22日の米国株式市場は続伸。S&P500とナスダックが6日連続で値上がりした。底堅い企業決算が相場の下支えとなったほか、医薬品関連株がしっかりだった。
ダウ工業株30種<.DJI>は65.12ドル(0.40%)高の1万6514.37ドル。
ナスダック総合指数<.IXIC>は39.91ポイント(0.97%)高の4161.46。
S&P総合500種<.SPX>は7.66ポイント(0.41%)高の1879.55。
1625GMT 21日終盤
ユーロ/ドル 1.3802/05 1.3791
ドル/円 102.59/61 102.61
ユーロ/円 141.61/64 141.48
22日終値 前営業日
終値株 FT100 6681.76(+56.51) 6625.25
クセトラDAX 9600.09(+190.38) 9409.71
金 現物午後値決め 1286.75 1299.00
*GMT:15時48分
先物清算値
3カ月物ユーロ(6月限) 99.70 (‐0.00)
独連邦債2年物(6月限) 110.41 (‐0.02)
独連邦債5年物(6月限) 125.45 (‐0.10)
独連邦債10年物(6月限) 143.70 (‐0.39)
独連邦債30年物(6月限) 129.42 (‐0.74)
現物利回り
独連邦債2年物 0.175 (0.169)
独連邦債5年物 0.605 (0.596)
独連邦債10年物 1.538 (1.514)
独連邦債30年物 2.411 (2.385)
<為替> ドルが小幅安となった。欧州が復活祭の連休から取引に戻ったが、欧州中央銀行(ECB)が追加緩和に踏み切るか不透明な中、狭い範囲の値動きとなった。3月の米中古住宅販売件数は市場予想を上回ったものの、前月からは微減という結果で、為替には影響しなかった。
ドル/円は、4月8日以来の高値となる102.73円をつけた後、横ばいの102.65円で取引された。ユーロはやや勢いが低下したが、依然としてドルと円に対しては強い。ユーロの対ドルは、2週間ぶりの安値となる1.3783ドルで取引されたが、その後は持ち直し、横ばいの水準となった。
ECBのドラギ総裁は最近、さらなるユーロ高は追加緩和に踏み切るきっかけになると明言しており、24日にはアムステルダムで講演する予定だ。ECBのクーレ専務理事も22日、ユーロ高が低インフレの要因である可能性があるとし、主要政策金利を現行の0.25%より下げる余地があると述べている。ただ、市場はECBが具体的な動きに出ない限りユーロが大幅に値下がりすることはないとみている。
23日発表のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値や、24日のドイツの景況感指数を控えて、投資家は様子見姿勢をとっている。
<株式> 復活祭の連休明けのロンドン株式市場は、FT100種総合株価指数<.FTSE>が0.9%(56.51ポイント)高の6681.76と約2週間ぶりの高値水準で取引を終えた。製薬会社の合併・買収(M&A)の話が相次いで表面化し、株価全体を押し上げた。
英製薬大手のアストラゼネカ<AZN.L>は4.7%高。取引量は90日間の平均の3倍以上となった。米国の同業大手ファイザー<PFE.N> が、600億ポンド(約1010億ドル)相当の買収案を提示したとの報道が材料視された。
英医薬品大手のグラクソ・スミスクライン<GSK.L>は、スイス製薬最大手ノバルティス<NOVN.VX>と事業交換などで合意したことを受け、5.2%高となった。同じく医薬品のシャイア<SHP.L>は事業拡大の観測から7.6%上昇した。
FT100種は1月下旬に2000年初め以来の高値水準となる6867をつけた。その後、新興国市場の低迷やウクライナをめぐる欧米とロシアの対立を背景に下落したが、持ち直してきている。
欧州株式市場は上昇して取引を終えた。製薬分野における企業の合併・買収(M&A)が表面化したことや、ユーロ圏の消費者信頼感指数が好調だったことが材料視された。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は、17.86ポイント(1.34%)高の1346.57で引けた。DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は43.88ポイント(1.39%)上昇の3199.69だった。
STOXX欧州600指数ヘルスケア株<.SXDP>は2.9%高。米医薬品大手のファイザー<PFE.N>が同業の英大手アストラゼネカ<AZN.L>に買収案を提示したとの見方が広まったことや、英医薬品のグラクソ・スミスクライン<GSK.L>とスイス製薬最大手ノバルティス<NOVN.VX>が事業交換で合意したことが支援材料となった。
アストラゼネカは、ファイザーが600億ポンド(約1010億ドル)相当の買収案を提示したとの報道が材料視され、ロンドン市場で4.7%上昇した。
