【般若心経】意味と読み方 - ポイントをおさえて写経や読経をより有意義に!(四苦八苦の解説つき)

般若心経は『大般若経』600巻・約300万文字の経典を276文字に凝縮した智慧の真髄。孫悟空の『西遊記』に登場する三蔵法師の訳が有名です。お経の意味を知れば、読経や写経の効果が一層高まります。ストレスの多い現代社会、仏教の知恵を活用して煩悩による悩みや苦しみの軽減に役立てましょう。四苦八苦の解説つき。

kabusake さん

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【注】このまとめは作成者の個人用ブックマークです。記載情報は誤記・誤訳などを含む場合があります。また、まとめの中には作成者の個人的な意見等が含まれます。

般若心経|全文

【摩訶般若波羅蜜多心経】
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受・想・行・識亦復如是。舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。是故空中、無色、無受・想・行・識、無眼・耳・鼻・舌・身・意、無色・声・香・味・触・法。無眼界、乃至、無意識界。無無明、亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。無苦・集・滅・道。無智亦無得。以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。故知、般若波羅蜜多、是大神咒、是大明咒、是無上咒、是無等等咒、能除一切苦、真実不虚。故説、般若波羅蜜多咒。即説咒曰、羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶。般若心経

般若心経|読み仮名と意味

摩訶 般若 波羅蜜多 心経(まか はんにゃ はらみった しんぎょう)

偉大なる"悟りを開く智慧"の真髄

※摩訶=偉大なる
※般若=智慧
※波羅蜜多=悟りを開く、彼岸に至る
※心経=真髄

観自在菩薩 行深 般若 波羅蜜多 時、(かんじさいぼさつ ぎょうじん はんにゃ はらみった じ、)

観音様は、悟りを開くための修行を究められて、

※観自在菩薩=観音様。悟りを開いた明慧自在(みょうえじざい)の仏さま

照見 五蘊 皆空、(しょうけん ごうん かいくう、)

五蘊(形あるものと精神活動のすべて)は「空(くう)」であることを悟られ、

※五蘊=色(形あるもの)・受・想・行・識(精神活動)

度 一切 苦厄。(ど いっさい くやく。)

一切の苦しみから逃れられる道を示されました。

舎利子。色 不異 空、空 不異 色、色 即是 空、空 即是 色。(しゃりし。しき ふい くう、くう ふい しき。しき そくぜ くう、くう そくぜ しき)。

舎利子よ。形あるものはすべて「空」であり、「空」が形あるものの真の姿です。

※舎利子=お釈迦様の十大弟子のひとり(般若心経は、彼への呼び掛け)
※A不異B=AはBと異ならない
※A即是B=AはBである

受・想・行・識 亦復如是。(じゅ・そう・ぎょう・しき やくぶにょぜ。)

精神活動も、また同じ(く、実体は「空」)です。

※受=心が感受すること
※想=思いをめぐらすこと
※行=意志を持つこと
※識=認識・識別すること

舎利子。是 諸法 空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。(しゃりし。ぜ しょほう くうそう、ふしょうふめつ、ふくふじょう、ふぞうふげん。)

舎利子よ。この世にあるすべてのものの実体は「空」です。
生じることもなく滅することもなく、
汚れもせず清らかにもならず、
増えることもなく減ることもありません。

是故空中、無 色、無 受・想・行・識、(ぜこくうちゅう、む しき、む じゅ・そう・ぎょう・しき、)

故に、「空」が実体のこの世には、形あるものも、精神活動もありません。

無 眼・耳・鼻・舌・身・意、無 色・声・香・味・触・法。(む げん・に・び・ぜっ・しん・に。む しき・しょう・こう・み・そく・ほう。)

目も耳も鼻も舌も身体も精神もなく、(目から見える)形も(耳から聞こえる)声も(鼻で感じる)香りも(舌で感じる)味も(身体が感じる)触感も(精神が)感じ取ることもありません。

無 眼界、乃至、無 意識界。(む げんかい、ないし、む いしきかい。)

目に見える世界も、目に見えない意識の世界もありません。

無 無明、亦 無 無明 尽、乃至、無 老死、亦 無 老死 尽。(む むみょう、やく む むみょう じん、ないし、む ろうし、やく む ろうし じん。)

この世に無明はなく、無明が尽きることはありません
また、老死もなく、老死が尽きることもありません。

※無明=悟りを開いていないこと

無 苦・集・滅・道。無 智 亦 無 得。(む く・しゅう・めつ・どう。む ち やく む とく。)

苦しみも、苦しみの原因も、苦しみがなくなることも、苦しみをなくす道もありません。
また、教えを知ることもなく、悟りを得ることもありません。

以 無所得 故、菩提薩埵、依 般若 波羅蜜多 故、(い むしょとく こ、ぼだいさった、え はんにゃ はらみった こ、)

よって何も得ることがないため、菩薩(ぼさつ)さまは悟りを開いたが故に、

心 無罣礙、無罣礙 故、無有恐怖、遠離一切 顛倒夢想、究竟涅槃。
(しん むけいげ、むけいげ こ、むうくふ、おんりいっさい てんとうむそう、くぎょうねはん。)

