東京時間の朝方に発表された4月の東京都区部コアCPIが市場予想を下回ると、102.22円付近で推移していたドル/円は15銭ほどの上昇で反応した。

午前10時前、日経平均株価がプラス圏に転換。その後、株価が上げ幅を拡大すると、ドル/円は連れ高となった。輸入企業のドル買い/円売りも流入し、一時102.49円まで強含んだが、さらなる上値追いにはエネルギーが足りず、正午にかけては伸び悩んだ。

東京都区部コアCPIは消費増税実施後初めての月次物価指標として注目を集めていたが、ほぼ想定内の数値となり、為替への影響は限定的だった。プレビデンティア・ストラテジーの為替ストラテジスト、山本雅文氏は「来週の日銀決定会合で追加緩和はないとの見方は変えていないが、夏場に向けて円高傾向が顕著となり、インフレ見通しに影響を及ぼすような事態となれば、追加緩和が現実味を帯びてくる」と指摘する。

<日米交渉は「大筋合意」に至らず>

午前には、昨日から調整が続いていた日米共同声明が発表された。安倍晋三首相は「少し時間がかかったが、日米にとって画期的な声明になった」とし、環太平洋連携協定(TPP)交渉に関しては「諸課題について前進していく道筋を確認することができた」と述べた。