<9984> ソフトバンク 7151 -41足元でリバウンド基調が継続しており、上昇する5日線に沿った下値切り上げをみせている。25日線接近で強弱感が対立しやすいほか、米国市場が上げ一服となるなか、やや利食い優勢の相場展開になりそうである。ボリンジャーバンドのバンドは下向きで推移している状況が続いており、戻り売りスタンスにもなろう。
<2371> カカクコム 1667 -34リバウンド基調が継続している。一目均衡表では雲を突破し、雲上限が支持線として機能している。消費増税による影響は軽微とみられるなか、見直しの流れが強まる展開が期待される。信用倍率は2倍台で取組み妙味はないが、2月の11倍台から順調に改善をみせている。また、高ROE銘柄としても関心も高そうだ。
<3632> グリー 888 +20ガンホー<3765>など一部のゲーム関連には見直しの流れが強まってきているが、依然として下降する25日線が上値抵抗として意識されている。ボトム形成は意識されてきているが、25日線接近での戻り売りスタンスに。もっとも、信用倍率は売り長の状況が慢性化しており、25日線辺りをクリアする局面では買いスタンスに転換する格好か。
<7012> 川重 383 +1中国で現地企業との合弁会社がごみ処理プラントを4基受注したと報じられている。受注額は明らかにしていないが、約120億円と。福建省などの現地セメントメーカーに、8月から順次納入すると伝えている。株価はダブルボトム形成後のリバウンドで直近戻り高値に接近している。一目均衡表では雲下限をクリアしてきており、雲のなかで強弱感が対立しやすいところでもある。
ロボットスーツ「HAL」を手掛ける筑波大学発のベンチャー、サイバーダイン。注目の新規株式公開企業として、3月26日の上場初値は公開価格の2.3倍となる8510円をつけた。初値ベースでの同社の時価総額は100億円弱。その日の売買代金は446億円と、時価総額が約20兆円のトヨタ自動車を上回った。
上場当日、東京証券取引所での会見で山海嘉之社長は「来期(2015年3月期)は売上高が今期(14年3月期)の3~4倍、利益もブレイクイーブン(収支均衡)に乗せられそうだ」と、今後の成長に自信を見せていた。
15年3月期も赤字
ところが、5月15日に示した15年3月期の通期業績予想は、1カ月半前の公言とは大きく違った。成長は続くものの、「3~4倍」としていた売上高の見通しは前期比約2倍の9億200万円にとどまり、経常損益は収支均衡どころか、3億300万円(14年3月期は6億8200万円の経常赤字)と引き続き赤字が継続する計画だったからだ。
赤字見通しに株式市場は失望した。業績見通しの発表直前、15日の終値は7040円だったが、翌16日は前日比約13%安の6110円。さらに週明けも売り圧力はおさまらず、17日の終値は5110円。わずか2営業日で3割近くも値を下げた。
「ブレークイーブン」とした上場時のあの発言は何だったのか。上場時の前提からどんな狂いが生じたのか。
<3435> サンコーテクノ - -サンコーテクノ<3435>は26日、モバイル対応の引張試験機専用サポートツール「テクノテスター(R)グラフポータブルセット」を6月より本格発売開始すると発表した。
テクノテスター(R)グラフポータブルセットは、専用アプリをインストールしたタブレット端末と、従来比約60%(従来機重量約1キログラム→新型機370グラム)軽量化したプリンター、それに引張試験機(別売)を無線通信でつなぎ、引張試験時のデータ表示・編集・印刷が行える。これまでノートパソコンなどで行っていたのと比べ、建築現場における引張試験の安全性が向上し、作業性も効率化できる。価格はオープンで初年度100台の販売を見込んでいる。現在特許出願中。
サンコーテクノは、国内トップシェアの「あと施工アンカー」を中心とした建設用ファスニング、油圧工具などの各種電動工具、耐震補強や太陽光関連商材などを主要事業として手掛ける。足元で伸長している太陽光関連商材は、申請から施工までスムーズに行える50kwhの受注を中心にして、架台も含めた販売を推進。また、センサー事業では吸気アルコール測定システム、高濃度CO測定器などを展開している。
