一方、フィアット・クライスラーは11.7%の下落で、FTSEユーロファーストの中で最も大きなマイナスとなった。2018年までに売上げを60%増やすなどとする事業計画に対し懐疑的な見方が優勢だった。
イタリアの主要株価FTSE・MIB指数<.FTMIB>は、フィアットに押し下げられる形で1.31%の低下。第1・四半期決算が市場予想を下回ったイタリアの複合企業フィンメカニカ<SIFI.MI>が7.5%の下落となったことも重しになった。
この日の欧州株式市場は、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派勢力に独立の是非を問う住民投票の延期を呼び掛けたこともあって終盤に持ち直した。
<ユーロ圏債券> ロシアのプーチン大統領がウクライナ危機の打開に向けた姿勢を示したことで、ユーロ圏国債利回りが上昇した。独5年債入札で需要が低調で札割れとなったことも利回り上昇の要因となった。
プーチン大統領はこの日、ウクライナ東部で11日に予定されている独立の是非などを問う住民投票の延期を呼び掛けるとともに、ウクライナとの国境地帯からロシア軍を撤退させたことを明らかにした。
北大西洋条約機構(NATO)高官はロシア軍撤退の兆しは認められないとしているが、プーチン大統領の発言を受け、安全資産と見なされている独連邦債が売られるなどの動きが出た。ウクライナ危機発生を受け株式よりは安全との見方から買いを集めていたユーロ圏の格付けの低い国債にも売りが出た。