赤ちゃんの脳の成長に必要不可欠なのは「脂質」だった!

脳の約4割は脂質で出来ています。それ故、人間には良質の脂質が必要不可欠なのですが、特にそれを必要とするのは、脳が急成長する赤ちゃんの時だといわれています。不足すると脳に深刻な影響を及ぼすようです。

FC2USER085013EZY さん

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脳の約4割は脂質から出来ている

脳の構成成分の内、脂質は中央部で50数%、大脳新皮質では30%程度だとされています。

脳は脂肪でできています。脳の乾燥重量でいえば、多くが脂肪です。脳の乾燥重量の12%は、アラキドン酸という、ある特定の脂肪酸です

そのうちリン脂質は、大脳髄質で25%程度、大脳皮質では23%弱となっています。そしてDHAは、脳の中でリン脂質として存在しています

リン脂質は、ニューロンと呼ばれる脳細胞を取り巻く膜をつくる物質です。ニューロンは表面からシナプスと呼ばれる樹状突起を伸ばし、他のニューロンといわば手を結び合うことで情報ネットワークを形成します

▼その脂質が脳の機能維持に重要な役割を果たしている

何かと嫌われ者の脂質ですが、脳の機能維持に重要な役割を果たしているということが分かっています。

体に良いとされる魚のDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や神経伝達に深く関わっているらしく、アルツハイマー、アレルギーを改善する効果も期待されている

良質の脂質は、細胞にも脳にも大変重要な栄養素です。脳はホルモンの材料になったり、脳のエネルギーになったりもします。

ところが、脂質のとり過ぎは、心臓病は脳卒中、動脈硬化のリスクを高めるので、年をとったら良質の脂質を適量とることが大切です

▼特に乳児期には重要な栄養素

脳の成長著しい乳児期は特に重要な栄養素だということが分かっています。

DHAとARA(アラキドン酸)添加のミルクを与えた乳幼児は、無添加のベビーミルクやDHA添加のミルクを与えた乳幼児よりも精神が発達していることが認められ、発達指標は全米の平均よりも高いことが分かりました

また、米国の臨床栄養学の専門家スーザン・カールソン博士など多くの研究でも、ARA(アラキドン酸)を摂取することによって赤ちゃんの精神面での成長、学習・記憶能力の向上が期待できるということが判明

FDA(米国食品医薬品局)が乳児に対する安全性を認めたこともあり、アメリカではARA(アラキドン酸)配合のベビーミルクがスタンダードになりつつあります

▼お母さんの極端なダイエットなどで、母乳中に含まれる脂質の割合が少なぎると・・・

母乳を与えている時は、あまりストイックなダイエットをしないほうがいいとされています。

理由は、母乳に含まれる栄養素が減少してしまうからです。

脳細胞が形成される時期に母親から送られる栄養分にDHAが少ないと発育不全になるといわれます。

出典 日水

また、脳リン脂質にDHAが十分に蓄積する以前に生まれた早産の乳児には視覚異常などが認められ、しかしDHAの投与で回復することも知られています

出典 日水

脳細胞の成長は18~20歳で停止するとされますが、シナプスネットワークはその後も学習や経験を刺激に広がり続けることができるので、DHAは生涯にわたって必要な栄養素であるといえます。

出典 日水

▼良質な脂質である「DHA」の効果

特に良質な脂質であるDHAは重要だとされています。そのDHAの効果についてご紹介します。

低体重出生児における生後の視覚的注意力の向上。統合運動障害の小児における運動障害の改善

失読症(読書障害)の小児における夜間視力の向上。妊娠中の摂取による早産の減少

妊娠中の摂取による、子供の視覚と手の協調関係の向上。これらは現在研究段階であり、はっきりした事は言えませんが、DHAの効果は期待できると考えられています。

▼その他、DHAの効果

青み魚に含まれているDHAは様々な可能性を秘めています。

原発性胆管炎患者において、DHAを1日2回、計800mg 12ヵ月間摂取させたところ、血中DHA濃度が1.7倍に上昇し、胆管炎の指標となるアルカリホスファターゼが大幅に減少した

DHAを摂取すると、apoE4の働きを抑制することで、DHAには認知機能や痴ほう症予防の効果が期待されています。

白血球細胞では炎症関連物質のNF-κB が活性化されることで炎症が生じるが、DHA及びプロシアニジンを摂取すると、NF-κB の活性化を抑制し、抗炎症作用を持つことが示唆されている

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