4日前場の日経平均株価は前日比61円67銭安の1万4095円58銭と3日続落。寄り付きは、米国株安や円高を受け、売りが先行した。その後、円伸び悩みで下げ渋る場面もあったが、円が再び強含むとともに株価指数先物にまとまった売り物が出て下げ幅を拡大。午前10時4分には、この日の安値となる1万3944円27銭(前日比212円98銭安)まで下落した。売り一巡後は円が弱含むにつれ買い戻しや押し目買いを誘い、引けにかけて下げ渋りの流れとなった。東証1部の出来高は12億9005万株。売買代金は9335億円。騰落銘柄数は値上がり344銘柄、値下がり1307銘柄、変わらず99銘柄。
市場からは「消費税アップを決めて以来、さえない展開が続いている。経済対策に新鮮味はなく、その一方で米財政問題の影響を受け、投資家心理も上向かない。きょうの一時1万4000円台割れで目先下値になれば良いが、調整が続くようなら、9月初めの『マド』(2日高値1万3613円-3日安値1万3748円)が意識されてくる」(中堅証券)との声が聞かれた。
業種別では、ブリヂス<5108、株価 - チャート>、浜ゴム<5101、株価 - チャート>などのタイヤ株が下落。東電<9501、株価 - チャート>、中部電<9502、株価 - チャート>などの電力株や、JAL<9201、株価 - チャート>などの空運株も軟調。JFE<5411、株価 - チャート>、日新鋼HD<5413、株価 - チャート>などの鉄鋼株や、LIXILG<5938、株価 - チャート>、リンナイ<5947、株価 - チャート>などの金属製品株も安い。第一生命<8750、株価 - チャート>、東京海上<8766、株価 - チャート>などの保険株や、野村<8604、株価 - チャート>、大和証G<8601、株価 - チャート>などの証券株も値を下げた。三菱地所<8802、株価 - チャート>、東急不HD<3289、株価 - チャート>などの不動産株も売られた。トヨタ<7203、株価 - チャート>、富士重<7270、株価 - チャート>などの自動車株や、パナソニック<6752、株価 - チャート>、GSユアサ<6674、株価 - チャート>などの電機株もさえない。
個別では、13年8月中間期の連結営業・経常利益予想を下方修正したCVSベイ<2687、株価 - チャート>が下落。鉄建<1815、株価 - チャート>、チタン工業<4098、株価 - チャート>、冶金工<5480、株価 - チャート>などの下げも目立った。
半面、次世代タッチパネルを台湾企業と共同開発する日写印<7915、株価 - チャート>や、大日印<7912、株価 - チャート>などのその他製品株が上昇。伊藤忠<8001、株価 - チャート>、住友商<8053、株価 - チャート>などの卸売株もしっかり。個別では、13年8月中間期の連結決算で営業利益12.3%増、あわせて自社株買いを発表したイズミ<8273、株価 - チャート>や、エチレン生産設備2000億円超を受注と伝えられた日揮<1963、株価 - チャート>が上昇。ボルテージ<3639、株価 - チャート>、TAC<4319、株価 - チャート>、イオンファン<4343、株価 - チャート>などの上げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、30業種が下落した。
日経平均は続落。61.67円安の14095.58円(出来高概算12億9000万株)で前場の取引 を終えている。米株安や円相場の円高の流れを受けて、売り優勢の展開となった。シカ ゴ225先物は一時14000円を割り込んでいたこともあり、14000円割れが想定されるな か、前場半ばには225先物は13940円まで下げ幅を拡大。プログラム売りの影響などもあ り、日経平均は13944.27円とザラバベースでは9月6日以来の14000円を割り込む局面を みせた。 その後は下げ一巡感が意識されるなか、じりじりと下げ幅を縮める展開に。週末要因 から積極的な売買は手控えられているが、前引けにかけて一時14100円を回復してい る。