子供の怪我が大人より早く治るのはなぜ?その謎が解明される―アメリカ研究

2つの独立した研究で、細胞の自己再生能力を促す遺伝子が発見されました。マウスを使った実験で、これらは若いうちのみ非常によく働くことが分かりました。

子供の頃って、怪我をしても治るのが早かったような気がしませんか?実は、これは事実。アメリカの研究で、遺伝子の働きがかかわっていることが明らかになりました。

怪我の治癒にかかわる遺伝子の中に、「Lin28a」と「IMP1」と呼ばれるものがあります。これらは細胞の自己再生を司っていますが、若いうちは良く働くのに対し、年をとると機能しにくくなるのだそうです。

ボストン小児病院のジョージ・ダレイ博士率いる研究チームは、大人のラットの一方のLin28遺伝子を活性化させ、一方はそのままで背中の毛を剃り、経過を観察しました。この結果、遺伝子を活性化させたグループは毛の再生が早かったそうです。

この遺伝子は、細胞内でエネルギーを貯蔵する「ミトコンドリア」のRNAのたんぱく質を生成に関わっています。

IMP1もLin28同様にRNAを形成するたんぱく質の分子を生成するもので、成長期に活発に活動することがテキサス大学の研究で分かっています。こうした研究は、怪我からの回復を早める治療法に応用できるのではないかと期待されています。

やはり、「年をとると代謝が落ちる」というのは紛れもない事実のよう。怪我に限らず、スリムや美を保つ秘訣も、遺伝子が握っているかもしれませんね。

参考:Why young people heal quicker – new research
http://www.nzherald.co.nz/lifestyle/news/article.cfm?c_id=6&objectid=11153634