<8940> インテリックス - -リノベーション済みマンション販売のインテリックス<8940>は26日、同業のスター・マイカ<3230>との共同事業を開始すると発表した。他社物件を含めた施工戸数の拡大を目指すインテリックスと、ストック型ビジネスモデルとして保有残高の一層の拡大を目指すスター・マイカ両社の思惑が合致。27日からは第1弾物件であるリノベーションマンションを販売している。
第1弾物件では、スター・マイカが保有する物件に、同社が設計・施工を行うほか、今後はスター・マイカが販売する物件にも、同社のリノベーション独自工法「グッドインフィル工法」や新商品「どこでもウォール」を採用するという。これまでの両社の実績とノウハウを結集した形で、消費者に優良な物件を供給する。
年内には同方式で数件の共同事業を予定しているほか、将来的には、資材調達の共通化によるリノベーションコストの低減、共同プラットフォームサイトの開設によるリノベーションマンションの販売や、マンションの修繕履歴の共同管理等を含むマンション評価システムの確立など、中古マンションの資産価値向上を目的とした、ハード・ソフト両面での協力関係への発展に向けて検討する予定。
同社は、リノベーションマンション事業の先駆け的企業。「リノヴェックスマンション」ブランドで首都圏を中心に事業を展開している。物件の仕入れから内装工事、販売までの事業期間が100日程度と短く、事業リスクが低いビジネスモデルとなっていることが強み。また、最長10年のアフターサービス保証を付けていることも特徴である。
<3230> スター・マイカ - -リノベーション済みマンション販売のスター・マイカ<3230>は26日、同業のインテリックス<8940>との共同事業を開始すると発表した。ストック型ビジネスモデルとして保有残高の一層の拡大を目指すスター・マイカと、他社物件を含めた施工戸数の拡大を目指すインテリックス両社の思惑が合致。27日からは第1弾物件であるリノベーションマンションを販売している。
第1弾物件では、同社が保有する物件に、インテリックスが設計・施工を行うほか、今後は同社が販売する物件にも、インテリックスのリノベーション独自工法「グッドインフィル工法」や新商品「どこでもウォール」を採用するという。これまでの両社の実績とノウハウを結集した形で、消費者に優良な物件を供給する。
年内には同方式で数件の共同事業を予定しているほか、将来的には、資材調達の共通化によるリノベーションコストの低減、共同プラットフォームサイトの開設によるリノベーションマンションの販売や、マンションの修繕履歴の共同管理等を含むマンション評価システムの確立など、中古マンションの資産価値向上を目的とした、ハード・ソフト両面での協力関係への発展に向けて検討する予定。
同社は、リノベーション済みマンションの販売事業を展開する。主に1都3県のファミリータイプの中古マンションを買い取り、リノベーションを行ったうえで独自のアフター保証を付け、平均2,000万円台後半の手頃な価格帯で提供。欧米に比べて普及の遅れている日本の中古マンション市場において、業界大手として市場全体の拡大を推進するリーディングカンパニーを目指している。
[株式市場強弱材料] 強気材料 ・米半導体SOX指数、小幅続伸 ・欧州株式市場、ECBの追加緩和期待を背景に底堅く推移 ・政府、労働時間規制の緩和を成長戦略に明記へ ・東証REIT指数、続伸 弱気材料 ・シカゴ225先物清算値14650円、大阪比30円安 ・NYダウ反落、材料に乏しく小動きに終始 ・ドル/円、円高進行(101円81-84銭) ・ユーロ/円、円高進行(138円39-43銭) ・NY金続落、ユーロ安・ドル高傾向を受けて売り優勢 ・LMEニッケル、続落 ・バルチック海運指数、反落 留意事項 ・政府が子育て支援案、放課後教室を倍増 ・米グーグル、自動運転車を20年にも実用化 ・NTTドコモ<9437>、米アップルの「iPad」を来月10日発売 ・米カーライル、おやつカンパニーを買収 ・NISA、3月末までに6080億円流入 ・NY原油先物、続落(1バレル=102.72ドル) ・米長期金利、低下(10年債利回り2.448%) ・長期金利、低下(10年債利回り0.580%) ・対外対内証券売買(先週) ・4月商業販売統計 ・米1-3月期GDP(改定値) ・米新規失業保険申請件数(先週) ・米4月中古住宅販売成約指数 [サポート&レジスタンス] 終値 14671 5日移動平均 14542 100日移動平均 14778 レジスタンス(2) 14774 標準偏差+2σ 14723 レジスタンス(1) 14723 ピボット 14666 200日移動平均 14656 サポート(1) 14614 先行スパンB 14599 サポート(2) 14557 先行スパンA 14419 基準線 14354 転換線 14354 25日移動平均 14337 標準偏差−2σ 13951
底割れしそうだったが、結局、日経平均株価は1万4000円を大きく割ることなく反発。再びジワジワと上昇しつつある。カリスマ投資家の内田衛氏は、この間どうしていたのか。「株日記」で振り返って見よう。
日立が23年ぶり最高益、売るのがちょい早かった?
【5月12日(月)】先週末のNYダウは32ドル高の1万6583ドルと3日続伸で、1週間ぶりの史上最高値更新。しかし、今日の日経平均は50円安の1万4149円と小幅反落。大量保有のリソー教育(4714)は8円安の208円と、年初来安値更新!
15時、総合印刷中堅の共立印刷(7838)が、2014年3月期決算を発表した。資材価格や燃料費などの値上げによる原価高の状況の中で、省エネ型オフセット輪転印刷機の増設などにより生産性を向上させ、付加価値の高い印刷物への取り組みにより、増収増益を達成した。前期配当9.5円(年間)から11.0円(5.5円+5.5円)に増配(配当性向は49.3%)。本日終値266円の1円安。今日の終値で計算すると、配当利回りは4.13%。高配当利回り目的銘柄として4万株保有中。
日立製作所(6501)が決算発表をし、23年ぶりの最高益だそうだ。私は、基本的に同社のような超大型株は売買の対象にはしていないのだが、2009年11月に平均買値248.8円で初めて日立製作所を1万株買った。このとき投資歴25年で日立製作所がこんなにも株価が下がったことがなかったからだ。急騰したので翌年2010年1月5日に290円で1万株売ってしまったが、このような大型株は長期保有したほうがよかったな。本日終値731円の5円安。日立製作所といえば、長期で見れば、これくらいの株価が定位置なのかな。
前沢工業<6489、株価 - チャート>は下水機械装置、上水等機械装置、汎用弁栓、制御弁・門扉などを手掛ける。
14年5月期の連結利益予想は営業段階から2ケタ減益見通しで、経常利益は前期比33.6%減の6億7000万円。「環境事業で受注高が計画を下回り、公共事業関連の入札も厳しい状況が続いた」(経理部)という。
もっとも、15年5月期は、都市部の更新需要などが期待され、業績は回復色を強めてくる公算が大きい。メンテナンス部門での伸びも期待要因。
移動平均線では、25日・75日の両線を下回るなど低迷しているが、割安な指標(予想PER11倍台、PBR0.4倍台)がサポート。自律反発が期待される。
28日の終値は、前日比4円安の294円。
セントラルスポーツ<4801、株価 - チャート>は会員制スポーツクラブを運営。後藤忠治社長は東京五輪で水泳日本代表選手として活躍。70年に「世界と競い合える水泳選手を育成する」という夢をかなえるために会社を設立。現在は「0歳から一生涯の健康づくりに貢献する」を経営理念に展開している。
15年3月期予想の連結経常利益は前期比13.3%増の25億8000万円。前期に連結化した明治ホールディングス<2269、株価 - チャート>系の明治スポーツプラザ(直営7店、業務受託18店)が通年で寄与するほか、「メニューを増やし、会員が複数の講座を利用しやすくすることで単価のアップも目指す」(経営企画室)という。年35円配は継続する計画。
