ECBは8日の理事会で金利を据え置いたが、ドラギ総裁は経済見通しに基づいて6月にも追加緩和策を講じる可能性を強く示唆した。
これを受けて、イタリア銀行株指数<.TRXFLDITPBANK>は4.10%上昇。スペインの銀行株指数<.TRXFLDESPBANK>も2.48%上昇した。
ECBが利下げや金融資産購入などの追加緩和に乗り出せば、借り入れコストが低下し、多額の負債や利益低迷に苦しむ企業を支援するとの見方が広まった。こうした見方からテレコム・イタリア<TLIT.MI>の株価も1.1%高となった。
企業決算も好調だった。ドイツの小売りメトロ<MEOG.DE>は利益が市場予想を上回ったことから株価が2.7%の上昇。ドイツのメディアグループであるプロジーベンSAT1<PSMGn.DE>も第1・四半期のコア利益が9.5%増だったと発表し、株価が5.9%上昇した。
<ユーロ圏債券> 国債利回りが総じて低下した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がインフレ見通しに基づき妥当と判断されれば、景気支援に向け6月にも金融緩和に動くと明確に示したことで、スペインとイタリアの10年債利回りは過去最低水準を更新、独連邦債利回りも11年ぶりの低水準に迫った。
スペイン10年債<ES10YT=RR>利回りは7ベーシスポイント(bp)低下の2.90%、イタリア10年債<IT10YT=RR>利回りも7bp低下し2.94%と、過去最低水準を更新。ポルトガル10年債<PT10YT=RR>は8年ぶりの低水準となった。