健康保険の業績悪化が止まらない....原因は外国人の医療ツーリズム。民主党政権時の悪政が最大の原因か

日本の医療を逼迫させる医療ツーリズム。完全に失敗したインバウンド政策。政府は同方向転換させるつもりか?

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医療ツーリズムとは?

中国からの昨年2017年の訪日外客数は735.5万人となり、インバウンド市場の全国籍でトップとなっています。インバウンド業界全体でコト消費へのフォーカスが進んでいますが、巨大市場である中国人観光客においては体験の種類も幅広く、「医療ツーリズム」が存在するように、日本の医療を受けるために訪日する層もいます。

日本の医療水準への関心はとどまることを知らず、最近では「日本での医療をお得に受けること」についての情報発信が行われているようです。実はこの「お得な方法」とは、日本の健康保険などの医療制度を悪用したものも含まれており、を今年3月にはこういった中国でのインターネット上の口コミが日本の報道機関でもとりあげられ、Twitterでも批判的な意見が散見されました。

医療用ビザで入国すると100%負担だが...

中国人の訪日にはビザの発給が必要ですが、その中には日本で病院での診察を受けることを目的とする場合は「医療滞在ビザ」の取得が必要です。

医療滞在ビザとは,日本において治療等を受けることを目的として訪日する外国人患者等(人間ドックの受診者等を含む)及び同伴者に対し発給されるものです。
(1)受け入れ分野
医療機関における治療行為だけでなく,人間ドック・健康診断から温泉湯治などの療養まで,幅広い分野が対象となりえます。
外務省「医療滞在ビザを申請される外国人患者等の皆様へ」より

政府の平成28年査証発給統計(国籍・地域別)によれば、医療滞在のビザは合計1,307件が発給され、うち1,149件が中国(台湾を除く)となっており、医療ビザの9割近くが中国人により取得されていることがわかります。

医療ビザでの滞在の場合、医療費は100%を支払う必要がありますので、健康保険に加入している居住者と比べてかなり高額な金銭的負担が発生します。また通常の観光ビザで入国し医療機関で診察、治療を受けた場合も相応の支払いが発生します(こちらは海外旅行保険により補償されるケースもあります)。

法の抜け道を利用してタダで医療を受ける技が...

さてこういった高額な医療費が発生する一方で、中国人の日本の医療への需要は存在し、これにこたえるかのように冒頭で触れたような「金銭的負担を軽減しながら日本の医療を受けること」のまとめ記事が存在します。

これまでも、「経営者ビザを取得する」「留学生として入国する」といった方法で日本の医療機関を利用する中国人の存在がさまざまな媒体で報道されてきましたが、今回新たにネットで紹介されているのが「家族の扶養に入る」形式です。こういった情報の広まりについては、日本のマスメディアでも取り上げられ、Twitterにも意見が噴出しています。

最新版は日本の家族の扶養に入ること?


「日本に住む独身の」「社会保険に加入している」子供の扶養に入ること
資本金約500万円の会社を日本で法人登記し、経営者ビザを取得すること

の順序で方法を紹介しています。この記事は今年4月にもポータルサイトに再掲されており、日本の医療制度利用についての情報に、引き続き需要があるということがわかります。
さらに、現在の中国では生活に欠かせないツールとなっているチャットアプリのWeChat。このアプリではメルマガのように定期・不定期で情報を届けてくれるチャンネルがいくつもありますが、あるチャンネルで**「赴日医疗 如何让父母在日本享受健康保险?(日本の医療:父母に日本の保険証を使ってもらうには?)」**というタイトルの記事が公開されています。

▲WeChat上のメルマガで配信された、日本在住の中国人が両親に日本の健康保険を利用させるための手順。日本の保険を利用できるのは素晴らしいこと!との書き出し。

扶養加入審査がク〇すぎる?!

複数の医療関係者によると、保険の不正利用の手口はいくつかに分類される。「最も目立つのは、中小企業の従業員らが入る健康保険(協会けんぽ)への不正加入です。協会けんぽは外国に住んでいる妻や子供、父母などについても、本人が扶養していると認められれば加入できます。これを悪用するのです」(同関係者)。

 扶養親族として加入を認めるかどうかの審査は、事業所のある日本年金機構の各年金事務所で行われているが、「この審査がザル。扶養している証拠となる送金証明書と続柄を示す証明書が必要となるが、いくらでも偽造できる」(医療ジャーナリスト)というから驚きだ。

複数の行政書士らのサイト(中国語)は、こうした手口を紹介した上で手数料を取って申請の代行を謳っている。関係者は「日本人なら戸籍制度がしっかりしているし、名字が違えば調べられる。しかし、海外では夫婦別姓の国も多く、続柄の証明書といっても公的なものかどうかの確認は難しい」という。

 制度悪用を巡っては、前記のようなサイトを運営する行政書士らブローカーが介在することも多く、医療機関関係者は「病院に付いてきた通訳と称する人が保険証を何十枚も持っているのを見たことがある」と証言する。「ある医療機関が過去の記録を調べたところ、同じ住所で何人も患者がいた。名前も年齢もばらばらで、そんなに親戚が多いのか謎だとぼやいていた」との証言もある。

当然、保険証の偽造や加入資格の無い人の不正使用が疑われる事案だが、この問題を追及しているジャーナリストによると、「各地の年金事務所を束ねる日本年金機構は『不正など聞いたこともない』『審査は各年金事務所が行っている』と知らぬ顔だ」という。このジャーナリストは「協会けんぽの支払いなどの運営は全国健康保険協会によって行われており、年金機構としては赤字が拡大しようと関係無いという姿勢なのではないか」と分析する。

故郷にいる親戚を呼び寄せて日本の保険を使って治療させるだけでもいかがなものかと思うが、ブローカーは日本で治療を望む中国人を偽造した証明書を使って〝親戚〟に偽装させ、日本の医療保険を使って安価で良質な医療を受けさせている。これでは真面目に保険料を払っている加入者が馬鹿を見ることになる。大企業の従業員が中心の健康保険組合は審査が厳しいため、こうした不正利用は少ないといい、「年金事務所が本腰を入れなければ協会けんぽの不正利用は延々と繰り返される」と医療関係者は対策の必要性を訴える。

更には民主党政権時に成立した国保の加入要件緩和によって悲劇が...

さらに、最近になって横行しているのが「協会けんぽほど〝ザル〟ではない国民健康保険を使った不正だ」(国立病院関係者)という。

 厚労省関係者が内情を明かす。「外国人であっても、日本に在留する人は、会社の健康保険などに入っていなければ、国保に入らないといけない。以前は1年以上の在留期間が決まっていることが加入要件だったが、2012年の住民基本台帳法改正により3カ月以上の滞在で加入が義務付けられるようになった」

つまり、12年以降は国保加入のハードルが下がったのだ。これにより、3カ月以上の滞在資格が取得できるビザを取得できれば、日本の公的医療機関が使えることになった。

 「医療ツーリズムなど、医療を目的とした来日の際は、医療滞在ビザを取り医療費は全額自己負担することになっている。でも、別の名目で来日して、ついでを装って高額な医療を受けても、不正と指摘するのは難しい」(厚労省関係者)。

これによって国保の業績が悪化している...

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