタ線<5809、株価 - チャート>などの非鉄金属株や、ガイシ<5333、株価 - チャート>、日東紡<3110、株価 - チャート>などのガラス土石株も安い。川崎汽<9107、株価 - チャート>、商船三井<9104、株価 - チャート>などの海運株や、大平金<5541、株価 - チャート>、冶金工<5480、株価 - チャート>などの鉄鋼株も売られた。個別では、JBR<2453、株価 - チャート>、エイチーム<3662、株価 - チャート>、アズワン<7476、株価 - チャート>などが値下がり率上位。
半面、ブリヂス<5108、株価 - チャート>、住友ゴム<5110、株価 - チャート>などのタイヤ株が堅調。トヨタ<7203、株価 - チャート>、ホンダ<7267、株価 - チャート>などの自動車株も引き締まった。東京海上<8766、株価 - チャート>、MS&AD<8725、株価 - チャート>などの保険株も高い。海洋掘削<1606、株価 - チャート>、石油資源<1662、株価 - チャート>などの鉱業株も買われた。個別では、15年3月期に連結営業利益62.9%増を見込む長野計器<7715、株価 - チャート>や、丸栄<8245、株価 - チャート>、KLab<3656、株価 - チャート>、オルトプラス<3672、株価 - チャート>などの上げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、26業種が下落した。
帝国電機製作所<6333、株価 - チャート>が続伸。前場は一時前日比112円高の2898円まで買われ、同10円高の2796円ザラバ引け。
石油化学プラント用特殊ポンプの大手。日立製作所<6501、株価 - チャート>と提携する、と30日付日本経済新聞が報じており、材料視された。サウジアラビアに納入された同社ポンプの保守修理サービスを日立が手掛けるという。
長野計器<7715、株価 - チャート>が急反発。一時前日比55円高の695円まで買われている。29日引け後に、15年3月期連結経常利益が前期比28.4%増の16億5000万円の見込みと発表した。設備投資の回復による計測機器需要の増加を想定。想定為替レートは、1ドル=100円、1ユーロ=135円。なお、前期に特別利益を計上した反動から、純利益は同5.9%減の11億6000万円と予想している。
14年3月期連結業績は、経常利益が前期比40.6%増の12億8400万円、純利益は同3.1倍の12億3200万円となった。
<6740> JDI 581 +9しっかり。本日の大引けを基準としてMSCIに新規採用される。需給妙味を映して先回り買いの動きなども優勢のようだ。一部の試算では1500万株強、90億円弱の買い需要が発生とされている。本日は同社のほかに、名鉄や光通信などで新規採用に伴う買い需要発生が見込まれているが、ともに小動きにとどまっている。
<5981> 東京綱 136 +2反発。トルコで建設中のイズミット湾横断橋向けに鋼製ケーブルを受注したと報じられている。受注量は2万トン超で、同社の橋関連では約5年ぶりの大型案件と伝えている。
株価は5月21日安値120円をボトムにリバウンドが継続しており、上値抵抗として意識される25日線に接近してきている。
カナモト<9678、株価 - チャート>が一時前日比185円高の4020円まで買われ、年初来高値を連日で更新した。午前10時48分時点は同5円高の3840円。
29日引け後に、14年10月期業績予想を上方修正し、連結営業利益予想を125億3000万円(前期比10.0%増)から160億1000万円(同40.5%増)へ引き上げた。
14年4月中間期(13年11月-14年4月)は計画を上回り、連結営業利益は計画の73億9000万円(前年同期比9.5%増)に対して100億7200万円(同49.2%増)となったもよう。被災地域での復興関連工事の加速に加えて、経済対策効果による公共事業の増加もあり、建設機械のレンタル需要が想定を上回った。
通期でも、全国的な公共事業と復興事業に加えて、首都圏インフラ整備に対する期待感もあり、建設機械のレンタル需要が堅調に推移するとみている。
<8245> 丸栄 175 +42急騰。特に目立った材料は観測されていないが、仕手性の強さなどを妙味に仕掛け的な動きが強まったものとみられる。直近では日本カーバイドなどの強い動きが目立っていたほか、本日は同社のほか、新日本理化やルックなどといった銘柄も目立つ動きに。個人投資家のマインド改善で新興市場銘柄が賑わっているが、短期的な過熱感から低位材料株への資金シフトに関心も向かう形か。
