「痛み止めを飲みすぎると、耳が聞こえなくなる」米ハーバード大研究

生理痛、腰痛、偏頭痛の痛みを緩和する鎮痛剤。米ハーバード大の研究で、鎮痛剤を頻繁に服用すると、聴力を失うリスクが増加することが判明しました。

ハーバード・メディカルスクールとBringham Womens Hospital (BWH)が共同に行い、9月15日号『the American Journal of Epidemiology』誌の中で、イブプロフェン(ブルフェン)とアセトアミノフェン(パラセタモール)を頻繁に使用すると、聴力を失うリスクが増加すると発表しています。

同大学と同病院は1995年から2009年までの14年間、31歳から48歳の女性62、261人を対象に調査を行ったところ、イブプロフェンを週に1回以下使用する女性に比べ、週に2~3回使用する女性は聴力を失うリスクが13パーセント高まり、週に4~5回使用する女性は同リスクが21パーセント、ほぼ毎日(週に6~7回)使用する女性は24パーセント、リスクが増加することが判明しました。

アセトアミノフェン(パラセタモール)も同様に、アセトアミノフェンを週に1回以下使用する女性に比べ、週に2~3回使用する女性は聴力を失うリスクが11パーセント高まり、週に4~5回使用する女性は同リスクが21パーセント増加する結果となりました。

研究者らは「イブプロフェンとアセトアミノフェンが内耳にある蝸牛(かぎゅう)にダメージを与えている」と推測し、「イブプロフェンは蝸牛(かぎゅう)への血液の流れを減らし、それが原因で細胞がダメージを受けたり、死滅させているのではないか」とコメントしています。

生理痛や腰痛に悩まされている人は、安易に鎮痛剤に手をださずに、生活習慣の改善や適度な運動、民間療法など、薬に頼らない他の方法を探してみましょう。

参考: Analgestic Use and the Risk of Hearing Loss in Women.
http://aje.oxfordjournals.org/content/176/6/544.full.pdf+html