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1300を超えており、全体の7割を占めている。 セクターではその他製品、卸売が辛うじてプラスに。一方、ゴム製品、電力ガス、鉄 鋼、空運、保険、金属製品、不動産、海運、倉庫運輸、証券などの弱さが目立つ。 日経平均の14000円割れ自体はテクニカル面からも想定されており、狼狽的な動きは 見られていない。ただ、市場のセンチメントをけん引してきていたソフトバンク<9984> が上げ一服となるなか、手掛けづらさが窺える。一部材料系への物色が継続している が、週末要因もあってポジション調整的な流れになりそうだ。 日経平均は14000円を割り込み、その後14100円を回復する局面をみせている。いった んは調整一巡感が意識されるとなれば、短期的なショートカバーにつながりそう。ま た、日銀の金融政策決定会合の結果に関心が集まる。サプライズ期待はないが、黒田日 銀総裁は増税のネガティブインパクトを回避させるため追加の緩和策の方向性などを示 してくる可能性。リップサービスとはなるが、先行きの追加緩和政策への期待が相場を 下支えしてくる可能性がある。
<3382> 7&IHD 3580 +60しっかり。前日に上半期の決算を発表、営業利益は1646億円で前年同期比12%増益となり、事前予想通りの着地となった。会計基準の変更を考慮すると、実質的な増益率は2%程度であったとみられる。金融事業とコンビニ事業がけん引役になる。決算数値にサプライズはないものの、相対的に安定した業績推移を評価する動きへ。実質的な増益率は、第1四半期の微減益に対して、第2四半期は4%増益に転じている。
<4004> 昭電工 131 -1小動き。足元で調整が続いており、サポートとして意識される25日線の攻防に。一目均衡表では133円で横ばい推移する雲上限レベルでの攻防をみせている。5月高値187円をピークに弱い値動きが続いており、出遅れ感は意識されるところ。来週はノーベル賞が発表されるが、8日の物理学賞ではカーボンナノチューブへの期待も。
イズミ<8273、株価 - チャート>が急反発。一時前日比244円高の3030円まで買われている。東証1部値上がり率上位。
3日引け後に発表した13年8月中間期(3-8月)連結決算は2ケタ増益となり、営業利益は前年同期比12.3%増の146億3500万円となった。既存店販売が堅調に推移したほか、パート・アルバイト活用などにより人件費の抑制を図った。14年2月期連結業績予想は従来見通しを据え置いた。営業利益予想は前期比2.7%増の287億円。
同時に、200万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.7%)・63億円を上限に自社株買いを行うと発表した。取得期間は10月4日から14年2月21日まで。
長谷工コーポレーション<1808、株価 - チャート>が反発。一時前日比30円高の695円まで買われている。
14年3月期に6期ぶりに普通株の年間配当を行う方針を固めた、と4日付日本経済新聞が報じた。今期は年1-3円程度になるとみられるという。
長谷工は4日朝方に、「発表したものではない」とのコメントを出した。
株価チャートを長い目で見ると、上下動を繰り返す一定のリズムが見つかる場合がある。この時間的なリズムを「日柄」という。また、上昇トレンド、下降トレンドの値動きの大きさ(値幅)がパターン化することもある。
今回は、ネット証券のツールを利用して、日経平均の「傾向」と「値幅」と「日柄」を分析してみた。日柄と値幅は、「いつ頃買うか」「いつ頃利食うか」の目安にもなる。
実際に利用したチャート分析機能は、GMOクリック証券の「スーパーはっちゅう君」、松井証券の「ネットストック・ハイスピード」、マネックス証券の「マネックス・マーケットステーション」、ライブスター証券の「livestar R」などに装備されている。各ネット証券の口座開設者向けツールで、利用料はすべて無料だ。
日柄的に見れば10月は軟調!?
