食事療法とは、食事の内容や摂取成分、カロリー、量などを調整して、病気の予防や改善を図る方法です。 どのような食事内容になるかは、対象の病気によって異なりますし、まだ病気になっていない人でも、内臓の負担を軽くしたり血圧の上昇を抑えたり、カロリーの摂り過ぎを控えることで生活習慣病などの予防をすることができます。
また、すでに病気になっている人でも、薬物療法やほかの治療法などと併せて食事療法を行うことにより、病気の進行を遅くしたり改善することにつながります。
食事療法とは、食事の内容を改善することによって病気の改善を目指す方法のこと。もちろん病気にかかっていない人でも、病気の予防という面では食事療法は非常に重要です。
今からでも病気にかかりにくい体を作るためには、食事療法を生活に取り入れてみるといいかもしれませんね。
食事療法は大事です。毎日のことだからです。単に「食事療法」といっても、
その内容は病気の種類によって異なります。
まず最初に、あなたに必要な食事療法をしっかり理解しておきましょう。
①食習慣が関係している病気の食事療法
食事の量や栄養バランスの乱れが病気に関係している肥満症、糖尿病、高血圧、
脂質異常症(高脂血症)、骨粗しょう症などは、食事療法が重要です。この場合の食事療法は「本来あるべき姿の食習慣に戻す」ことが大原則。
つまり、病気でない人も含めてだれもが実践すべき「健康的な食習慣=健康食」にすることです。それを実践するだけで、病状がかなりよくなることも少なくありません。
食事を意識することことによって、かかってしまった病気の症状がかなり良くなる可能性があります。
では、食事療法はどのような病気に用いられているのでしょうか?1つずつみていきましょう。
糖尿病の場合、とくに避けるべき食品というのはありません。糖質、たんぱく質、脂肪をバランスよくとることが基本です。食品交換表などを利用して、食品について正確な知識を持つことが欠かせません。
知っておいてほしいのは、同じエネルギー量の食事でも、摂取回数の多い方が血糖の変動は少なくなることです。食事を抜いて、一度にたくさん摂取するよりは、三度の食事を規則正しく、適量食べる方が血糖を含め体の状態は安定するからです。
出典 国立循環器病研究センター
糖尿病の場合、特に注意すべき食品はありません。糖質、タンパク質、脂肪など必要な栄養素をまんべんなく摂取することが基本。
1度の食事で大量に摂取するのは非常に危険ですが、摂取回数を細かく分けて少しずつ摂取する方が、血糖の変動が少なくなります。
高脂血症、とりわけコレステロールの高い人は、コレステロールの摂取制限と脂肪酸の摂取に気をつけなければいけません。コレステロールの摂取量を1日300mg以下に制限するよう心がけてください。
この量は鶏卵1個に含まれる量に相当します。バター、チーズ、レバーなど動物性食品にもコレステロールが多く含まれており、これらの食品を極力避けることが必要になります。
しかも、加工された食品には卵や乳製品が含まれることが多く、知らず知らずのうちに過剰なコレステロールを摂取してしまっていることもあります。
どの食品にコレステロールがどれくらい含まれているかを知っておくこともきわめて大事です。
出典 国立循環器病研究センター
コレステロールが極端に高いことによって発症する高脂血症。チーズ、レバーなどといった動物性食品にコレステロールが多く含まれているので、こうした食品を極力避けた食事療法となります。
しかし加工食品にもコレステロールが多く含まれているため、食品表示をしっかりチェックすることが大切です。
高血圧の食事療法は、エネルギーや食塩の過剰摂取に注意し、栄養のバランスのとれた食事をすることが大切です。
肥満は血圧の上昇に影響します。菓子及び嗜好飲料などの糖分や、揚げ物・調理油などの油脂のとり過ぎによるエネルギーの過剰摂取に注意して、適正体重を維持しましょう。
また、早食いはエネルギーのとり過ぎにつながります。よく噛んでゆっくり食べるよう心がけましょう。
食塩のとり過ぎは、血圧を上げる大きな要因です。献立・調理法・食品の選び方を工夫し、減塩を心がけましょう。加工食品に含まれる食塩も合わせて一日に6g未満とします。
出典 東京都病院経営本部
高血圧の方には、血圧上昇の原因となる塩分を控えた食事療法がとられます。しょうゆ、みそ、食塩などといった調味料からの摂取による発症が殆どなので、薄味の料理で構成されるのが特徴です。
腎機能を守るための食事の基本は、腎臓の負担となる成分を適切に制限することにあります。
腎臓病の食事療法は、「制限しなければならない成分がたくさんある…」というイメージが強いのでは?ダイエットの食事制限のように、摂取カロリーを減らせばよいという単純なものではありません。
たんぱく質などの成分が○○gと、各成分を制限することが不可欠なのです。栄養成分や含まれている食材に関する知識も必須。1食あたりどのくらい摂取して良いのか、そのために食材をどのくらい使うのか、細かく計算する必要があります。
特に注意すべきなのは、たんぱく質と塩分、カリウムです。たんぱく質は、余分に摂取し過ぎると血液中に老廃物を増やしてしまい、体外へと排出するために腎臓が過剰に働いて負担となります。
塩分やカリウムも同様に、腎臓の機能低下の原因となってしまいますので、摂取を控える必要があるのです。
ただし、腎機能がどの程度まで低下しているかによって摂取量の制限も変わってきます。医師の診断や管理栄養士の指導に従って、栄養調整を行うようにしましょう。
同誌の編集局次長を務めるAngela Haupt氏は、地中海食について「おいしく、実用的かつ栄養に富んでおり、心疾患や糖尿病などの慢性疾患の予防や管理にも有用性が高いことが研究で示されている」とコメントしている。
一方で、ランキングでは厳しい制限を必要とする食事療法は避けるべきとされ、最近話題のケトン体ダイエット(Keto Diet)は最下位に位置づけられた。身体は糖質の供給がないと脂肪を燃焼させてエネルギー源として使うようになる。その際には肝臓で脂肪が分解されてケトン体が生成され、血流により身体の隅々に運ばれてエネルギー源として使われる。ケトン体ダイエットは糖質制限ダイエットの極端な形であり、糖質(食物繊維以外の炭水化物)を極めて厳しく制限してエネルギー源としてのケトン体を生成し、体脂肪を燃やすように仕向ける方法だ。Haupt氏は「専門家によれば、炭水化物の摂取を極端に制限する必要はなく、厳しい制限は長続きしないと評価された」と述べている。
出典 糖尿病ネットワーク
地中海食と、糖尿病や高血圧予防のための食事療法「DASH法」がダイエットにも効果的なことが明らかに。
厳しい糖質制限は、栄養失調の原因に。
ダイエットの継続が難しいだけでなく、美しいプロポーションづくりにも向かないそうです。
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