東京株式市場は閑散相場が続いています。東証1部の売買代金は、28日まで2兆円を11日連続で下回りました。これは、20日続いた13年9月6日以来、約7カ月半ぶりの長さです。多くの投資家が様子見を決め込んでいます。日米首脳会談でTPPの大筋合意が見送られ、主力企業の14年度の決算への警戒感が強いことが主因です。
TPP合意見送りで規制緩和・構造改革に疑念が生じた
甘利明経済財政・再生相は25日朝の記者会見で、環太平洋連携協定(TPP)を巡る日米協議が大筋合意には至らなかったことを明らかにしました。
確かに、大筋合意はもともと秋との見方が強く、また、これが合意できないから企業収益が落ち込むということではありません。また、米ホワイトハウスは25日、「TPP合意に向けて大胆な措置を講じる決意がある」とする日米共同声明を発表したこともあり、合意ずれ込みの相場への直接的な影響は限定的ではありました。
ただそうはいっても、米国サイドが安全保障面で尖閣に踏み込み、かつ100%関税撤廃要求を棚上げし大幅譲歩を示したのに合意できなかったことは市場にとってはネガティブでした。
「まじで、大丈夫かな。本当にこの国の規制緩和・構造改革が進むのか?」という不安が市場を覆いました。
売買代金は低調も「閑散に売りなし」で底堅い展開