ロンドンの拠点を置くトレーダーは「ウクライナ問題をめぐる緊張は緩和に向かっているとみられることから、債券が売られている」としている。

独10年債<DE10YT=TWEB>利回りは一時は11カ月ぶりの低水準となる1.44%をつけたものの、終盤の取引では1.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.475%となった。

スペイン、アイルランド、イタリアなど、他のユーロ加盟国の国債利回りも1─3bp上昇した。

ドイツがに実施した5年債入札では、応札額が募集額に達せず札割れとなった。特に欧州中央銀行(ECB)の理事会を8日に控え、利回りが低下し過ぎたとの見方が市場で出ていることが低調な需要の背景にあるとみられている。

ECBは年内には何らかの緩和措置を導入するとの見方が強いものの、今回は主要な政策変更はないとの見方が大勢となっている。

リーガル・アンド・ジェネラルのストラテジスト、ベン・ベネット氏は、「欧州議会選挙が迫っているため、ECBが8日の理事会で量的緩和の実施を決定する公算は小さい。6月に決定される可能性の方が高いが、量的緩和実施はそう簡単に導入できるものではないため、6月以降になる可能性もある」と述べた。