最も古い歴史を持つものが、「鉛蓄電池」です。主に自動車のバッテリー、非常時バックアップ電源などに用いられています。
マイナス極に鉛、プラス極に二酸化鉛、電解液に希硫酸を用いた電池です。
1kWhごとに5万円と比較的コストも安価で、広い温度範囲で動きます。過充電にも強いとされ、使用実績が多い電池です。また、充電から放電を1サイクルとした場合の鉛蓄電池の利用可能サイクル数が3000回を超えるとされ、年数にして約17年と、蓄電池の中でも長寿命のものであると言えるでしょう。
ただし、充放電のエネルギー効率がほかの電池よりも低くなるなどの課題があります。
高出力、高容量で、しかも寿命が長いため、人工衛星用バッテリーとして開発されたのがニッケル水素電池。エネルギー密度が高いため、エネループなどの充電池や、ハイブリッドカーの電源に用いられます。急速充放電ができるので、鉄道やモノレールの地上蓄電設備としても使われています。
5~7年、2,000回ほどの充放電で寿命を迎えるため、寿命は短めです。
リチウムイオン電池はエネルギー密度が高く、容易に高電圧を得られるため、携帯電話やスマートフォン、ノートパソコンの内蔵電池として多用されている。リチウムイオン電池の定格電圧は3.6V程度であり、小型ながら乾電池と比べて大容量かつ長寿命のため、携帯電話やスマートフォン、ノートPCといった持ち運びを行う電気機器の搭載バッテリーとして広く使用されている。
メガワット規模の電力貯蔵能力を持ち、定格出力で7時間相当の運転が可能で、複数のモジュールを直並列にすることでさらなる大容量化も可能です。エネルギー密度は鉛蓄電池の約3倍と高く、少ないスペースに設置することができます。長期耐久性(約15年)に優れており、自己放電も起こりません。容量に比して安価に設置できます。システムのリモート監視が可能で、メンテナンスが容易です。以上のような長所を持つ一方、短所としては、作動させるためには300度という高温が必要な点と、ナトリウムと硫黄という危険物を使用するため、安全の確保と事故の際の対応に留意する点が挙げられます。
1899年にスウェーデンのユングナーが発明した蓄電池です。正極活物質にオキシ水酸化ニッケル、負極活物質にカドミウムを用いているため「ニッケル・カドムウム充電池」、別名を「ニカド電池」とよばれています。
最大500回ほどの充電に耐えられるほど頑丈で、安定した電力を連続で放電できること、加えて負荷特性も優れていることから、現在では、コードレス電話、シェーバー、非常照明などに使用されています。
しかし、放置しているだけで内蔵電力が減少してしまったり、中に電力が残っている状態で充電してしまうと、充電容量そのものが減少してしまう「メモリー効果」が起きてしまうなどのデメリットがあります。
また、人体に影響を与えるカドミウムを使用しているため、近年では減りつつある蓄電池でもあります。
家庭用蓄電池は、各ご家庭に設置することを前提にしているため、コンパクトに設計されているものが多く見られます。また、ご家庭の太陽光発電システムと連携できるものが多く、停電時にも家全体の電気をバックアップできる容量のものが普及し始めています。太陽光発電システム導入のスマートハウスと呼ばれるタイプの住宅では、標準的に蓄電池が装備されていることもあります。
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