ふくえはフォーゲル、ノックソと話しているうちに落ち着いたがまた後日、お屋敷で野崎さんの姿を見かけ、前なら毎日会うことができない彼に会えることが嬉しかったけど、やっぱりあの時の野崎さんの姿が忘れられず思わず避けるように彼と逆方向に走り出す。
あ、と後ろから声が聞こえお嬢様はばれたと思って自室に逃げ込むけど野崎さんが素早く入ってきて無意識に後ろ手に鍵をかける。
ガチャリと音がして、お嬢様は今まで見たことない野崎さんの虚ろな目に怯えるけど、自分に手を伸ばしつつも震えているのを見てやっぱり自分が好きだった野崎さんなんだと覚悟を決めて自ら彼のもとに飛び込んでいく。
あんなに小さかったボスの宝に手を出す自分に罪悪感を覚えるも、緊張が切れて大泣きするお嬢様を抱きしめる。
野「怖くないのですか」
ふ「ううん、怖い」
野「じゃあ...」
ふ「いや」
ふくえは野崎さんの背中に腕を回して彼を見上げ「離れないもの」と呟く。
目が合うとお嬢様は微笑んでいて彼は思わず涙する。