日経平均の頂点から頂点、底から底の日数サイクルを調べたのが【図1】だ。期間分析ツールは、指定した2点間の日にちと、逆方向に同じ期間のデータ本数を表示する。ここでは、頂点同士、底同士を結んでみた。頂点や底ぴったりではなく、だいたいチャート波動のサイクルが揃う日数に合わせた。
その結果、頂点サイクルは約44日、底のサイクルは約50日と出た。この分析によれば、次回の底は、前回の底8月22日付近から50営業日目で11月5日。次の頂点が前回の9月24日付近から44営業日目で11月26日付近となる。
日柄的に見れば10月上旬から下落が始まったとすれば、この後、11月上旬まで1カ月ほどは軟調な展開が続くことになる。
<1808> 長谷工 682 +17買い優勢。今期は6期ぶりの復配を実施する方針との観測報道が伝わっている。年間で1-3円程度の配当となるもよう。マンション建設受注の好調などを背景に、通期の単体受注高は3500億円程度になり、期初時点の予想を500億円程度上回る公算のようだ。復配の可能性は指摘されていたが、想定よりも配当金の水準は高まる可能性などが好感される状況に。
<4734> ビーイング 357カ -ストップ高買い気配。今期の営業利益見通しを2.3億円から3.3億円へ、最終利益見通しを1.6億円から2.3億円へとそれぞれ上方修正したことが好感されている。震災からの復興需要やOS更新に伴うシステム投資需要の高まりから、売上高が堅調に推移したことが背景。また、同時に配当予想を1株当たり6円から8円まで引き上げたことも支援材料に。
<3659> ネクソン 1233 +20しっかり。シティでは投資判断を「1」、目標株価を1800円として新規カバレッジを開始している。韓国・中国において高いプレゼンスを有しているため、安定成長期待のPCオンライン、市場成長が見込めるモバイルの両市場で、ビジネス拡大のチャンスを有すると指摘。中期的な成長ポテンシャルが認識されれば、バリュエーション水準も訂正に向かうと予想。
<1963> 日揮 3600 +180大幅反発。米国で新型天然ガスのシェールガスを利用する化学プラントを建設すると報じられている。世界最大のエチレン生産設備を米シェブロンなどから受注した。これを受けて反発をみせており、25日線を突破。また、前日までの調整で割り込んでいた一目均衡表の雲も急反転で上放れる格好に。
<3765> ガンホー 75100 +47005営業日ぶりに反発。外資系証券による新規カバレッジが観測されており、材料視した買いが優勢。株価はゲーム関連物色が薄れるなか、一目均衡表では雲下限に沿った調整が続いていた。雲下限からの、テクニカルリバウンドの流れに。また、ソフトバンク<9984>に海外での成長力を評価する見方が高まるなか、グループ企業への波及も期待される格好に。
ビーイング<4734、株価 - チャート>が80円ストップ高の357円でカイ気配。午前10時35分時点で差し引き37万6000株の買い物となっている。
3日引け後に、14年3月期連結業績予想と配当予想を上方修正した。営業利益予想は2億3000万円(前期比13.3%増)から3億3000万円(同62.6%増)へ引き上げた。震災からの復興需要やOS更新に伴いシステム投資需要が高まった。
年間配当予想(期末一括)は前期比3円増の8円に引き上げた。従来予想は6円だった。
トレンドマイクロ<4704、株価 - チャート>が反発。一時前日比225円高の3745円まで買われている。大和証券は3日付で、投資判断(5段階・1が最上位)を「3」(中立)から「1」(買い)へ2段階引き上げた。クラウド関連製品をけん引役に期待。長期視点から上昇余地が大きいとみて目標株価(12カ月)を4770円とした。
<1963> 日揮 3610 +190大幅反発。米国でシェールガスを利用する化学プラントを建設と報じられている。年産150万トンと世界最大のエチレン生産設備となり、総受注額は2000億円超の水準のもよう。シェールガス関連設備の建設が今後も相次ぐと見られる中、大型受注の獲得は今後の展開力への期待にもつながる格好へ。ゴールドマンでは、冴えない業績や受注から停滞していた株価は、カタリストの一つが発現したことを好感しようと。
<2489> ADWAYS 940 +10続伸で8月22日以来の水準を回復している。米ツイッターは3日、新規株式公開(IPO)の申請書類を公開した。11月にもIPOに踏み切るとの見方が有力になっており、ツイッター関連としての思惑買いが優勢に。足元でこう着が続くなか、前日の上昇で一目均衡表の雲を上放れており、テクニカル妙味もある。
