フグ田マスオ
サザエの夫でタラオの父。
波平とフネの娘婿で、さらにカツオとワカメの義兄(姉婿)
ノリスケの義いとこ、海平・なぎえ・鯛造の姪婿、サケオの弟でノリオの叔父。
年齢は28歳。大阪府出身で、早稲田大学を卒業し、海山商事営業課に勤務しています。会社でいちばん仲がいいのは穴子さん。
生真面目でおひとよしな性格により、損な役回りになってしまうこともありますが、家族に囲まれて日々、幸せに暮らしています。ちなみに、サザエをとっても美人だと思っています。
趣昧はゴルフ、マージャン、絵を描くこと、バイオリンです。
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/sazaesan/sazaesan_cast.html
※原作では、誕生年は1917年(大正6年)32歳
髪型はオールバックで、メガネをかけている。
実家は大阪で、住吉区出身。住吉大社にほど近い古い住宅街にあり、そばを阪堺電気軌道の路面電車が通っている。
帰省のエピソードが一度だけある。
普段の会話では大阪弁は使わないが、原作に時々出てくる母親は大阪弁を話す。
父親はすでに死去しているが、マスオの幼少期に遊園地に行った回想シーンで登場している
友人は、同僚兼親友兼悪友の穴子と義理の従兄弟兼名コンビの波野ノリスケである。
二人とはそれぞれ、仕事帰りなどによく飲みに行く。
子供の頃、学校の美人の先生や近所に住んでいる品のよい女性に憧れていた。
波平とフネではマスオへの言葉遣いが異なる
波平は「マスオくん」
フネは「マスオさん」
他者からの呼ばれ方については、ノリスケ・サザエ・タイコが
「マスオさん」、カツオ・ワカメが「マスオ兄さん」、タラオが「パパ」、
ノリオが「マスオ叔父」、穴子や上司が「フグ田君」となっている。
サザエは稀に「あなた」と呼ぶことがある。
原作では2巻でサザエと結婚。公開見合スピード結婚であり「サザエの全てに惚れ込んで」と理由を挙げていた(また、サザエに初めて会ったときは「なんて髪が綺麗な女性なんだ」と思ったようである)。結婚当初はサザエとタラオとのフグ田家3人で磯野家の近所にある借家に住んでいた。しかし、マスオが家の囲い(木製)を勝手にのこぎりで切って薪(まき)にしようとしたのが原因で、大家とケンカして追い出されたため磯野家と同居することになり現在に至る。
マスオは婿養子ではなく、サザエ、タラオ共にフグ田姓を名乗っており、フグ田家として磯野家に同居している形である(二世代住宅)。ただし、マスオの「周りに気を遣う優しい性格」も相まって、アニメの視聴者などからは、「マスオは婿養子」のように思われることもある。
なお、妻の家族と同居している男性を「マスオさん」と呼ぶが、語源はフグ田マスオからきている。バブル期には「マスオさん現象」という言葉まで生まれた(「知恵蔵2007年版」)。
基本的にはいい兄貴分であるのでカツオとワカメに慕われている。アニメ版の性格は、生真面目で不器用。
気弱でかなりの心配性であり、いつも周囲に気を遣っており、優しくお人好しである。お人好しすぎて、損をすることが多い。また、人に頼まれたことはイヤと言えない性格ゆえ、サザエや子供達、あるいはノリスケからも物事を頼まれたり、相談を持ち掛けられたりするケースも少なくない。非常にゴマすりな性格でもある。ただし、八百屋で言葉巧みにバナナを半値以下に値切ったと言うしたたかな面も持つ。
原作ではサザエを怒鳴りつけたり波平にイタズラを仕組んでほくそえむなど、アニメ版にはない人間臭い一面も描かれている。
前述の通り嫁家族と同居していることもあり、アニメ版ではマスオが家族に怒ったり、強く意見を言ったりすることはあまりない。また、アニメ放映開始当初のマスオは、主に敬語で話していた。その後も、波平やフネ、およびごく親しい人であっても目上の人間には基本的に敬語である。
ただし、原作では磯野家に対して主張したり、カツオのいたずらに怒ったりする時もある。
サザエの背中をくすぐったり、マージャンをしているのに「雨宿りしてるよ」と嘘をつくこともある。
隠し下手である。サザエの本の中にへそくりを隠すが、サザエにみつかってしまう
「今カイシャにいる」と家に電話をかけて会社で残業したふりをして「怪車(カイシャ)」という名のバーあるいはスナックで飲んでいたことがあるが、サザエに既に退社していることを見抜かれてしまった
。
うまい言い訳を思いついても、すぐ妻にばれてしまう(穴子も同様)。
頭の中で思っていることや考えていることが顔にすぐ出る。
前述のような周りに気を遣う優しい性格の割には、本人に悪気はないがとんだ失言を放つことも何度かある。
波平が考えた句を「どう考えても入選するような句じゃない」と言ったり、サザエに絵のモデルを頼んだ時「野菜を描こうと思ったけど、野菜だと高くつくから」と言うなどそれぞれ怒らせたことがある。
また、かつての友人にワカメを「妹の子供です」と紹介したせいで、ワカメに「私はうちの子じゃないのでは?」と悩ませてしまったことがある。
ゴルフ(あまりうまくない)・麻雀・飲酒・絵を描くこと。
バイオリン…本人は、自分ではうまいと思っているが、実はすこぶる下手(サザエ曰く「ガラスを釘で引っ掻いたような音」)。まれに家族全員を集めて演奏会を開くが、演奏し始めると家族はおろかタマまでも逃げ出すほど聞くに堪えない。
