上部消化管並びにCTZに作用し、抗ドパミン作用により薬効を発現する。なお、生化学的実験等により血液-脳関門を通過しにくいことが確かめられている。
ドーパミンD2受容体が活性化すると吐き気や嘔吐が起こる。またアセチルコリンの遊離が減少するため、胃運動が低下する。
ドンペリドンはこのD2受容体への拮抗作用により吐き気を抑え、上部消化管の運動機能を調整(促進)する。
末梢性D2受容体拮抗薬。同じ系統のメトクロプラミド(プリンペラン)はドンペリドンより血液-脳関門を通過しやすいため、副作用に注意が必要である。メトクロプラミドは妊婦に使用できる。
胃・十二指腸のドパミンの働きを抑えて、消化管運動を改善し、吐き気に関与するCTZ(化学受容器引金帯)に作用して、吐き気を抑えます。
通常、成人では慢性胃炎、胃下垂などの吐き気、嘔吐、食欲不振などに、小児では風邪や周期性嘔吐症による吐き気などの改善に用います。
D2受容体は延髄のCTZ(化学受容器引き金帯)や上部消化管に存在するが、ドンペリドンは血液脳関門を通過しにくく、中枢へはほとんど移行しないため、CTZのD2受容体への作用は弱く、主に上部消化管のD2受容体に作用する。
そのため、作用機構がよく似たメトクロプラミド(中枢に移行する)に比べて副作用が起きにくく、安全性が高い。
消化管に存在するD2受容体を阻害することでアセチルコリンの分泌を促し、胃や腸の運動を改善させる薬がナウゼリン(一般名:ドンペリドン)です。
D2受容体を阻害することができれば、アセチルコリンの分泌を促すことで消化管運動を活発にすることができます。
ナウゼリンの主薬成分であるドンペリドンは、強力な制吐作用と消化管運動亢進作用による高い臨床効果が期待され、消化器疾患に広く用いられています。
ナウゼリンは主に胃腸に作用して胃腸の動きを改善させたり吐き気を抑えたりする作用があります。また脳幹にある嘔吐中枢にはたらきかける事で吐き気を抑える作用もあります。
中枢(脳)へ入りにくいので副作用も多くはなく、比較的安全に使えるお薬になります。
抗精神病薬と同様の機序であり、副作用も高プロラクチン血症による乳汁の分泌、無意識的に身体が動く治療法のない遅発性ジスキネジアなどである。
D2受容体の刺激によりプロラクチンの分泌が抑制されるが、ドンペリドンはそのD2受容体を遮断するため、プロラクチンの分泌が促進され、乳汁分泌、乳房膨満感、月経異常などの副作用が現れることがある。
プロラクチンの分泌は視床下部からのPIFの分泌によって抑制されているのが通常である。即ち視床下部の障害によって脱抑制され、高プロラクチン血症にいたる。
ドパミン遮断薬クロルプロマジンやメトクロプラミドなどが存在するとPIF脱抑制が生じ、PRL分泌が亢進される。
ドーパミンをブロックする薬を使うとプロラクチンのブレーキが外れてしまい月経にも異常を来してしまうのです
高プロラクチン血症を引き起こす薬は
胃腸薬(ガスター・ドグマチール)、吐き気止め(ナウゼリン・プリンペラン)、向精神病薬、向うつ薬 等です
高プロラクチン血症はプロラクチン (PRL) の過剰分泌を特徴とする疾患で不妊、性腺機能低下症、乳汁漏出症の原因となる。
非生理的な高プロラクチン血症はおもに薬剤や下垂体腫瘍によって引き起こされ、磁気共鳴画像で診断される。
軽度の高プロラクチン血症を示す患者さんは多く、乳汁分泌が見られるか排卵障害がある場合には治療薬である「テルロン(カバサール、パーロデル)」を服用してもらいます。
大脳基底核が主として関与する神経学的症状である。錐体外路症候群とも呼ばれる。頭文字をとってEPSと略す場合がある。
●筋緊張亢進‐運動減退症候群は、主に淡蒼球、黒質の障害で、筋緊張は亢進し、寡動、固縮が見られる。
●筋緊張低下‐運動亢進症候群は、主に視床とも関連する新線条体(尾状核、被殻)の障害で、筋緊張は低下し、多動状態が見られる。(抗精神病薬等の副作用としてみられる錐体外路症状は、ほとんどがこちらのことを指す。)
錐体外路症状は、神経経路の1つである「錐体外路」の障害により生じます。
錐体外路は主に大脳の基底核という部位で調整されている経路で、反射やバランスといった不随意運動(自分で意識しなくても勝手に行われる運動)に関わっています。錐体外路に関わっている神経伝達物質は「ドーパミン」だと考えられています。
D2拮抗薬によって脳内のドパミンが減少することで、錐体外路障害(パーキソン様症状)がでる
ナウゼリン(ドンペリドン)は血液-脳関門を通過しにくい薬剤ですが、プリンペラン(メトクロプラミド)は血液-脳関門を通過しやすい薬剤なので特に注意が必要です。
ナウゼリン(ドンペリドン)は動物実験で骨格、内臓異常等の催奇形作用が報告されているため妊婦には禁忌となっています。
プリンペランに変更する必要があるが、血液-脳関門を通過するため副作用に注意が必要となる。
ナウゼリンは動物実験において催奇形性が確認されている。ゆえに妊婦には禁忌となってはいるが、無影響期においては当てはまらない
最終月経初日からの日数が28日未満は無影響期とよばれ、薬の影響を受けることはない(半減期が長い場合は考慮が必要になる場合もある)。このことはあのサリドマイドが証明している。
ナウゼリンは、妊娠中の薬に対する安全評価基準では、「禁忌(きんき)」とされており、妊婦は服用を控えるように言われています。
妊娠中に服用をしてはいけない「禁忌」として指定をされていますが、妊娠初期で服用をする場合は、胎児にほとんど影響がないといわれています。
早く効くと思われている坐薬の中にも、実は飲み薬の方が効いてくるのが早い場合があります。 その代表例が吐き気止めの"ドンペリドン(主な商品名:ナウゼリン)"という薬です。
飲み薬(錠剤、OD錠、ドライシロップ、細粒)が約30分くらいで効いてくるのに対し、 坐薬は効いてくるまでに約60~70分くらいかかるとされています。
胃の内壁にはナウゼリンがくっつく受容体(簡単に言うと、ナウゼリンが鍵だとすれば、受容体が鍵穴)があるのです。 つまり、その胃の局所、その場所ですぐに効果を期待できます。
直腸から吸収される坐剤の方が一般的に吸収速度が速いと言われていますが、それは全ての薬剤に当てはまる訳ではありません。 ドンペリドンの場合も当てはまりません。
ドンペリドンを内服した場合、Tmax=0.5hrとなっています。血中濃度が最大となる30分後が食事の時間と重なり、効果を実感できる時間帯になっています。
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