<4819> Dガレージ 2960 -185売り先行。米ツイッターが新規株式公開(IPO)の申請書類を公開したものの、目先の材料出尽くし感から利益確定売り優勢の展開となっている。また、ツイッターへの出資比率は5%未満に留まるとの見方もネガティブ材料視されているようだ。なお、ツイッターについては、IPOによる調達額は10億ドル程度が見込まれている。
<3668> コロプラ 2922 +202大幅続伸。初となる一社提供のミニ番組「アソビラボ」を、日本テレビ放送網で昨日から放送開始したことが材料視されている。「アソビラボ」は架空の研究所を舞台に昔なつかしい遊びを進化させ、まったく新しい未来の「アソビ」を作り出すエンターテインメント創造バラエティと。テレビ番組の放映による知名度の向上、それに伴う業績拡大に期待感が先行へ。
<5110> 住友ゴ 1362 -80売り優勢。ゴールドマンでは投資判断を「買い」から「中立」に格下げ、タイヤ業界では、中国製タイヤとの競争激化、新興国の市販需要の成長鈍化を背景に、今後価格規律が崩れる可能性があると懸念しているもよう。新興国を中心に生産能力を拡大している同社も、マージン拡大が停滞するリスクが出てきたと指摘。なお、ミシュランの説明会を受けて欧米タイヤ株が軟調な動きになっていることも逆風に。
<7915> 日写印 1557 +36続伸。曲げられる次世代のタッチパネルを、世界最大手の台湾・宸鴻科技(TPK)と共同で開発すると報じられている。有機ELと組み合わせれば、本のように丸めて持ち運べるタブレットを実用化できると伝えている。株価は足元で下落基調が強まっていたこともあり、値ごろ感からの買いも入りやすく。
<4704> トレンド 3670 +150買い優勢。大和が投資判断を「3」から「1」に、一気に2段階格上げしている。クラウド関連製品が売上高を牽引し始めたことを評価、大企業・データセンタ向けアンチウィルス製品、外部からの攻撃対策ソフトなどが、来12月期以降の増収率を加速させうる規模に達していると。好財務なども評価して、目標株価は4770円と設定しているもよう。
<7915> 日写印 1609 +88買い優勢。曲げられる次世代のタッチパネルを台湾企業と共同で開発と報じられている。柔軟性が高いもので、球状のタッチパネルや曲線が多い自動車のインパネへの採用が見込め、来春の量産を目指すようだ。タッチパネル関連銘柄としての位置づけが一段と高まるほか、競合企業との共同展開となるため、今後の市場の価格競争の落ち着きなども想定されることに。
寄り付きの東京株式市場で日経平均は3日続落。前日の米国株安や円高警戒感を背景に売りが先行した。米財政協議をめぐる不透明感が引き続き重しとなっており、日経平均は前日比で100円を超える下げとなっている。
ただ9月27日高値からの下落率が5%を超えたうえ、テクニカル指標では売られ過ぎのシグナルがみられており、下値を拾う動きも出やすいとの見方も出ている。
目先の下値めどとして1万4000円が意識されている一方、オプション市場では権利行使価格1万4000円のプットの建玉が積み上がっており、同水準を割り込む場面では先物へのヘッジ売り圧力が強まる可能性があるという。
4日の日経平均株価は前日比127円52銭安の1万4029円73銭で寄り付いたあと、一時1万4014円66銭(前日比142円59銭安)まで下落した。その後は円伸び悩みとともに下げ渋っているが、戻りは限定されている。寄り付きは、米国株安や円高を受け、売りが先行した。市場では、「海外投資家による自動車株売りが目立つ」(国内証券)との声が聞かれた。3日の米国株式市場では、連邦政府機関の一部閉鎖が長引いた場合、実体経済に悪影響を及ぼすとの警戒感が強まり、NYダウが終値で9月6日以来の1万5000ドル台割れとなり、ナスダック総合指数も続落した。
業種別では、ブリヂス<5108、株価 - チャート>、浜ゴム<5101、株価 - チャート>などのタイヤ株が下落。トヨタ<7203、株価 - チャート>、日産自<7201、株価 - チャート>などの自動車株や、パナソニック<6752、株価 - チャート>、GSユアサ<6674、株価 - チャート>などの電機株もさえない。JFE<5411、株価 - チャート>などの鉄鋼株や、商船三井<9104、株価 - チャート>などの海運株も軟調。野村<8604、株価 - チャート>などの証券株や、三菱地所<8802、株価 - チャート>などの不動産株も売られている。個別では、13年8月中間期の連結営業・経常利益予想を下方修正したCVSベイ<2687、株価 - チャート>が下落。18年満期のユーロ米建て転換社債型新株予約権付社債を発行するミスミG<9962、株価 - チャート>も安く、チタン工業<4098、株価 - チャート>、高田機工<5923、株価 - チャート>などの下げも目立つ。
