血漿中にはほとんどオルメサルタンとして存在し、その強力なアンジオテンシンII(AII)受容体拮抗作用により降圧作用を示す。
分子内にテトラゾール基(窒素原子4つと炭素原子1つから成る芳香族5員環)とイミダゾール基(窒素原子2つと炭素原子3つから成る芳香族5員環)を有する、カルボン酸である。
オルメサルタンが持つカルボニル基と、メドキソミル基が持つ水酸基とが、エステル結合したものがオルメサルタンメドキソミルである。
臓器保護作用や副作用が少ないなどの特徴を有し、かつ強力に血圧を下げることのできる薬がオルメサルタン(商品名:オルメテック)です。
オルメサルタンはCYPによる代謝を受けにくい薬です。
本薬はin vitroでAT1受容体に対して、高い選択性と強い結合力を示す高親和性AT1受容体抑制型の降圧剤
オルメテックの降圧効果(血圧を下げる効果)はARBの中では最高クラスと言われています。
「インバースアゴニスト作用」が強いのも特徴のひとつです。アンジオテンシンⅡの受容体は結合によって血圧を上げますが、単体でも勝手に活性化して血圧上昇させてしまうことがあります。その活性化を抑制する作用が「インバースアゴニスト作用」です。
プロドラッグであり,消化管で吸収された後,速やかにエステラーゼによりイミダゾール環5位のカルボン酸エステルが脱エステル(加水分解)を受け,活性体であるオルメサルタンに変換される.
オルメサルタンメドキソミルは、吸収されると速やかに加水分解されて活性代謝物のオルメサルタンが遊離し、薬効を発揮する。
同じようにメドキソミル基でエステル化されたARBとしては、アジルサルタンメドキソミルが知られている。(アメリカで発売。日本ではエステル化されていないアジルサルタンが発売。)
イミダゾール環カルボキシル基をエステル化して、プロドラッグとした化合物であります。
24時間にわたり血圧を良好にコントロールいたします。また薬物代謝酵素であるP-450の代謝活性阻害を受けにくい特徴も有しております。
プロドラッグタイプのアンジオテンシン II(AII)受容体拮抗薬(ARB)であり,消化管で吸収された後,速やかに脱エステル化を受け,活性体オルメサルタンに変換され薬効を示す.
メドキソミル基を持つ薬剤は、メドキソミル基が自然に加水分解されて、不快臭を伴う2,3-ブタンジオンが発生する。
また、他剤と一包化を行った場合には、発生した2,3-ブタンジオンが、他剤を変色させる場合があることも知られている。
活性代謝物であるオルメサルタンに変換される際、CO2とジアセチルが発生する。ジアセチルはさらに、アセトインを経て2,3-ブタンジオールへと分解される。
これらの分解物のうち、ヨーグルトのような臭いを持つのはジアセチルである。ジアセチルは、メトホルミン塩酸塩やカモスタットメシル酸塩などが有するグアニジノ基と高温多湿条件下で反応し、薬剤が変色することが明らかになっている。
特有の不快臭を有するジアセチルの増加は、服用の際に患者の多大な負担となっている。実際に、市販のオルメテック(登録商標)錠は、臭いに関するクレームが非常に多い。
更に、ジアセチルはメトホルミンやメシル酸カモスタットを赤色に変色させる性質を有するため、オルメサルタンメドキソミル製剤とメトホルミン製剤又はメシル酸カモスタット製剤を一包化することは避けなければならない。
エステル結合が投与前に外れてしまうことがあり、外れた修飾基=ジアセチルがヨーグルトのような臭いの元になっています。
第一三共のMRさんいわく「オルメテックODは、従来のオルメテックより臭いを10分の1以下に抑えています!しかも、味はほんのりオレンジ風味ですので、飲みにくさはありません!」とのことでした。
オルメサルタンメドキソミルの臭いの抑制方法として、シクロデキストリン、ポリビニルアルコール、又はデキストロースのそれぞれでフィルムコーティングを施す方法が知られている。
シクロデキストリンを用いることで製造コストが高くなると同時に、下痢や軟便等の胃腸障害を引き起こす場合もある。
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