店舗展開では、4月から業務受託4店舗の運営を開始。直営では2店の新規出店を計画。今後も大型店に限らず、中・小型店の新規出店や新規受託も積極的に増やしていく見通しだ。
28日の終値は、前日比11円高の1548円。
高圧ガス工業<4097、株価 - チャート>はガス事業を主力に化成品事業も手掛ける。
15年3月期予想の連結経常利益は前期比1.9%増の53億円。業績変化率に派手さはないが、着実に利益を積み上げている。
同社では、「上期は駆け込み反動減を見込んでいるが、前年下期からの価格改定効果が年明けから効き始め、通年で浸透してくる見通し」(大北隆行取締役)という。景気回復の流れを追い風に足元も好調に推移。「4、5月は前年同期水準を上回って推移している」(同)ともいう。
移動平均線では、25日・75日の両線のゴールデン・クロス(GC)を射程圏にとらえている。調整を短期で終えれば、持ち直しの動きに期待が持てそうだ。
28日の終値は、前日比6円安の557円。
東芝<6502、株価 - チャート>についてクレディ・スイス証券では28日付で、投資判断「アウトパフォーム」(強気)を継続、目標株価は610円から645円に引き上げている。
同証券では業績予想を上方修正、あわせて目標株価を引き上げている。連結営業利益について、15年3月期4120億円(前期比41.7%増、従来4080億円、会社側計画は3300億円)、16年3月期4490億円(従来4410億円)、17年3月期4690億円と試算。コア事業であるNAND事業は、今後1-2年は持続可能なコスト競争優位性を確保できるほか、6月に好転を予想するNAND市況をカタリストに株価は見直されると考えるとコメント。今後の注目ポイントとして、(1)NAND事業の需給環境の好転(2)NANDコスト競争優位性が再評価される業績推移(3)PC/テレビなど不採算事業の追加構造改革進ちょく――などを挙げている。
28日の終値は、前日比8円高の409円。
三菱重工業<7011、株価 - チャート>は28日、大成建設<1801、株価 - チャート>、岡村製作所<7994、株価 - チャート>と共同で、有機EL照明パネルを使用したオフィス向けデスクライトを開発したと発表した。大成建設が技術センター(神奈川県横浜市)に建設する「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)実証棟」へ全面導入する。
従来の省エネを目指した多くの照明計画は、デスクライトを活用し天井照明の照度を抑制することでエネルギー削減が進められていた。有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)照明パネルの面発光により、照明全体のエネルギーを削減しつつ、快適なデスクワークを実現する新しい照明環境を実現、あわせて実証を行う計画。
28日の終値は、前日比14円高の591円。
グリムス<3150、株価 - チャート>が28日、15年3月期から3カ年の「2014中期経営計画」を発表した。
最終年度の17年3月期の連結業績目標は、売上高72億2900万円、営業利益9億円、経常利益8億9500万円、純利益4億9300万円。スマートハウスプロジェクト事業では、催事販売を中心にした住宅用太陽光発電システムの販売拡大に引き続き取り組むほか、メガソーラーの建設など再生可能エネルギー開発事業による売電収入といった新たな収益形態の確立を図る。エネルギーコストソリューション事業では、既存事業を拡充するとともに、新たに開始した電力の調達改善を行う電力代理購入サービスを推進して、収益力の強化を図る。
28日の終値は、前日比101円高の1029円。
川崎重工業<7012、株価 - チャート>は28日、同社と中国海螺グループとの合弁会社である安徽海螺川崎工程が、中国で環境配慮型ごみガス化システム4機を連続受注したと発表。今回受注した4機は、甘粛省、重慶市、福建省、貴州省向けで、14年8月から順次納入する見込み。
