31日の米国株式市場は続伸して引けた。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて、早期利上げ懸念が後退した。

ダウ工業株30種<.DJI>は134.60ドル(0.82%)高の1万6457.66ドル。

ナスダック総合指数<.IXIC>は43.23ポイント(1.04%)高の4198.99。

S&P総合500種<.SPX>は14.72ポイント(0.79%)高の1872.34。

月間では、ダウが0.8%、S&P500は0.7%それぞれ上昇。ナスダックは 2.5%下落した。

またダウは第1・四半期に0.7%下落する一方、S&P500、ナスダックは1.3%、0.5%それぞれ値を上げた。

この日は半導体のマイクロン・テクノロジー<MU.O>が8%、ソフトウエアのオラクル<ORCL.N>が3.4%上げるなどハイテク株が堅調。最近値動きが激しいバイオテクノロジー株にも引き続き注目が集まり、先週7%下げたナスダックのバイオテクノロジー指数は3%高。バーテックス・ファーマシューティカルズ<VRTX.O>は4.3%、バイオジェン・アイデック<BIIB.O>は4%、それぞれ上昇した。

物流のUTiワールドワイド<UTIW.O>は6%安。四半期の赤字額が予想よりも大幅だったことが嫌われた。

イエレン議長は3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、量的緩和終了から利上げ開始までの期間は6カ月程度になるだろうと述べ、これは多くの市場参加者の想定よりも短いと受け止められていた。しかしこの日の講演では、経済押し上げに向けたFRBの「異例の」コミットメントが当面必要だとの考えを強調した。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場ストラテジスト、ジョセフ・タニアス氏は「議長のこの日の発言は、先の会見が引き起こした混乱を落ち着かせ、事態をよりはっきりさせた。FRBの利上げをめぐる懸念が存在しない局面になれば、市場はより安心できる」と指摘した。

この日は機関投資家が期末の保有株式の評価額上昇を狙ったいわゆるドレッシング買いを入れたことも、株高につながった面があった。

BATSグローバル・マーケッツのデータによると、米取引所の出来高は合計で約52億8000万株と、3月平均の69億株を下回った。

ニューヨーク証券取引所とナスダックでは、いずれも全体の約73%の銘柄が値上がりした。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)<.DJI>

終値         16457.66(+134.60)

前営業日終値    16323.06(+ 58.83)

ナスダック総合<.IXIC>

終値         4198.99(+43.23)

前営業日終値    4155.76(+ 4.53)

S&P総合500種<.SPX>

終値         1872.34(+14.72)

前営業日終値    1857.62(+ 8.58)