事業交換が明らかになったグラクソ・スミスクラインは5.2%、ノバルティスは2.3%それぞれ上昇した。
一方で、四半期決算の営業利益が市場予想より悪かった家電大手のフィリップス<PHG.AS>は、4.7%の下落となった。
<ユーロ圏債券> ポルトガル国債利回りが8年ぶりの水準近くに低下。翌23日に行われる国債入札へ備える動きとなった。
ポルトガルは10年国債入札で7億5000万ユーロ(10億4000万ドル)相当を調達する見通し。国債入札は約3年ぶりで、国際機関からの支援脱却を来月に控え、自力の資金調達に弾みをつけたい構え。
マリオン・ストックブローカーズの首席エコノミスト、アラン・マケード氏は、ギリシャが4年ぶりに債券市場に復帰した時のように、今回も底堅い引き合いが見られるのではないかと述べた。
ポルトガルの10年国債利回りは3ベーシスポイント(bp)低下し3.72%。前週には8年ぶりの低水準となる3.66%をつけていた。
他の周辺国債利回りも低下。ギリシャの10年債利回りは10bp低下し5.98%と、4年ぶり低水準に迫った。
一方、10年物の独連邦債利回りは3bp上昇し1.54%。
ウクライナ情勢への不透明感が根強い一方で、欧州中央銀行(ECB)がデフレ対策として資産買い入れを開始するのではないかとの憶測を背景に、リスク資産が買われているという。
クーレECB専務理事は、仏紙ルモンドが22日掲載したインタビューの中で、主要政策金利は現行の0.25%よりも引き下げられる余地があり、ユーロ高で低水準なインフレ率が維持される可能性があると指摘した。
Pモルガン証券が22日公表した週間調査によると、米長期国債をベンチマークより少なく保有している(ショート)と回答した割合がベンチマークより多く保有している(ロング)との回答を23%ポイント上回った。前週の21ポイントから拡大し、その差は昨年5月28日以来の水準に拡大した。
米長期債をショートとしている割合は32%から34%に上昇した。一方、ロングとしている割合は2週連続で11%となった。
総額960億ドルの国債入札を控えていることに加え、ウクライナ問題をめぐる同国と米国、ロシア、欧州連合(EU)の4者会談で、暴力の即時停止を求める共同声明が採択されたことで、安全資産としての米国債の投資妙味が薄れたことが背景にある。
投機的取引を行う「アクティブ」顧客に絞った場合、長期債をロングとした割合はゼロ、ショートとした割合は54%に達し、その差は2013年2月13日以来の水準に拡大した。
JPモルガン証券は、米国債に投資している40─60の顧客(構成比率:ファンドマネジャー=60%、投機筋=25%、中銀・政府系ファンド=15%)を対象に毎週、保有状況を調査している。
中国証券監督管理委員会(CSRC)は22日、新たに18社の新規株式公開(IPO)仮目論見書をウェブサイトで公表した。
国泰君安証券、東方証券、東興証券などが含まれている。
IPO計画が明らかとなった企業数は過去4日間で64社となった。IPOの認可や時期については分かっていない。
中国政府はIPOを1年2カ月にわたって事実上凍結していたが、昨年末ごろから再び認可し始めた。その結果、1月と2月にはIPOラッシュとなったものの、証券監督管理委が引受業者に対して、申請書類を再度更新するよう命じたことを受けて、その後は途絶えている。
22日午前の米株式市場で、オンライン映像配信のネットフリックス<NFLX.O>株が寄り付き直後から買いが優勢となり、一時9%超上昇した。
同社は前日、市場予想を上回る第1・四半期決算とともに、新規顧客向けの月額料金値上げを発表。値上げによりコンテンツ拡充のための投資拡大が可能になり、海外でさらに顧客基盤を広げるとの見方が追い風になっている。
収益拡大への期待感から、証券会社9社以上がネットフリックスの目標株価を引き上げた。
レイモンド・ジェームズとキャンター・フィッツジェラルドは海外市場での成長見通しが力強いとして、ネットフリックス株の買いを推奨した。
米国におけるネットフリックスの月額料金は現在7.99ドル。エバーコア・パートナーズのアナリスト、アラン・グルド氏は最大9.99ドルまでは消費者の抵抗をさほど受けず値上げが可能と指摘する。
契約者数は世界全体で5000万人に近付いており、ネットフリックスは1─2ドルの値上げにより6億─12億ドルを確保できるという。
グルド氏は同社のコンテンツ向け投資額について、2014年は30億ドル程度、2016年までには50億ドルになると見込んでいる。
ネットフリックスによると、1─3月期に海外の契約者数はネットベースで72%急増した。
ネットフリックス株価は、直近では6.5%高で取引されている。
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