BNPパリバ・フォルティス・グローバル・マーケッツの調査部門責任者、フィリップ・ジゼル氏は「ECBが利下げ、もしくは量的緩和策を実施する可能性が明らかに高まった」と指摘。「これは長期的に欧州株にはプラスだが、きょうは期末のポートフォリオ調整に押され影が薄くなっている」との見方を示した。
<ユーロ圏債券> スペインやイタリアなどの低格付け債利回りが数年ぶりの低水準付近にとどまった。同日発表された3月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)が鈍化したことを受け、欧州中央銀行(ECB)が年内に追加緩和を実施する可能性があるとの観測が強まった。
欧州連合(EU)統計局が発表した3月のユーロ圏CPI報値は前年比0.5%上昇と、2月の0.7%上昇から鈍化し、上昇率は2009年11月以来の低水準となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想の0.6%上昇も下回った。
ただ、市場参加者の間では、ECBが4月3日の理事会で何らかの行動に出ることは見込まれていない。
イタリア10年債利回りは3.31%と、ほぼ変わらず。前営業日は8年半ぶりの低水準となる3.261%をつけた。
スペイン10年債利回りも横ばいの3.24%。前営業日は8年ぶりの低水準となる3.2%をつけた。
ポルトガル10年債利回りは2.5ベーシスポイント(bp)上昇し4.07%。前営業日は約4年ぶりに4%の節目を下回った。
アイルランド10年債利回りは、過去最低水準となった前営業日の2.974%から5bp上昇した。
独連邦債10年物利回りは2bp上昇し、1.57%。前営業日は2週間ぶりの低水準となる1.51%をつけていた。
短期金融市場では、ユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)4月物のフォワードレートが0.175%と、スポット金利を2bp下回る水準にとどまっており、ECBが4月3日の理事会で追加緩和に踏み切る公算は小さいとの見方が織り込まれていることを示した。
また、EONIAの10─12月物は0.13─0.14%近辺となり、ECBが年末にかけ緩和に動くことが見込まれていることを示している。