<6091> ウエスコHD 223 +24急伸。前日に発表した業績予想の上方修正がポジティブなインパクトにつながる。営業利益は従来予想の3.9億円から8.7億円に上方修正、上半期は営業赤字であったため、ストレートに上方修正が評価される。橋梁やトンネルなどのコンサルティング業務が拡大したもよう。なお、訴訟損失引当金繰入額を5億円強、特別損失に計上している。
井関農機<6310、株価 - チャート>が続伸。一時前日比14円高の266円まで買われている。29日引け後に、450万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.96%)・10億円を上限に自社株買いを行うと発表しており、材料視されている。取得期間は、5月30日から15年3月31日。
<6310> 井関農 258 +6買い先行。前日に発表した自社株買いが評価材料となっている。発行済み株式数の1.96%に当たる450万株を上限としており、取得期間は本日から来年の3月末まで。目先の需給改善につながるとの期待が先行へ。また、これまでは自社株買いなどで目立った実績はなかったと見られ、株主還元策強化への方針転換とも捉えられる形か。
<6807> 航空電子 1907 +91買い優勢。シティでは投資判断「1」を継続で、目標株価を1800円から2100円にまで引き上げている。車載コネクタは自動車市場の数量成長やハイブリッド車の構成比増加による台当たり員数の増大、スマホコネクタは生産性改善による増益が可能という形で、2大業績ドライバーはともに利益成長が予想されると。会社側の今期業績予想は保守的とも捉えているようだ。
<3656> KLab 830 +75急伸で上昇率トップ。ミクシィの活況が続く中で、引き続きゲーム関連株は物色されやすい地合いとなっている。香港や台湾における「ラブライブ」のランキング上昇を材料視しているほか、「ぶんなげRPG」かぶりん!の好調な予約状況なども手掛かり材料となっているようだ。
<3187> サンワカンパニ 1081カ +150急伸でストップ高まで。良品計画<7453>と、6月から3種類のキッチンについて共同販売を開始することで合意したと発表したことが材料視されているようだ。同社が持つノウハウと無印良品の考え方を組み合わせたキッチンで、使い勝手や耐久性のほか、ムダを排除し、機能をそのまま形にしたシンプルなデザインと。
<6135> 牧野フ 821 +36買い優勢。三菱UFJでは投資判断「アウトパフォーム」を継続で、目標株価を970円から1070円に引き上げている。主要ユーザーである航空機関連などの構造的な投資拡大に加えて、来期にはEMS向けの需要回復の可能性も出てきたことなどで、同社の受注は業界内で相対的に良好な状況を持続する可能性が高いと指摘している。業界全般的に工作機械受注の目先ピークアウト懸念も強まる中、買い安心感へとつながっていく格好にも。
<9984> ソフトバンク 7349 +115買い先行。ドイツテレコムが同社によるTモバイル買収計画を容認したと報じられている。引き続き、規制当局の承認の有無などは不透明であるものの、買収計画の進展としてポジティブに捉える動きも先行しているようだ。一方、KDDIが国内通話の新料金プランを導入方針などとも伝わり、一段の競争激化などに対する懸念なども強まる状況に。
<6628> オンキヨー 150 +25大幅反発。欧米で音質の良いハイレゾ音源のネット通信を始めると報じられたことが材料視されている。英デジタルメディア配信ベンチャーのセブンデジタルと業務提携し、配信先を欧米に広げると。国内の企業がハイレゾ音源を海外で配信するのは初めてとも伝わっており、新サービスへの関心が高まっている。
<6807> 航空電子 1881 +653日続伸で4月25日以来の年初来高値を更新。シティでは買い継続、業績予想を上方修正し、ターゲットプライスを1800円から2100円に引き上げている。車載コネクタ、スマホコネクタの2大業績ドライバーについては、どちらも利益成長を予想している。2015年3月期は売上高、営業利益ともに計画上振れの確度が高いと。