同システムは、既存のセメントプラントにごみ焼却炉を併設することにより、セメント生産工程とごみ処理工程を一体化。ごみや下水汚泥をガス化し、そこで得られる熱エネルギーをセメント生産工程で有効利用することにより、同工程で使用される石炭などの化石燃料および二酸化炭素排出量を削減することができる。また、ごみ・下水汚泥をガス化した後の灰などは、セメントの原料として再利用することができるため、最終処分場が不要になるとしている。
28日の終値は、前日比3円高の382円。
コナミ<9766、株価 - チャート>は28日、日本版カジノ法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)の国会での成立に合わせ、日本におけるカジノ施設への投資を目的とした子会社を設立すると発表した。
同社は、厳格な企業コンプライアンスを高いレベルで実現し、ラスベガスをはじめ全世界で365のライセンスを取得し、世界市場に向けてカジノ機器、およびカジノマネジメントシステムの開発・製造・販売・サービスなどを展開している。
28日の終値は、前日比43円高の2353円。
<為替> ユーロと英ポンドが最近の安値水準を割り込んだのに伴い、ドルが上昇した。主要通貨に対するドル指数<.DXY>は、前日発表された住宅関連指標が追い風となり一時80.581と8週間ぶりの高値に上昇。終盤は0.27%高の80.566となっている。
スコシア・キャピタルの通貨ストラテジスト、カミラ・サットン氏は「この日の取引は小幅な増加にとどまったが、ユーロとポンドの値動きは大きかった。誰もが年初に予想していたドルの上昇が現在、見えているのかもしれない」とみている。 同氏によると、この日の世界の投資家の焦点は債券市場だった。10年物米国債利回りは11カ月ぶりの低水準となる2.434%に低下。30年物米国債利回りもこの1年近く見られなかった水準に下がった。
<債券> 米指標10年債利回りが約11カ月ぶりの水準に低下した。独連邦債の利回り低下に追随したほか、月末を控えた機関投資家の買いも支援した。
独10年債<DE10YT=TWEB>利回りは、年初来の低水準となる1.29%に低下した。弱い経済指標を受けて、欧州中央銀行(ECB)が来週開催の理事会で追加緩和策を講じるとの見方が強まったことが追い風となった。5月の独失業者数は市場予想に反し増加し、過去5年で最大の増加数となったほか、4月のユーロ圏マネーサプライM3伸び率は前年比0.8%と、前月から伸びが鈍化した。
今月は10年、30年債が新たに供給されることもあり、月末を控えデュレーションの長期化を目的とする取引が膨らんだことも相場を支援した。
<株式> 小反落。主要な経済指標の発表がなくテクニカル面に焦点が当たる格好となった。S&Pは3日連続の終値ベースでの過去最高値更新はならず、5営業日ぶりに下落して引けた。
USバンク・ウェルス・マネジメントのチーフ株式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏は「4営業日続伸し、幅広い銘柄が過去最高値かそれに近い水準を付けたことで市場は値固め局面に入っており、当面は動きの乏しい展開になるだろう」と述べた。 S&Pが過去最最高値水準で推移して景気回復を示唆する一方、米国債利回りは低下傾向が続いて景気に対する慎重な見方を裏付けており、市場は「二重人格」的な様相を呈しているという。 ダウ運輸株指数<.DJT>はザラ場での最高値を更新し、終値も過去最高値となった。景気の先行指標である運輸株指数の上昇は、米景気と株式市場にとって明るい兆しとなっている。
<金先物> 3日続落。ドル高による割高感や、前日の大幅下落を受けた追随売りやテクニカル要因の売りも下押しした。終盤にかけては若干値を戻した。
<米原油先物> 続落。在庫積み増し予想を背景に売り込まれた。
28日の米国株式市場は小反落。主要な経済指標の発表がなくテクニカル面に焦点が当たる格好となった。S&Pは3日連続の終値ベースでの過去最高値更新はならず、5営業日ぶりに下落して引けた。
ダウ工業株30種<.DJI>は42.32ドル(0.25%)安の1万6633.18ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は12.00ポイント(0.28%)安の4225.07。
