【四十肩とまぎらわしい】その痛み、本当に四十肩?【帯状疱疹】

なんだか肩や腕がひどく痛い。整形外科で着衣のまま腕をあげたり下げたりの診察、レントゲン撮って整形外科医に四十肩もしくは五十肩と言われてリハビリしたり痛み止め飲んだもののちっとも良くならない・・・気がついたら発疹ができていた。

もしかしてそれ帯状疱疹かもしれませんよ。

Amber0812 さん

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昔水疱瘡をやった覚えがあったら帯状疱疹を疑いましょう

まず、体のどちらか片方に,チクチクするような痛みがおこります。

この時はまだ発疹は現れていません。(たまに、この時点で整形外科を受診される方もいらっしゃいます)。2,3日すると痛かった部分に対応して帯状に赤いブツブツ(発疹)、水ぶくれができます。この時点になるとはっきり帯状疱疹という診断がつきます。

一般に、身体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状にあらわれるのが特徴です。

原因は、水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」

水ぼうそうは治った後もウイルスは消えず、全身の神経節に潜んでいる。普段は活動しないが、老化やストレスなどで免疫が下がると再活動して帯状疱疹として発症する。

 「発症の一番のリスクは加齢。50歳から発症が増え、ピークは60歳以降。85歳では2人に1人が発症するというデータもあります」と話すのは、愛知医科大学の渡辺大輔教授(皮膚科)だ。

帯状疱疹 治療遅れるとヤバイ 発症3日間が勝負だ

帯状疱疹は赤い発疹、腫れ、痛み、水ぶくれ、その後のただれが典型的な症状だが、厄介な“後遺症”が2つある。

 東京慈恵会医科大学付属病院皮膚科・松尾光馬診療医長に聞いた。

「まずひとつは皮膚症状が治っても、痕が残りやすいこと。帯状疱疹の重症例では、広い範囲に発疹ができ、顔などに出ると痕が目立ちます。もうひとつは痛み。“発症早期の急性期痛”と、皮膚症状がよくなってから3カ月以上経っても治らない“帯状疱疹後神経痛”です」

 帯状疱疹後神経痛は患者全員にあるわけではないが、多くが激しい痛みを伴い、難治性だ。

「衣類などが軽く触れただけで、違和感や電気が走るような痛みを感じる人もいます」


「帯状疱疹の予防法としてワクチンがあるのですが、日本では今のところ認められていません。だから、先に挙げた“厄介な2点”の被害をできる限り避ける方法を取るしかない。それが、“発症したらすぐに皮膚科で治療を受ける”です。理想は3日以内。3日を過ぎると、皮膚の症状がひどくなり、痕が残りやすい。さらに、急性期痛を抑えるのにも時間がかかります」

【赤い発疹が出る4~5日前から痛みが続いていた】

帯状疱疹は顔面、胸、背中、おしり、腕、脚など体のどこにでもできる。

「最初は赤い発疹ですが、4~5日前から痛みが起こるのが、帯状疱疹の第一の特徴です。ただし、痛みは場所によって頭痛、胸痛、腹痛、腰痛など別の病気と間違われやすく、痛みだけの段階で見分けるのは難しいです。そのあとに赤い発疹が出てきたら、それは帯状疱疹だと考え、すぐ受診すべきです」

72時間以内に抗ウイルス薬を!

治療の中心となるのは、抗ウイルス薬のアシクロビル(ゾビラックス)、バラサイクロビル(バルトレックス)、ファムサイクロビル(ファムビル)などの使用です。
 種々の検討から、皮膚病変の出現後72時間以内に抗ウイルス薬を使用すれば、皮膚病変と疼痛を早期に軽減できるとされています。また、最も重要な後遺症である帯状疱疹後神経痛の発症率も、低下させることができます。
 治療の目標は、帯状疱疹後神経痛を残さないことです。病初期から疼痛の程度や性質をよく観察するとともに、必要であれば十分な疼痛対策(薬物療法、理学療法など)を行います。

抗ウイルス薬は、1週間でおよそ6000円

帯状疱疹の発疹が消えたあとも、痛みだけが残ってしまった女性のケース。
要因の一つとして挙げられるのは、抗ウイルス薬を当時処方されなかった事。痛みを残さないためには早期治療が必要不可欠です。ウイルスの増殖は、発疹が出て72時間でピークに達するため発疹が出て72時間以内に抗ウイルス薬を服用することが大切。

また抗ウイルス薬は、1週間でおよそ6000円と高いため驚く人も多いですが、痛みや合併症を引き起こさないためにも、まずは抗ウイルス薬を、ちゃんと飲みきることが大切です。

抗ウイルス薬の効果が出るのは、投与してから1〜2日後

投与直後にすぐに症状が治まるというわけではない。東邦大学大橋病院皮膚科部長の漆畑修氏は「薬が効いていないと勘違いして、抗ウイルス薬を飲むのを止めてしまう人がいる。薬はちゃんと飲んで欲しい」と注意を促す。

帯状疱疹による急性痛を緩和するには、医師から処方される痛み止めを服用する以外に入浴も効果的だ。漆畑氏は「39〜40℃程度の湯に10分前後入浴すること」を勧めている。さらに、入浴は帯状疱疹の後遺症を予防する効果もあるという。逆に冷やすのは悪いとされる。

気をつけるべき後遺症

通常、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、その後もピリピリするような痛みが持続することがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことによって起こります。

急性期痛は、皮膚や神経の炎症によるものですが、帯状疱疹後神経痛は神経の損傷によるものです。
帯状疱疹後神経痛が残った場合は、ペインクリニックなどでの専門的な治療が必要となる場合があります。

帯状疱疹後神経痛の心構え

帯状疱疹後神経痛は、症状や程度が患者さんによって違うため、決まった治療法はありません。それぞれの患者さんに合った治療法が選択され、組み合せられます。また、一度や二度の治療ですぐに治ることはまれなため、根気よく治療を続ける必要があります。痛みは、薬物療法や神経ブロック、理学療法でかなり軽減できるようになります。
前向きに考えて、痛みとじっくり、上手につきあっていくように心がけることが大切です。

上手につきあう方法

入浴
入浴で体が温まり血液の循環がよくなると痛みがやわらぎます。他の病気で入浴の制限がなければ、入浴回数を増やしたり、温泉へ出かけるのもよいでしょう。

保温
「寒さ」や「冷たさ」が痛みを増強させることがよくあります。冬には保温し、夏には冷房の冷たい風に直接あたらない、外出時には必ずはおれる衣服を一枚は持って行く、などの工夫をするようにしましょう。

患部への刺激を避ける
痛みに過敏になっている場合には、衣服がすれただけでも痛みが増すことがあります。サラシや包帯を巻いた後に、衣服を着るなどの工夫をするとよいでしょう。

など

帯状疱疹は人にうつるの?

●帯状疱疹は、他の人に帯状疱疹としてうつることはありません。
●帯状疱疹の患者さんから、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児などに、水ぼうそうとしてうつる場合があります。

病気がみえる

内容(「BOOK」データベースより)
神経解剖と神経内科・脳神経外科の疾患が1冊に!1000点のイラスト、400点の写真で脳・神経をビジュアライズ。

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