パチンコ…アニメ版・原作共に描かれている。
競馬…原作では、夢中になってサザエを怒らせたことがある。
まんじゅうの中身を食べずに当てること(粒餡かこし餡か白餡かなど)。
贈り物を振っただけで中身を当てることができる。そのため、オイルショックの頃に買い占めと売り惜しみが横行したことにより、倉庫の中身を当ててくれと頼まれたことがある。
体力に自信がある。
体が普通でないほど柔らかく、ホットケーキをひっくり返すと同時に「ヤーッ」っと叫んで宙返りするなど驚異的な身体能力を披露している。
肩車をしながら走り回って子供を喜ばすことが得意である。
サザエよりも裁縫がうまいという一面もある。マスオの縫った雑巾を見たフネが「サザエがいい人と結ばれた」と嬉しがるほどの腕前。これは、子供の時にイタズラをすると、母から罰としてよく雑巾を縫わされたため。
結婚後に波平の影響で相撲好きになった。
読書…これも物凄く大好きで、一度読み出すと周りが見えなくなり、声をかけられても碌に聞いておらず、空返事をして、後で大慌てをする破目になる。大量の本を読み、サザエから「そんなに読んだら体の毒よ」と言われた。
またテレビを見ている時などでも同様の仕草をすることがあり、これも後にとんでもない目に遭ったりする。食事をとりながら新聞を読むのに夢中になってサザエの話を聞かず、テーブルを移動させられることもある。
機械いじり…車のワイパーを見て「自動大根おろし機」を発明したり、家のテレビの修理までしていた(横に倒したまま映ってしまったのがオチ)。押し売りを撃退する仕掛けも発明したが、すぐに故障してしまった。
ガーデニング…こちらは腕が良く、その出来栄えは見事なものである。しかし、植えた植物の周りに置く石が無く、代わりにビール瓶を逆さにして並べるが、そのことがビールを大量に飲む口実となり、結局いいことは無い。
原作や、かつてはアニメにおいても、タバコを吸っていた。
ネズミを見て大の男が「キャッ!」と悲鳴をあげ、座布団をかぶって震えるシーンがある。
子供の頃、馬に蹴飛ばされたことがあるため、乗馬が嫌いである。
子供のときから帽子が嫌いと言っている。
年上の女性の相手をするのが苦手。
手先は不器用らしく、裏口の木戸や棚を修理してもすぐに壊れてしまう。その為サザエがマスオ本人のいない時に、こっそり棟梁を呼んで再度修理した。柱に釘を打ちつけようとして金槌で手を打って、時計が下に落ちて足に当たり、手と足を怪我した[112]。バイオリン同様日曜大工に関しても、自分が下手であるということを全く自覚していない。
上記のように身体能力の高さをうかがえるものの、いわゆるカナヅチで全く泳げない。原作では川に入っている自殺志願者を助けようとして自分が溺れ、逆に自殺志願者に助けられるというエピソードもある。
通勤手段はバスと電車で、会社から帰る時は電車に乗って駅から歩いて帰る。
電車通勤が辛いことからバイク通勤しようと言い出したことがある。
大型二輪免許を取得するつもりだったようで、まずは原付から始めて、三郎が手配した配達用のバイクに乗ったことがある。そんなある日、時間が経っても中々マスオが帰って来なかったため家族、特にサザエは激昂するほど心配した。しかし、帰宅したマスオが「気持ち良かったんでつい会社近くまで行ってみたが、道のりが思ったよりも遠く、これを毎日続けるのが辛い」という理由でバイク通勤を断念した。
一方、サザエは事故を心配し、当初からバイク通勤には大反対だった。
一家の中で唯一普通自動車の運転免許を持っているが、磯野家の敷地が狭いため車を買えず、家族旅行の際に時々レンタカーを借りるか、借りられないときは通勤の時と同じく電車とバスを利用することと決まっている。
アニメでの口癖は、驚く時によく使われる「エェーッ?!」である。特に派手に驚くときは「最初の「エ」を低音で発し、瞬時に高音で「ェーッ」と伸ばす」というもの。同時に「閉じた手のひらを下に向けた状態で腰あたりまで左右に両手を伸ばし、体を若干くの字に曲げるようなポーズ」が印象的で、芸人に物真似されることもある。
給料は低いと思われており、「ボーナスが出たらなにがほしい?」とカツオとワカメに聞いた際、カツオは「消しゴム」ワカメは「風船ガム」と答えている。それに対しマスオは「見くびるな、もっと出るぞ!!」と怒鳴っている。また、マスオはベンチで隣に座っていた男に「(給料は)手取り34,000円、楽じゃない」と話している。「磯野家の謎」によれば、掲載当時(1965年)でも「薄給」とされた。同時期の波平の給料は税込みで7万円[117]と「高給取り」とされた。
小説執筆に挑戦したことがあるが、失敗ばかりで結局原稿用紙1枚分も書けなかった。
学生時代に友人に誘われ「怪盗風神丸(かいとうふうじんまる)」という時代劇映画のエキストラを演じたことがある(しかも監督に気に入られ、捕り方の前方になった)が、腕時計をしていたためマスオの出演シーンはカットされた。
現在、マスオが出た映画はこれのみである。
『サザエさん30年後』では頭髪がすっかり白髪になっている。
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