<6778> アルチザ 1667 +242大幅続伸。総務省がNTTドコモ<9437>などと共同で、現在の100倍の速さの高速通信ができる、第5世代(5G)と呼ばれる携帯通信システムを開発すると報じられたことが材料視されているようだ。民間では携帯大手3社のほか、パナソニック<6752>やシャープ<6753>などの端末、基地局メーカーも参加しそうだと伝わっており、携帯基地局関連の一角として思惑的な物色が向かう格好に。
30日の日経平均株価は前日比25円94銭高の1万4707円66銭で寄り付いたあと、一時1万4741円10銭(前日比59円38銭高)を付ける場面があった。米国株高や円弱含みを受け、買いが先行した。29日の米国株式市場では、NYダウ、ナスダック総合指数ともに反発、S&P500種指数は最高値を更新し、投資家心理の改善につながった。この日の取引開始前に4月の全国消費者物価指数、鉱工業生産指数などが明らかにされたが、発表直後の為替市場への影響はほとんどみられなかった。
業種別では、ソフトバンク<9984、株価 - チャート>、KLab<3656、株価 - チャート>、スクエニHD<9684、株価 - チャート>などの情報通信株が上昇。トヨタ<7203、株価 - チャート>、富士重<7270、株価 - チャート>などの自動車株や、ブリヂス<5108、株価 - チャート>、住友ゴム<5110、株価 - チャート>などのタイヤ株も堅調。東京海上<8766、株価 - チャート>、MS&AD<8725、株価 - チャート>などの保険株や、三井住友<8316、株価 - チャート>、三住トラスト<8309、株価 - チャート>などの銀行株も引き締まっている。
個別では、新日科学<2395、株価 - チャート>、オーイズミ<6428、株価 - チャート>、ファンコミ<2461、株価 - チャート>などが値上がり率上位。自社株買いを決議した井関農<6310、株価 - チャート>や、14年4月中間期および14年10月期の連結業績予想を上方修正したカナモト<9678、株価 - チャート>、14年4月中間期の連結業績予想を上方修正したくら<2695、株価 - チャート>なども高い。
半面、石油資源<1662、株価 - チャート>、国際帝石<1605、株価 - チャート>などの鉱業株や、コスモ石<5007、株価 - チャート>、JX<5020、株価 - チャート>などの石油株がさえない。JR東日本<9020、株価 - チャート>、東急<9005、株価 - チャート>などの陸運株も売られ、北越紀州<3865、株価 - チャート>、大王紙<3880、株価 - チャート>などのパルプ紙株も安い。個別では、ケーズHD<8282、株価 - チャート>、小林製薬<4967、株価 - チャート>、パラベッド<7817、株価 - チャート>などが値下がり率上位。
東証寄り付き前段階での主要外国証券経由の注文動向は、「6社ベースで、売り950万株、買い1200万株で、差し引き250万株の買い越し」(外資系証券)。午前9時24分時点の東京外国為替市場は、1ドル=101円台後半(前日終値は1ドル=101円57銭-58銭)、1ユーロ=138円台前半(同1ユーロ=138円06銭-10銭)で取引されている。
寄り付きの東京株式市場で日経平均は7日続伸。前日の米株高を背景に買いが先行している。寄り前に発表された指標に対する反応は鈍かった。
4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は、日銀試算の増税分(1.7ポイント)を除くとプラス1.5%となり、3月の1.3%から拡大。4月の鉱工業生産指数速報は前月比2.5%低下となり、ロイターの事前予測を下回った。
一方、政府は29日、日本人拉致(らち)被害者の安否を再調査することで北朝鮮と合意したと発表。日朝協議が進展したかたちだが、BNPパリバ証券・株式・派生商品統括本部長の岡澤恭弥氏は、「安倍首相が支持率を上げる目的で、伝家の宝刀の北朝鮮問題に手を付けてきたという印象。6月の成長戦略の中身が期待できないということの裏返しではないか」とみており、短期的な株価への影響としてはむしろマイナスだと指摘した。
寄り付き 前営業日比
日経平均<.N225> 14707.66 +25.94
日経平均先物中心限月<2JNIc1> 14710 +20
<8058> 三菱商 2018 +5足元でリバウンド基調が強まっており、売り方の買い戻しが強まりやすいだろう。短期的な過熱感が警戒される一方、PBRは0.6倍台と割安感がある。昨年からの上値抵抗線に接近しており、踏み上げ狙いの動きも強まる可能性がありそうだ。