S&P総合500種<.SPX>は2.13ポイント(0.11%)安の1909.78。
USバンク・ウェルス・マネジメントのチーフ株式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏は「4営業日続伸し、幅広い銘柄が過去最高値かそれに近い水準を付けたことで市場は値固め局面に入っており、当面は動きの乏しい展開になるだろう」と述べた。
S&Pが過去最最高値水準で推移して景気回復を示唆する一方、米国債利回りは低下傾向が続いて景気に対する慎重な見方を裏付けており、市場は「二重人格」的な様相を呈しているという。
ダウ運輸株指数<.DJT>はザラ場での最高値を更新し、終値も過去最高値となった。景気の先行指標である運輸株指数の上昇は、米景気と株式市場にとって明るい兆しとなっている。
高級アパレルのマイケル・コース<KORS.N>は、北米の販売が好調で四半期決算が増収増益となったことが好感されて1.3%上昇した。
半面、靴小売りチェーンのDSW<DSW.N>は四半期決算と業績見通しがいずれも市場予想に届かず、27.4%急落した。
BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の出来高は約53億8000万株と、今月の平均である57億9000万株を下回った。
騰落銘柄比率はニューヨーク証券取引所が16対15、ナスダックは5対8だった。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>
終値(非公式) 16633.18(‐42.32)
前営業日終値 16675.50(+69.23)
ナスダック総合<.IXIC>
終値(非公式) 4225.07(‐12.00)
前営業日終値 4237.07(+51.26)
S&P総合500種<.SPX>
終値(非公式) 1909.78(‐2.13)
前営業日終値 1911.91(+11.38)
<為替> ユーロなど他の主要通貨が値を下げたことを受けて、ドルが上昇した。ユーロは欧州中央銀行(ECB)が来週6月5日の政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの観測から一時1.36ドルを下回る水準まで売られた。
ユーロの下落を反映する形で、主要通貨に対するドル指数<.DXY>は一時、8週間ぶりの高さとなる80.537をつけた。ニューヨーク取引時間のドル指数は0.21%高の80.522。
ユーロ/ドル<EUR=>はニューヨーク取引時間の序盤に2月中旬以来の安値となる1.3596ドルをつけた後、1.3602ドルまで戻した。
インフレ率を目標に向けて戻す手段があると言明したドラギECB総裁の今週の発言は、ECBによる大胆な追加緩和導入を意味すると受け止められた。来週の理事会でECBが複数の主要政策金利を引き下げるとともに、信用拡大に向けた手段を講じるとみる投資家が多い。
ドル/ポンドは0.55高の1.6720ドルで取引された。このところ英経済指標がやや弱いことや、現政権への対抗勢力が勢いを増す兆しが見えることが懸念され、ポンドはここ数日売られている。
円/ドル<JPY=>は0.24%安で取引された。
<株式> ロンドン株式市場は、FT100種総合株価指数<.FTSE>が6.28ポイント(0.09%)高の6851.22とほぼ横ばいで取引を終えた。製薬大手のグラクソスミスクライン<GSK.L>の下落が全体の重しとなった。
グラクソスミスクラインは、英重大不正捜査局(SFO)が同社の商慣行について刑事捜査に着手したことが嫌気されて1.6%下落した。同社に対しては既に中国など5カ国で賄賂の疑いがもたれている。
医療機器大手スミス・アンド・ネフュー(S&N)<SN.L>は、米同業のストライカー<SYK.N>による買収のうわさを手掛かりに一時17.5%上昇し、過去最高値となる1120ペンスをつけた。ストライカーがうわさを否定したことから、最終的には4.3%高で取引を終えた。
