ラウンドアップが危険って本当?除草剤に関する正しい情報をまとめました

世界中で広く使われているラウンドアップ。農業でも大活躍していて、雑草をピンポイントで枯らすことが出来る優れものです。その一方で風評被害に悩まされていることも事実で、怪しい論文が拡散されてしまうこともあります。

ふぇふww さん

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ラウンドアップ(グリホサート)に関するリスク評価は世界各国で行なわれており、日本の食品安全委員会、Efsa(欧州食品安全機関)、FAO&WHO(世界食糧機関と世界保健機関)、ECHA(欧州科学機関)、EPA(米国環境保護庁)、カナダ保健省、豪州農薬・動物医薬品局等々で「発ガン性はない。安全に使用できる」という結論が出ている。

 ひとことでいえば「ラウンドアップは安全に使用できる農薬」だと世界中で認められている。

また、農薬のリスクと遺伝子組み換え作物に対する評価とは、異なる次元の問題なので、両者は分けて考えるべきであろう。いっしょにして「すべて農薬会社が悪い」という軽はずみな判断をすべきではない。思想信条と科学的評価を混同してはならない。

ラウンドアップの受けている風評被害

発売されてから約20年間、ラウンドアップは広く使われ、その安全性について特段の議論はなかった。しかしその後、ラウンドアップの運命は大きく変わり、一部の人たちから毛嫌いされるようになった。そのきっかけは1996年に始まった遺伝子組換え(GM)作物の商業栽培だった。

ラウンドアップに対する耐性を持った遺伝子組み換え食物を生産したことで、販売元のモンサント社のイメージは悪化してしまいます。

そもそも「遺伝子は神の領域であり、人間がこれに手を付けることは許されない」という神学的な反対や、「自然ではない遺伝子が入っているものなんか食べたくない」という感情的な反対である。これが世界的な運動に広がったきっかけは、企業の間違いにより起こったスターリンク事件だった。

健康被害に関する話題とは別に「そもそも遺伝子を組み替えること自体が人間のすべきことじゃない」と考える人達も一定数存在しているようです。

安全性が高く、有用な除草剤として古くから世界中で使用されているラウンドアップが危険な農薬であるかのような風評被害に遭っている。不正確な論文や恐怖をあおる映画が作られ、非科学的な風評が拡散し、それが裁判にまで影響し、ラウンドアップを必要としている農業者に不安が広がっている。このような事態になった原因は、ラウンドアップが遺伝子組換え(GM)反対の道具に使われたことである。

映画や本など大規模なマーケティングを行い、ラウンドアップを攻撃している勢力がいます。

モンサント社とは

モンサント(英語: Monsanto Company)は、かつて存在した、アメリカのミズーリ州 クレーブクール[3]に本社のあった多国籍バイオ化学メーカー。2018年6月、バイエルによる買収・吸収が完了し、モンサントの企業名は消滅した[4]。

ラウンドアップの有効成分であるグリホサートは、すでに特許が失効しているため、『グリホ○○』といったセカンドソースが世界各国で生産され、日本にも輸入され、販売されている[5]。

同社を有名にした商品の一つはポリ塩化ビフェニルであり、アロクロールの商品名で独占的に製造販売した。日本では、三菱化成(現三菱化学)との合弁子会社であった三菱モンサント化成(現在は三菱樹脂へ統合)がポリ塩化ビフェニル製造メーカーの一つであった。

2005年の売上高は62億ドル、2008年の売上高は110億ドル、遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは90%であった。研究費などでロックフェラー財団の援助を受けていた。バイオ化学メーカーとしては世界屈指の規模と成長性を誇り、ビジネスウィーク誌が選ぶ2008年の世界で最も影響力がある10社にも選ばれた。