<4978> リプロセル 960 +117買い先行。再生医療の技術を使い人の心臓の筋肉や網膜などを安く大量に作り出す手法を確立するため、産学官が連携すると報じられたことが材料視されている。各企業や大学が得意とする技術や研究を持ち寄り、2018年度の実用化を目指すと。同社については、富士フイルム<4901>や京大などと、万能細胞のiPS細胞から心筋や神経をつくるもようで関心が高まっている。
<4284> ソルクシーズ - -システム開発のソルクシーズ<4284>は28日、見守りシステム「いまイルモ」が経済産業省の「ロボット介護機器開発・導入促進事業」補助事業に採択されたと発表した。
アベノミクス第3の矢である成長戦略では、医療・介護分野の主要施策として「ロボット介護機器開発5カ年計画の実施」が掲げられている。本事業はこれを受けて、ロボット介護機器の開発・製品化を進める企業に開発補助を実施するもの。「ロボット技術の介護利用における重点分野」として具体的に暗所や浴室での利用などが挙げられているが、同社はその全ての項目を満たすよう、支給される研究開発事業補助金を試作費・実証試験費などに活用する予定。
同社の「いまイルモ」は、独居高齢者や介護が必要な人など、遠隔地に住む家族を手軽に見守ることができる B to Cタイプのサービス。独自開発した多機能センサーを用いることで、従来のサービスのようにカメラを設置したり機器を身につける必要がなくなったほか、見守られる人のプライバシーにも配慮している。見守る側はスマートフォンやタブレットを使って生活の様子や異変の兆候などを遠隔地から確認することができる。また現在は、マンションや高齢者向け集合住宅などの大規模な事業者向けの「いまイルモS」も販売している。同社は地方公共団体や関連事業者を中心に営業活動を行っており、今回の採択は普及を後押しする効果も期待できそうだ。
同社は、金融・情報・基盤分野などに特化したシステム開発を主な事業とする企業グループ。従来型のシステム構築を手掛けるSIビジネスと、毎年安定的な収益を得られるストック型ビジネスを両輪とする。
<9984> ソフトバンク 7344 +110米株高の流れを受けて買い先行の展開になろう。これにより、上値抵抗線として意識される25日線突破を試す展開が期待される。また、同社が検討しているTモバイルUSの買収について親会社の欧州通信大手ドイツテレコムが容認していることが分かったと報じられている。実現に一歩前進した形との見方などもリバウンドが強まる要因になりそうだ。
<6758> ソニー 1633 -3経営方針説明会以降、弱い値動きが続いている。ただ、5月26日の上昇部分は帳消しにしており、売り一巡感も意識されるところ。週足ベースの一目均衡表では雲下限レベルでの攻防であり、リバウンドを意識したスタンスになろう。
[株式市場強弱材料] 強気材料 ・シカゴ225先物清算値14735円、大阪比45円高 ・NYダウ反発、主要企業の買収発表を好感 ・米半導体SOX指数、続伸 ・米新規失業保険申請件数、30万件と市場予想よりも改善 ・欧州株式市場、ECBの追加緩和期待を追い風に堅調 弱気材料 ・米1-3月期国内総生産(GDP)改定値、前期比年率-1.0%と市場予想を下回る ・米4月中古住宅販売成約指数、前月比+0.4%と市場予想を下回る ・ドル/円、円高進行(101円74-76銭) ・ユーロ/円、円高進行(138円35-39銭) ・NY金続落、米雇用指標の改善などで売り先行 ・東証REIT指数、3日ぶり反落 留意事項 ・自民税調会長、法人税「来年度から引き下げ」 ・第5世代携帯、2020年にも実用化 ・中国の華為、日本で格安スマホ ・富士通<6702>、16年度営業利益を13年度比70%増の2500億円に引き上げへ ・NY原油先物、反発(1バレル=103.58ドル) ・米長期金利、上昇(10年債利回り2.472%) ・長期金利、低下(10年債利回り0.575%) ・4月家計調査 ・4月失業率 ・4月有効求人倍率 ・4月消費者物価指数 ・4月鉱工業生産指数 ・4月住宅着工統計、建設工事受注額 ・3月電子材料生産実績、電子部品グローバル出荷 ・4月新設住宅着工戸数 ・英5月GfK消費者信頼感指数 ・米4月個人所得、個人消費支出、個人消費支出(PCE)価格コア指数 ・米5月シカゴ購買部協会景気指数 ・米5月ミシガン大学消費者マインド指数(確定値) [サポート&レジスタンス] 終値 14682 5日移動平均 14611 レジスタンス(2) 14798 100日移動平均 14763 標準偏差+2σ 14747 レジスタンス(1) 14740 200日移動平均 14659 ピボット 14657 先行スパンB 14599 サポート(1) 14599 サポート(2) 14516 先行スパンA 14396 基準線 14354 転換線 14354 25日移動平均 14344 標準偏差−2σ 13940
