3. 国語の勉強方法
 
古文・漢文についてはほぼ暗記科目であるのでここでは割愛させて頂き、現代文の勉強法に絞り込んで書きます。

ここでは受験生を4つに分類します。自分に合った項目をご覧ください。
【高1~高2生】
 基本は教科書。教科書ガイドを用意しながら読む。
 語彙を増やしつつ、読書量を積むことを心がけること。
 その際、読む本が文学・小説に偏りすぎないよう気をつけること。
 新書や学術文庫などにも意欲的に手を伸ばしたい。
 あせって大学入試用の参考書に手を出す必要はなし。
 (もし大学入試現代文がどういうものか早いうちに知っておきたい人は『田村のやさしく語る現代文』(代々木ライブラリー)や
 『入試現代文へのアクセス』(河合出版)あたりをかじってみてもいい)


【偏差値40未満の受験生】
 おそらく、語彙力も読書量もそれまでの蓄積が足りず、
 文章を読んでも何がなんだかわからないような状態だと思われます。
 こういう人はまず活字慣れをするところから始めた方がいいでしょう。
 漢字(書き取り・読み方)や言葉(慣用句・ことわざ・故事成語・四字熟語、等)の問題集を1冊仕上げたり、
 現代文用語集を読んでいったりして、語彙力をつけましょう。
 またそれと並行して、国語の教科書を教科書ガイドつきでもう一度読み直したり、
 『高校生のための批評入門』(筑摩書房)などの解説の詳しいアンソロジー集を読んだりして、
 活字を読むことに慣れるとともに、そこに出てくる論点について自分の頭で考えてみることが大事です。


【偏差値40~50の受験生】
 こういう人の多くは、入試現代文がどういう教科なのかまだあまり把握できてない人のようです。
 入試現代文の基礎を教え次へとステップアップさせてくれるような参考書に手を出してみるのがよいでしょう。
『田村のやさしく語る現代文』(代々木ライブラリー)
 ・・入試現代文の特徴の説明から問題の解き方の基礎まで、語り口調で解きほぐしてくれる。
『入試現代文へのアクセス』(河合出版)
 ・・基礎レベルの問題を、正攻法で詳しく解説してある。現代文重要語句を多く説明してあるのもよい。

 『やさしく語る』と『アクセス』を併用し、
 前者で設問の解き方を、後者で文章内容の追い方を掴むのがよいのでは…という意見が多いようです。
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【偏差値50以上の受験生】
 このへんの人は基礎力はある程度持ってるはずなので、
 方法論をしっかり固める参考書をやって、過去問演習に繋ぐ土台を作っておくといいでしょう。

『新・田村の現代文講義1』、『新・田村の現代文講義2』(代々木ライブラリー)
 ・・入試現代文の構造について説明しつつ、現代日本語の文法構造に従って問題を読み解いていく。
  センターのみや中堅私大までの人は「1」のみ、二次・上位私大もある人は「1→2」とやるといい。
『入試現代文へのアクセス 発展編』、『現代文と格闘する』(河合出版)
 ・・前者は姉妹書『入試現代文へのアクセス』の続編だが、本書からでも無理なく取り組める。
  「アクセス」よりも高度な問題をわかりやすく解説。
 ・・後者は変な受験テクニックは微塵もなし。正攻法一本で現代文の内容理解に迫ろうとする参考書。
  問題数は多くはないが、解説が非常に濃く、量が充実している。
  要約を多く取り入れているのも特徴。
『入門編 現代文のトレーニング』、『必修編 現代文のトレーニング』(Z会出版)
 ・・前者はZ会・代ゼミで長年教鞭を執られた堀木先生のエッセンスが詰まった参考書で、
  現代文の本当の意味での基礎力をつけたい受験生がおもな対象。例題18問+実戦問題1問。
  段落分け、指示語、空欄補入、傍線部説明、内容判定問題、要約などなど現代文の基礎を
  オリジナル問題を使いつつ懇切丁寧に解説。その充実した解説量には圧倒されるだろう。
  Z会の参考書らしく「入門」といってもかなり骨があるので甘く見ないこと。
 ・・後者は近年の過去問から16問を選びテーマ別に分類して、
  設問解法・内容解説・文章テーマという三方向から非常に詳細な解説を加えたもので、
  近年の入試に対応した、より実戦的な参考書だと言える。
  「入門編」が終わった人が過去問に繋ぐのに適していると思われる。