既存のいわゆるニューキノロンとは異なる化学構造をしています(キノロン骨格の6位にフッ素原子を持たない)。
ニューキノロン母核6位のフッ素原子がない、特徴的な化学構造。
かわりに、7位にイソメチルインドリニル基が炭素-炭素で結合し、8位がジフルオロメトキシ基に置換されている。
そのため、他の抗菌薬が効きにくい細菌、とりわけ呼吸器感染症の原因菌であるペニシリン耐性肺炎球菌、多剤耐性肺炎球菌を含め肺炎球菌に対して、強い抗菌活性を示します。
ジェニナックは6位にフッ素原子(抗菌活性は高くなるが、毒性が強いため、副作用の要因とも言われている)がなく、7位にメチルイソインドリニル基が炭素-炭素で結合し、8位にジフルオロメトキシ基が置換しているなど、既存キノロン系抗菌剤と異なる化学構造を有している。
・6位のフッ素原子がない。
・7位にメチルイソインドリニル基が炭素-炭素で結合している。
・8位にジフルオロメトキシ基が置換している。
などの既存のキノロン系抗菌剤と異なる化学構造を有している。
・キノロン系とNSAIDsの併用時に起こる痙攣が起こりにくい。
・グラム陽性菌(肺炎球菌など)、グラム陰性菌(インフルエンザ菌など)に対し、(アベロックスと比べても)優れた成績を示す。
・多剤耐性肺炎球菌に対して唯一の適応を持つ。
・食事の影響を受けにくいので、服用時を選ばない。
肺炎球菌に対しては、ジェニナックのMIC90が他の抗菌薬より低い数値が出ていますので、抗菌活性が強いと言えそうです。
一方、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスに対しては、どの薬もあまり大きな差がなさそうです。
新しいタイプのキノロン系合成抗菌剤で、多剤耐性肺炎球菌などの耐性菌を含む呼吸器・耳鼻咽喉科領域感染症の起炎菌に対して優れた抗菌活性を有し、良好な経口吸収性と組織移行性により1日1回投与で優れた臨床効果が期待できる薬剤です。
多剤耐性肺炎球菌にも優れた抗菌活性を示す(in vitro)。合成抗菌剤で初めてペニシリン耐性肺炎球菌が適応菌種に明記された。
呼吸器・耳鼻咽喉科領域感染症の主要起炎菌に適した抗菌スペクトルと優れた抗菌活性を有する(in vitro)。 多剤耐性肺炎球菌にも優れた抗菌活性を示す(in vitro)。
1日1回投与で大きなAUC(血中濃度曲線下面積)が得られ、体液・組織へも良好な移行性を示す。
クラビットは感染症全般適応となっていますが、ジェニナックはほぼ呼吸器系の疾患のみ。尿路感染と言えばとりあえずクラビットの処方を見ますが、ジェニナックは適応なし。(排泄経路が関わってくる)
ジェニナックはクラビットに耐性を獲得している菌に対しても抗菌作用を示し、その抗菌力もレボフロキサシンより強力とされている。
第3世代以降は「レスピラトリーキノロン」と呼ばれる
第3世代キノロン:レボフロキサシン(クラビット)
第4世代キノロン:モキシフロキサシン(アベロックス)、ガレノキサシン(ジェニナック)、シタフロキサシン(グレースビット)
呼吸器感染症の主要起炎菌(特に肺炎球菌)に対し優れた抗菌活性を有し,薬剤の肺組織への移行性が高いNQ薬のことをレスピラトリーキノロン(呼吸器系キノロン)という。
ガレノキサシン(ジェニナック™),シタフロキサシン(グレースビット™),スパルフロキサシン(スパラ™),トスフロキサシン(オゼックス™),モキシフロキサシン(アベロックス™),レボフロキサシン(クラビット™高用量必要)がある。
レスピラトリーキノロンとは、呼吸器の感染症治療(肺炎など)に使われることが多いキノロン系抗生物質のことを言います。呼吸器領域だけでなく元々はグラム陰性菌に有効なので、膀胱炎などの泌尿器感染症でも頻繁に使われます。
・トスフロキサシン(商品名:オゼックス、トスキサシン)TFLX
・レボフロキサシン(商品名:クラビット)LVFX
・スパルフロキサシン(商品名:スパラ)SPFX
・ガチフロキサシン(商品名:ガチフロ)GFLX
・モキシフロキサシン(商品名:アベロックス)MFLX
・ガレノキサシン(商品名:ジェニナック)GRNX
・シタフロキサシン(商品名:グレースビット)STFX
ジェニナックは本年10月5日よりアステラス製薬㈱で販売を開始しており、特性は呼吸器感染症において、1日1回投与で高い臨床効果を示すレスピラトリーキノロンである。
レスピラトリーキノロンとは、肺炎球菌に対する高い抗菌活性と肺組織への高い移行性の2つの条件を有するニューキノロン系薬である。レスピラトリーキノロンにはオゼックス、ガチフロ、スパラ、アベロックス及びクラビット(但し、高用量使用時)があり、ジェニナックは6番目になる。
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