2. 数学の勉強方法
 
数学は「ひらめき」であるとよく言われます。

確かに数学にひらめきは必要不可欠です。

しかしそれは、大学生や数学者などのレベルの方だけです。

大学受験レベルでは、暗記が非常に重要であると言えます。

もちろん、解答パターンを他の暗記科目のように丸暗記するのではなく、車の運転の仕方を覚えるとか,カレーライスの作り方を覚えるという使い方の「覚える」です。

つまり,「全体の流れの中での個々の作業の論理的意味を理解しつつ練習を繰り返し,何も頼らず自分で出来るようになる」という意味での「覚える」ということです。

大学受験に必要なひらめきとは、経験値のことであると言えます。

多くの問題をこなし、その解法やパターンを覚えて行きましょう。

練習問題を解いていて手が止まることもあるでしょう。

基礎レベルの参考書で,10分も20分も考え続けるのは、勉強ではありません。時間の無駄です。

1分間手が止まったら,すぐに解答を見ましょう。問題はそのときの対処です。

参考書で勉強をしているのに成績が一向に良くならない人の特徴として、 解答を読んで、分かった気になって、解答をノートに写してすぐに次の問題へ行ってしまうというものがあります。

解答を読んで解き方がわかるのは当たり前です。

解答・解説というのはわかってもらうために詳しく書かれているのですから。

分かった気になってすぐに次に進むのは勉強ではありません。

わからなかった問題を,自分ひとりで出来るようにすることが勉強と言えます。

また、受験では早く解くということも重要になります。

センター試験の時間は短く、一問一問をじっくり考えて解いていると時間が足りません。

本番で時間切れに終わってしまうと後悔しますよね。

そのためにも日頃から多くの問題を解いておきましょう。

「この問題は解き方が分かっているからいいや」といって計算をしないというのは言語道断です。

しっかりと実践をしておかないと計算力も落ちてしまいます。
 
学習の流れは「解法習得」→「演習」→「解法習得」→「演習」

例題を理解して頭に入れたら、次は練習問題・類題を解いてみます。

ここでは、できるだけ自分の頭で考えて解いてみましょう。

「例題とどこが似ていてどこが違うのか」 「同じ考え方が使えそうなところはどこか」
といったことを意識しながら、さっきやった例題の真似をして、自分なりに解いてみます。

そうやって自力で答えを出すことができたら、答え合わせをして、あとは例題の時にやったのと同じような復習・反省をします。

また、自分で考えて解き方が分からなかった場合も解答を読んで、同じような復習・反省をしましょう。

正解できなかった場合、解けなかった場合は、例題の時にやった反省に加えて、
「例題と同じ解法で解ける問題のはずなのに、なぜ解けなかったのか」
「例題と同じ考え方をしている部分はどこで、例題にはなかった考え方をしているのはどの部分か」
「例題は理解したつもりだったのに、実はよく分かっていなかった部分はないか」
「例題の解法は、問題のどこをいじられると、どのように変化するのか」
といった反省も加えましょう。