半面、国際帝石<1605、株価 - チャート>などの鉱業株や、昭シェル<5002、株価 - チャート>などの石油株が堅調。個別では、13年8月中間期の連結決算で営業利益12.3%増、あわせて自社株買いを発表したイズミ<8273、株価 - チャート>が5日ぶりに急反発。エチレン生産設備2000億円超を受注と伝えられた日揮<1963、株価 - チャート>や、14年3月期の連結業績予想を上方修正した熊谷組<1861、株価 - チャート>も上昇。TAC<4319、株価 - チャート>、ソースネクスト<4344、株価 - チャート>、ジーンズメイト<7448、株価 - チャート>などの上げも目立つ。
東証寄り付き前段階での主要外国証券経由の注文動向は、「6社ベースで、売り1310万株、買い1460万株で、差し引き150万株の買い越し」(外資系証券)。午前9時21分時点の東京外国為替市場は、1ドル=97円台前半(前日終値は1ドル=97円84銭-85銭)、1ユーロ=132円台後半(同1ユーロ=133円13銭-17銭)で取引されている。
<9984> ソフトバンク 7360 -170反落。連日の年初来高値更新で時価総額2位に浮上した。足元での急ピッチの上昇に対する過熱感や週末要因からの利益確定の売りが意識される。しかし、買収戦略を通じた海外での成長力を評価する声が多いなか、外資系証券によるターゲットプライスの引き上げが観測されており、押し目買い意欲は強そうである。
<3765> ガンホー 73000 +2600買い先行。シティが投資判断「買い」、目標株価10万円でカバレッジを開始したことが好感されている。「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」の国内での中期的な売上拡大は期待し難いものの、「パズドラ」で得たユーザーベースや運営力を基に、新規に大型ヒットタイトルを生み出すことは可能と判断している。なお、来期以降の成長を担保するためには、国内新規タイトルの成功が必要とも。
<3762> テクマトリックス 565 -5テクマトリックス<3762>は、総合商社系のIT子会社として発足したITサービス企業である。商社的な「目利き力」を活かして海外製品をいち早く輸入販売して事業基盤を確立した後、システムの受託開発、パッケージアプリケーションやクラウドサービスへと事業を展開している。システムの企画・提案から開発、構築・保守・運用まで、全てを担える総合力が強み。現在はクラウドサービスなどストック型事業の拡大に取り組んでいる。
9月30日には、北海道地区での医療分野の事業拡大に伴い、医療システム事業部の傘下に10月1日付けで札幌営業所を新設すると発表した。北海道地区で医療情報クラウドサービス「NOBORI」の営業を強化することで、更なる拡販を目指す。NOBORIは、レントゲンやCT画像などの画像情報を中心とする医療情報を、インターネット経由で遠隔地からも安全に利用できるようにしたクラウドサービス。広域医療や医療連携、セカンドオピニオンなど、医療情報の遠隔共有に関するニーズが多様化する中で同サービスが好評となり、前期から始めたばかりだが成約件数を順調に伸ばしているもよう。
<1861> 熊谷組 228 +12買い先行。前日に発表した通期業績予想の上方修正が買い材料視されている。営業利益は従来予想の26億円から33億円に上方修正、受注の増加に伴う完成工事高の増加が背景に。今期受注高も従来予想の2030億円から2405億円に増額修正している。東京五輪関連、リニア関連などとして人気化したが、足元では利食い売りが優勢となってきており、格好の自律反発材料につながっている。
9月20日、アップルはおよそ1年ぶりとなる新型iPhone「5s」「5c」を発売した。だが、製品以上にインパクトを与えたのが、国内通信キャリア最大手のNTTドコモが満を持してiPhoneの取り扱いに参入したということだろう。このビッグニュースに株式市場も一時大きな反応を示したが、ドコモは発売直後の販売シェアで大きな巻き返しにつなげられなかった観がある。足もとでキャリア3社の「横並び感」が強まるなか、ドコモのiPhone参入は今後業界にどんな変化をもたらすのだろうか。ドコモを軸にして、「iPhone戦国時代」に突入したスマホ市場の行方をリサーチしてみよう。(取材・文/デファクトコミュニケーションズ・高橋大樹、協力/プレスラボ)
●株式市場の「期待」は本物か?