エフピコ<7947、株価 - チャート>は生鮮食品のトレーなど樹脂製簡易容器の大手メーカー。14年3月期の連結経常利益は前期比33.5%減の100億5400万円だった。「円安に伴う原材料費の上昇では、価格転嫁へのタイミングが遅れたこと、汎用品の一部で価格競争が強まったことが響いた」(経営企画室)という。
15年3月期は一転、連結経常利益は前期比10.4%増の111億円となる見通し。原材料費の高止まりは継続するが、価格改定効果が浸透するほか、新デザイン容器や新機能容器などオリジナル製品の構成比が向上することで利益率が改善。今秋稼働予定の東京・八王子の物流拠点の整備効果なども下期から寄与してくる見通しだ。年間配当は50円を予定している。
移動平均線では25日・75日の両線がサポート機能を果たし、過度に売り込まれる可能性は低く、軟調な場面は狙い場となりそうだ。
29日の終値は、前日比45円安の3225円。
川崎重工業<7012、株価 - チャート>は29日、同社シンガポール子会社のKawasaki Heavy Industries(以下、KHI-SIN)、中国の南車青島四方機車車両(以下、南車四方)と共同で、シンガポールの陸運庁からトムソン線および東地区線向け地下鉄電車364両(91編成)を受注したと発表した。
今回の受注金額は約600億円。同社がプロジェクト全体の統括、設計、台車や主要機器の供給を行い、南車四方が完成車両の制作、工場試験および信号・通信などとのシステム検証試験、KHI-SINが車両基地への搬入や納入整備、現地試験を担当する。納入は、18年から21年にかけて行われる計画。
トムソン線と東地区線は合わせて全長43キロメートル。南北に点在する住宅地域および東部地区と、市中心部を結ぶ無人運転の全線地下の新規路線として建設され、市中心部へのアクセス向上と所要時間の短縮を目指す。
29日の終値は、前日比2円高の384円。
ジャパンマテリアル<6055、株価 - チャート>が29日、放送用グラフィックスソリューションを開発・販売しているVisual Reserch Inc.(VRi社・韓国)と、5月26日に代理店契約を締結したと発表した。
VRi社のシステムは、最新のGPUに最適化したグラフィックエンジンを持ち、レンダリング不要でリアルタイム編集・送出が可能。キー局でのライブ中継用途をはじめ、大手ポストプロダクションにおける編集用途、ショッピングチャネル、スポーツ、天気、公営競技などの市場をターゲットとして、日本市場での本格的な展開を始めるにあたり、日本国内の販売はJマテリアルが行っていく。
29日の終値は、前日比184円高の2101円。
アステラス製薬<4503、株価 - チャート>についてクレディ・スイス証券では29日付で、投資判断「アウトパフォーム」(強気)を継続、目標株価は1380円から1600円に引き上げている。14年3月期決算からIFRS(国際財務報告基準)を正式に採用しており、実績はフルベース、予想はコアベースの開示となっている。同証券では、今後はコアベースが投資判断および目標株価のベンチマークになると予想、あわせて目標株価を1600円に引き上げるとしている。
前立腺がん治療薬イクスタンジ、過活動膀胱(ぼうこう)治療薬ミラベグロンなどの泌尿器系薬剤が業績をけん引し、リピトールやプログラフなどの長期収載品の鈍化を吸収するという構図は変わらないとコメント。そこに4月に国内で発売した糖尿病治療薬/SGLT2阻害薬スーグラの収益貢献が15年3月期以降見込まれると予想している。今後はイクスタンジの会社側の売上高予想826億円は引き上げられる可能性が高く、業績上方修正の呼び水になると予測している。
29日の終値は、前日比2円安の1294円。
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