しかし今のところ、彼らは資金をキャッシュなどの安全な避難先に戻す代わりに別の銘柄へと移動させており、全面的な株安が起きるとの心配は和らいでいる。
高値から20%下げたバイオテクノロジーなど悲惨なセクターはあるものの、S&P総合500種は3.2%の下落にすぎない。そして一段と調整色が深まる局面で点滅するような警戒信号も出現していない。
T・ロウ・プライス・グローバル・テクノロジー・ファンド<PRGTX.O>のポートフォリオマネジャー、ジョシュ・スペンサー氏は「今の値下がりは押し目買いのチャンスを与えてくれている。もし適切な場所を選べば攻撃と防御が同時に行える。株価が調整された優良企業を買えばだ」と述べた。
スペンサー氏の自信には妥当性があるかもしれない。ロイターが10種類の株式に関する指標を調べた結果、このうち8種類は買いを後押しするか、少なくとも買いの妨げにはならないことが分かった。
まず最初に、新規株式公開(IPO)市場が見事なほど健全であるという点が挙げられる。株式の人気が低下している時期にそうなるのは珍しいが、ブリーフィング・ドット・コムによると今週だけでも15件実施される予定だ。
先週も、インターネット関連株が売られた中でも出前注文サイト運営のグラブハブ<GRUB.N>のIPOは大成功を収め、IPO価格の26ドルからこれまでに36%上昇している。