トスフロキサシン(オゼックス)は小児にも使用できるニューキノロン系抗生物質です。
トスフロキサシンの小児用製剤は、小児の肺炎と中耳炎に適応を持つ日本で初めてのニューキノロン系薬剤であり、現時点では海外でも発売されていない。
小児に対するニューキノロン系抗菌薬としては、既にノルフロキサシン(商品名:バクシダール)の錠剤が臨床現場で使用されているが、肺炎や中耳炎の適応を持っていない。
2009年10月に国内初の小児用ニューキノロン系細粒剤トスフロキサシントシル酸塩水和物(以下TFLX、商品名オゼックス)が承認されるまで、何らかの小児疾患を適応症にもつキノロン系薬は3剤(ナリジクス酸、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン)であった。
成人の領域と比較しその数は圧倒的に少ない上、保険適用が限定的であり、使用されても尿路感染症や腸管感染症あるいは皮膚感染が主で、呼吸器感染症の第1選択としては、ほとんど処方されていなかった。
実験(幼若犬)において関節異常が認められているため、小児投与は多くが禁忌とされている(例外:ノルフロキサシン、トスフロキサシン)。
小児用製剤は、味が良いから小児に嫌がられることが少ない。内服できない患児はほぼいないと言われる。
DNAジャイレースやトポイソメラーゼⅣと呼ばれる、細菌のDNA合成酵素を阻害することでDNA合成を阻害します。
特徴的な副作用としては、アキレス腱に炎症が起きたり断裂が起きたりすることがあるようです。
添付文書上、フルオロキノロン製剤(以下キノロン)は、その多くが小児に対して「禁忌」となっている。
小児に対して禁忌に該当しないキノロンはトスフロキサシン(オゼックス®)とノルフロキサシン(バクシダール®)であるが、厚生労働省が公開した第1回NDBオープンデータ(H26年04月~H27年03月)を調べてみると、現実的には使用されているケースが確実に存在する。
類薬の海外小児臨床試験において、キノロン系以外の抗菌剤と比較して筋骨格系障害(関節痛、関節炎等)の発現率が高かったとの報告がある。
核に直接作用することから、小児へのキノロン使用は成長に悪影響があるのかもしれない。
最近になって小児にも使えるキノロンということでオゼックスが発売されました。これを乱発する小児科・耳鼻科が非常に多い!!
キノロンは抗生剤の強さとしては相当強い部類に入ります。病院に入院しているような患者に使用すべき抗生剤であり、間違ってもマチの小児科や耳鼻科程度に通って簡単に処方されるべき抗生剤ではありません。
トスフロキサシン小児用顆粒(12mg/kg/日、分2)については、重症例にたいする切り札として保存すべき薬剤で、決して乱用すべきでない
小児に対してトスフロキサシン(オゼックス)が使用される病気は肺炎、中耳炎、コレラ、炭疽に限定されています。
トスフロキサシン(オゼックス)はあらゆる細菌に対して抗菌作用を示し、組織移行性もいいのであらゆる感染症に効きそうですが、使用される病気はこれだけに限定されています。
これはなぜかというとトスフロキサシン(オゼックス)に対する耐性菌出現を最小限にとどめるため使用をなるべく少なくする意図があるのです。
〈適応症〉
肺炎、コレラ、中耳炎、炭疽
インフルエンザ菌にはβ-ラクタム耐性インフルエンザ菌を含む。
ただしキノロンそのものの消化器系の副作用として下痢・腹痛があるため、注意が必要である。
サルモネラ症では、症状が改善されても排菌が続くことがある。わが国では、ニューキノロン薬の7 日間投与は腸内細菌叢に対する影響もなく、除菌率も高いという成績に基づき、使用されている。
処 方:
ニューキノロン薬(下記のいずれか1 剤)
ノルフロキサシン、シプロフロキサシン300 〜400mg ,分3 ,7 日間
トスフロキサシン450mg ,分3 ,7 日間
レボフロキサシン300mg ,分3 ,7 日間
ホスホマイシン2.0g ,分3 〜4 ,7 日間
アンピシリン1.5 〜2.0g ,分3 〜4 ,7 日間
腸チフス、パラチフスの場合:トスフロキサシントシル酸塩水和物として1日600mg(トスフロキサシンとして408mg)を4回に分割して14日間経口投与
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