ドコモiPhone参入のインパクト
今年8月下旬のことだった。それまで下落基調にあったNTTドコモの株価が突然、3ヵ月ぶりの高値を更新、16万600円をつけた。上昇の背景には、同社の坪内和人副社長の言葉があった。
「いつ出すかが問題」
スマホ人気に火をつけたアップルの「iPhone」取り扱いに対する言及であった。この発言は、ドコモの株価を押し上げると同時に、その他2大キャリア、KDDIとソフトバンクの株価を押し下げたのである。
それから約1ヵ月後の9月20日、新型iPhone「5s」「5c」発売のタイミングで、ドコモは坪内副社長の言葉通りiPhoneの取り扱いに参入。発売数日前から、メディアでは新型iPhoneを購入する徹夜組の列が報じられ、「待った甲斐がありました!」と嬉しそうに語るドコモユーザーの姿も映し出された。
なぜ今、ドコモはiPhone市場に参入したのだろうか。
もともとドコモは、2013年4-6月期の販売戦略としてソニーの「Xperia A」と韓サムスンの「Galaxy S4」を優遇販売する「ツートップ戦略」を押し出していた。「Xperia A」はその3ヵ月で約130万台売れたものの、足もとでは売上は落ち込みつつあり、戦略が成功したとは言えそうにない。
事実、番号ポータビリティ制度(MNP)を利用したドコモから他社への流出者は、ここ数ヵ月毎月10万人規模で推移している。さらに言えば、ドコモは新規顧客の獲得にも苦戦している。
「インベスターZ」の作者である三田紀房氏とマネックス証券CEOの松本大氏による対談もいよいよ佳境に。今回のテーマは「運」。運は単なる偶然性のものなのか、それとも引き寄せ、維持できるものなのか。漫画とマーケットという、異なる世界で活躍する2人が、一流と呼ばれる人ほど必ず兼ね備えている運について考える。
対談(上):好奇心と運の強いヤツだけが一流になれる!
対談(中):一流のトレーダーと漫画家に共通すること
(構成:鈴木雅光、撮影:今井康一)
ソロスは運を重視する
三田:漫画家って、前回も話しましたが、なろうと思えば意外となれる。ここまでは比較的たやすいのですが、問題はなり続けることですね。漫画家は雑誌に掲載されてナンボの世界ですから、そのための努力が必要になってきます。
雑誌に掲載されるような漫画を描くためには、とにかく新しいアイデアを考えなければなりません。そのための努力が必要になってきます。
でも、努力だけではダメで、やはり運も必要です。たとえば、自分の思いついたアイデアが、編集長の好みに合うかどうかとか、自分がアイデアを出すちょっと前に、ほかの作者が同じようなアイデアを思いついて、すでに編集長に伝えてしまったとか、タイミングなどの問題も含めて、運の良し悪しってあると思うんですよ。
ただ、僕は運というものに対して、何の働きかけもできないとは思っていなくて、ひょっとしたら自分の努力によって、運を上げることは可能なのではないかと思うわけです。たとえば漫画家であれば、雑誌のテイストに近い内容の作品を描いてみるとか、時代の流れに合致した内容にしてみるとかね。不運を嘆く前に、やるべきことはたくさんあるのではないでしょうか。要は、運があると思える方向にアクションを起こせば、自然と運は付いてくると思います。
松本:それはとても面白い話だと思います。トレーディングも運が必要なんですよ。運って、偶発的なものなのかというと、実はそうでもなく、運の悪い人は自ら、悪運を引き寄せている感があります。
ジョージ・ソロスのような巨大投資家は、運が良いのか、悪いのかということを、とても重視しています。どういうことかというと、世界で最も影響力のある巨大投資家だけの、ごく少人数のコミュニティがあって、そこでは世界の経済情勢、政治の動き、あるいは国際動向などについて意見交換されているのですが、このコミュニティは運が良いとお互いに思っている人同士でつながっているのです。人数的には10~20人程度でしょうか。
当然、「あいつは運が悪いよね」と思われている人は入れないし、以前は運が良くても、その後、悪くなったという人もはじき出されます。非常にシビアな世界ではあるのですが、それだけ運用の世界でも、運は重視されるということです。
まあ、考えてみれば、「運用」というのは「運」を用いると書くわけですからね。