アメリカの大企業モンサント社は現在は存在していませんが、以前から陰謀論者たちに取り上げられる企業でもありました。

中には「世界中の植物を牛耳っている」とまで唱える人もいて、その思想が拡散されてしまっている状況です。

悪評を広めるセラリーニ教授

フランスのセラリーニ氏らが、2012年に発表した「2年間のラットの実験で、ラウンドアップ耐性トウモロコシ(遺伝子組み換え作物)とラウンドアップという農薬によって、発ガン性個体が増えた」というもの。今でも、遺伝子組み換え作物とラウンドアップの危険性を示す証拠であると、そのことを主張する人たちの間で引用される論文だ。

論文が雑誌に投稿されたあと、「実験に使ったラットは腫瘍ができやすい系統なので、材料として不適切」「個体数が少なく、対照が不十分」などの批判が上がった。Efsaなどから「実験がずさん」「この実験結果からは悪影響があるともないともいえない」「正しい方法でやり直すべき」と指摘され、論文を掲載した雑誌は、2013年にこの論文の掲載を撤回した(ただし、最近、他の雑誌からほぼ同じ内容で再出版され、同じ主張を繰り返している)。

たとえば「1」には、飲酒・加工肉・ピロリ菌・放射線・太陽光・喫煙・塗装業など(約120種)が含まれているが、「お酒を飲んだりソーセージを食べたりするとガンになりやすい」ということではない。「お酒を飲んだりソーセージを食べたりすることが『発ガンと関係がある』という研究論文がこれだけたくさんあるのだから、『関係がある』ということだけはまず間違いないだろう」というのが「1」。

どれも「ラウンドアップや熱い飲み物には発ガン性があるという論文がそこそこあるから『これらには発ガン性がある』といってもおそらく間違いないだろう」という意味になる。何回摂取すればあるいはどの程度の量(濃度)を摂取すればガンになるという概念は示されてない。

 専門家以外にはものすごくわかりにくい。

専門家には通用しない内容でも、何も知らない一般人にとっては信憑性が高い文書となることもあり得ます。セラリーニ教授は特に良い例で、結果ありきの実験を信じる人も出てきてしまったのです。

少し調べれば他の科学者たちからの指摘が相次ぐ論文だということは分かりますが、SNSの力で拡散されてしまっています。

ラウンドアップを巡って裁判も起きている

この裁判は「ラウンドアップに発ガン性があるかないか」を争った裁判ではない(無関係ではないが)。「ラウンドアップとガンとの関係を、モンサント社が隠していたことはけしからん」「隠していたことによって、農薬を使用した人がガンになった可能性を否定できない」「隠して販売したことによって、モンサント社が莫大な利益を得たことは許されない」ということを、原告側が主張して、その主張を陪審が認めた結果、モンサント社に莫大な支払い命令が出たのである。

この裁判の原告側弁護士の一人・リッツバーグ氏はとても優秀な弁護士で、「発ガン性商品の不法行為を問う訴訟」を専門としている。上に紹介したIARCによるグリホサートの分類を報道で知り、モンサント社を相手に訴訟を起こすことを決め、原告の一般公募を開始した、といういきさつがある。

 裁判の結果は厳正に受け止めるべきだが、「ラウンドアップに発ガン性がある」とか、「健康を害する農薬である」とかの結論が出たのではない。モンサント社は陪審の判断を不服として控訴している。

 じつはアメリカでは、ラウンドアップに関連する裁判がいくつも行なわれている。モンサント社に賠償を求める訴訟も次々と起こされているし、反対に、農業者が「カリフォルニア州が『ラウンドアップに発ガン性の表示義務を課した』ことを不法行為として、その差し止めを求める」裁判も起こされている。

「グリホサートが実際にはガンを引き起こすことがないという科学的エビデンスの重さを考慮すると、義務づけられている表示は事実上不正確であり、誤解を招くものである」として、農業者側が勝訴している。モンサント社が莫大な賠償金を支払わされる判決も厳正な事実であるとすれば、グリホサートがガンを引き起こさないという判断もまた厳正な事実である。そういう意味で「コトはそう単純ではない」のだ。

ラウンドアップが裁判に負けたという話だけが大きくなり、取り上げられていますが、実はラウンドアップ側が勝訴している裁判もあります。

この裁判によっては発がん性の低さが認められており、ラウンドアップの安全性を証明した結果ともなりました。