心に障りがなく、心に障りがないから、恐怖を感じず、一切の迷いから離れて、安らぎの極致へと
到りました。

三世 諸仏、依 般若 波羅蜜多 故、得 阿耨多羅 三藐 三菩提。(さんぜ しょぶつ、え はんにゃ はらみった こ、とく あのくたら さんみゃく さんぼだい。)

三世の仏さまも、このような智慧によって、完全なる悟りを開かれました。

※三世=過去・現在・未来
※阿耨多羅三藐三菩提=サンスクリット語の「アヌッタラ・サムヤック・サンボーディ」を漢字で表したもの。完全な悟りを開いた状態

故知、般若 波羅蜜多、是 大神 咒、是 大明 咒、是 無上 咒、是 無等等 咒、能除 一切苦、真実不虚。(こち、はんにゃ はらみった、ぜ だいじん しゅ、ぜ だいみょう しゅ、ぜ むじょう しゅ、ぜ むとうどう しゅ、のうじょ いっさいく、しんじつふこ。)

故に、悟りを開く智慧は、霊力のある咒文であり、明らかなる咒文であり、この上ない咒文であり、他に並ぶものがない咒文であり、一切の苦しみを取り除き、真実にして虚しいところがありません。

故説、般若 波羅蜜多 咒。即 説咒 曰、羯諦 羯諦 波羅 羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶。般若心経(こせつ、はんにゃ はらみった しゅ。そく せつしゅ わつ、ぎゃてい ぎゃてい はら ぎゃてい、はらそう ぎゃてい、ぼじそわか。はんにゃしんぎょう。

悟りを開く智慧の咒文を説きましょう。その咒文いわく、「行こう、行こう、悟りの世界へ行こう。みんなで一緒に悟りの世界へ行きましょう。」以上が、"悟りを開く智慧"の真髄です。
※羯諦 ~ 菩提薩婆訶=「ガテー、ガテー、パーラガテー、パーラサンガテー、ボーディ、スヴァーハーガテー、ガテー、パーラガテー、パーラサンガテー、ボーディ、スヴァーハーガテー、ガテー、パーラガテー、パーラサンガテー、ボーディ、スヴァーハー」を感じで表したもの。

般若心経|ポイント

『般若心経』は究極のエッセンス

般若心経は、『大般若経』という600巻の経典(約300万文字)の内容を、わずか276文字に凝縮したものです(孫悟空で有名な『西遊記』に登場する「三蔵法師(玄奘三蔵)」が訳したものが有名です)。文字数がおよそ1万分の1まで削減されているということは、それだけ大事なこと”だけ”が『般若心経』の中に残されていると考えられます。

この世のすべてのものの実体は「空」

それだけ文字数が制限されている中で、お弟子さんに対する単なる呼びかけ(舎利子)が2回も出てきます。この舎利子に続く言葉は、特に重要なエッセンスであると推察されます。

「舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受・想・行・識亦復如是。」
「舎利子。是 諸法 空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。」

ともに、この世のすべてのものの実体は「空」であることが説かれています。

個人的に「色即是空=形あるものはすべて空である」という言葉は以前から知っていましたが、「精神活動を含むすべてが空」であることは理解していませんでした。

『般若心経』は究極のエッセンスですが、その肝は「五蘊皆空」であり、経文のほとんどの部分において「空であること」の大切さや具体例が述べられています。

”意味を理解して”唱えるから意味がある。

人間として生きている以上、様々な煩悩や執着にとらわれて苦しむことが避けられませんが、そのような状態の心を空にするためのテクニックのひとつとして、『般若心経』を唱えることが有効だと思われます。少なくとも、読経に専念している間は、現実世界の問題から離れられます(痛みなどの身体的な苦痛が極限まで酷い時は困難な時もありますが・・・)。

経文の意味を知らずに読経をしていた頃は、文言を忘れたり、途中で飽きたりすることが多々ありました。
意味を理解した後は、より読経に集中できるようになり、「空」の状態に一層近づけるようになったと実感しています。

【参考】四苦八苦

「四苦八苦(しくはっく)」は、人間のあらゆる苦しみを表した仏教用語です。
『存覚法語(ぞんかくほうご。南北朝時代の仏教書)』に、「三界六道みなこれ苦なれども、四苦八苦はことに人間にあり」との記述があります。

『般若心経』の中に「五蘊皆空」という言葉がでてきますが、四苦八苦の中にも、五蘊という言葉を含む「五蘊盛苦」という苦しみが登場します。

四苦

■生
生きる苦しみ

■老
老いる苦しみ

■病
病気の苦しみ

■死
死の苦しみ

その他の四苦(あわせて八苦)

■愛別離苦(あいべつりく)
愛する者と離れ離れになる苦しみ

■怨憎会苦(おんぞうえく)
怨み憎んでいる者と共にいる苦しみ

■求不得苦(ぐふとくく)
求めるものが得られない苦しみ

■五蘊盛苦(ごうんじょうく)
五蘊(※)が思うがままにならない苦しみ
(※)五蘊=色・受・想・行・識。人間の肉体(色)と精神(受・想・行・識)

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