一方、足元で本格化している決算発表については、企業は消費増税の影響を警戒して保守的な見通しを出してはいますが、現時点では総じて「可もなく不可もなく」といった感じのようです。
ですが、3月の日銀短観では、2014年度の収益計画は、大企業では製造業・非製造業ともに減益見通しです。これを受け、市場は企業の業績に関して強い警戒を示しています。このため、実際のガイダンスが明らかになるにつれ、それらがよほどコンサバでなければ、市場に安心感が強まり、相場の先高観が強まることでしょう。言い換えれば、この安心感が強まらない限り、投資資金の株式市場への流入は期待できません。
ちなみに、日経平均のザラ場ベースの年初来安値は4月11日の1万3885.11円、終値ベースの年初来安値は14日の1万3910.16円です。その後、日経平均は戻り歩調に転じ、21日には1万4649.50円を付ける場面がありました。しかし、これが戻り高値になり、調整入りしています。それでも16日の日経平均が前日比420.87円高の1万4417.68円と、2月18日の450.13円高以来、今年2番目の上昇幅を記録しました。これで相場は当面の底を入れたとの見方は不変です。
また、テクニカル的には、2月5日の1万3995.86円と4月11日の1万3885.11円とでダブルボトムを形成することが期待できるため、当面はネックラインである3月7日の1万5312.60円を目指すとの見方も変えていません。