エンジニアリング大手のウィアー・グループ<WEIR.L>も早い時間の株価上昇が打ち消された銘柄のひとつ。額が高過ぎると懸念されていたフィンランドの同業大手メッツォ<MEO1V.HE>の買収を断念したことが好感されて買われたが、他の買収を模索するかもしれないとの観測が出たことで、最終的には0.8%下落して取引を終えた。
欧州株式市場は主要な株価指数がほぼ横ばいで取引を終えた。こうした中で、ポルトガルのPSI-20指数<.PSI20>は同国の銀行部門の前向きなニュースを追い風に上昇した。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は0.99ポイント(0.07%)安の1377.83で引けた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は1.96ポイント(0.06%)高の3246.24。PSI─20指数は76.42ポイント(1.08%)高の7134.65だった。
ポルトガルの金融大手ミレニアムBCP<BCP.LS>は、偶発転換社債の償還を無事終えたと発表したことで株価が4.0%上昇した。欧州中央銀行(ECB)による域内銀行の資産査定(AQR)を控えて、投資家はBCPの健全性に自信を持った。
同国最大の銀行であるバンコ・エスピリト・サント<BES.LS>も、増資の一環として新株引受権を発行したことを支援材料に株価が3.9%上昇した。
欧州全体では、株価は高水準を保ちながらも上値が重かった。
オランダのスーパーマーケット大手アホールド<AHLN.AS>は3.3%の下落。主要市場である米国とオランダで利益が下がったことが嫌気された。FTSEユーロファースト300種の中で大幅に下落した銘柄の一つだった。
ドイツのファッションブランド、ヒューゴ・ボス<BOSSn.DE>も2.5%の下落。プライベート・エクイティグループのペルミラ<PERM.UL>が機関投資家と組んで、ヒューゴ株の5.6%を保有したとの情報が材料視された。
一方、通信のテレコム・イタリア<TUT.MI>は4%の上昇。ゴールドマン・サックスが目標株価を引き上げたことが好感された。
<ユーロ圏債券> スペイン国債利回りが過去最低を更新した。弱い融資データや欧州中央銀行(ECB)当局者の発言を受けて、ECBが近く追加緩和を実施するとの期待が高まった。
ECBの追加緩和観測に加え、欧州議会選挙での欧州連合(EU)懐疑派の躍進が脆弱な国の経済改革を阻害するとの懸念が後退しており、ユーロ圏国債は今週に入り総じて上昇基調となっている。
メルシュ専務理事はこの日、低いインフレ率と信用の伸びに対処するため、来週6月5日の理事会では複数の措置を打ち出す可能性があるとの見方を示した。ただ、措置の実施時期はそれぞれ異なる可能性があるとしている。
前日にはドラギECB総裁、理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁が追加緩和を示唆する発言を行っている。
4月のユーロ圏マネーサプライM3伸び率は前年比0.8%と、 前月から伸びが鈍化したほか、民間部門向け貸し出しも前年比1.8%減少した。
また5月の独失業者数が市場予想に反し増加し、過去5年で最大の増加数となったこともECBの追加緩和観測を一段と強めた。
ロイター・データによると、スペイン10年債<ES10YT=RR>利回りは8ベーシスポイント(bp)低下の2.80%と、過去最低を更新した。
イタリア10年債<IT10YT=RR>利回りも7bp低下し2.91%となった。
トレードウェブのデータによると、独10年債<DE10YT=TWEB>利回りは5bp低下し、年初来の低水準となる1.29%をつけた。さえない30年債入札は材料視されなかった。
ドイツが実施した30年債入札は、前週の10年債に続き札割れとなった。利回りが極めて低水準にあることが嫌気されており、ドイツ国債入札の札割れは今年に入り5度目。
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