トムソン・ロイターのデータでは年初来のIPOによる資金調達額は141億ドルで、13年と12年のこの時期の調達額を合わせた154億ドルと比べても、それほど見劣りしない。

企業合併・買収(M&A)も活況を呈している。今年これまでのM&Aは総額3900億ドルと、同時期では07年以降で最も多い。

ワンダーリッチ・セキュリティーズのチーフ・マーケット・ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「市場環境のせいで案件が撤回されるという状況は目にされていない」と話す。

<ヘッジファンドは投資維持>

ヘッジファンドはしばしば、株価の乱高下をもたらす大きな要因になる。だがこれまでのところ、ロング/ショート株式ヘッジファンドはキャッシュに資金を移動させておらす、グロスの株式投資を維持している。

クレディ・スイスでプライムサービス向けリスクアドバイサリー責任者を務めるジョン・キンダーラー氏は「グロスの株式投資は大きく動いていない。大規模なポジション解消の兆しはない」と語った。ただ、クラウドコンピューティング関連のハイテク株からは資金が大幅に流出した点も指摘した。