臨床内科専門医に聞く。体温の疑問―「微熱って何度から!?」「体温を上げる方法とは?」
何やら体がだるいので熱を測ると37.0度と出ました。筆者の平熱は35.7度ぐらいなのでけっこう高いように感じますが、実のところ、37度でも「熱がある」と言うのでしょうか。
臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長に、体温にまつわる疑問から、体温を上げる方法までをお尋ねしました。
■平熱より1度高いとしんどくなる
Q1.何度から何度までを「微熱」と言うの?
風邪の引き始めや少し体がだるく感じるとき、「微熱がある」と自己判断しがちです。そもそも、どのような状態を微熱と言うのでしょうか。
正木先生 「平熱の体温は35度~37度未満」を指します。発熱によって「37度~38度になった状態を微熱」、「38度以上を高熱」と言います。医学的には、「熱がある状態とは、37度以上」です。
ただし、体温にも個人差があり、子どもはやや高く、70歳以上の高齢者はやや低めです。「私の平熱は35度台なので、36度7分あるとしんどいのですが」という患者さんもいます。
自分の平均的な平熱を知っておき、「平熱より1度高いと体に異変があるのかも」と考え、休養するようにしましょう。
Q2.ストレスで体温は上がるの?
イライラ、カッカしているときは、体が熱くなって汗ばんでいるように感じます。やはり、体温は上がっているのでしょうか。
正木先生 精神的なストレスで体温が上がることはあります。例えば、極度に緊張する、好きな人に会う、大事なプレゼンがある、けんかするなど、一時的に興奮、緊張したときに、熱が上がるケースです。
交感神経の働きが活発になると体温は上がりますが、興奮状態がおさまるとすぐに解熱するでしょう。
一方で、仕事で疲れているなど慢性的なストレスが続く、複数のストレスが重なっている状況では、37度台の微熱が続くケースがあります。頭痛や倦怠(けんたい)感、不眠などの症状を伴うことも多いです。
また、風邪による発熱はウイルスに対抗する反応なので、解熱薬を服用することで熱は下がります。ですが、ストレスによる発熱には解熱剤は効きません。ストレスの原因そのものを解消する必要があります。
Q3.体温はいつ測るのが効果的?
平熱を知っておこうとは思うものの、どのタイミングで計測するのがベストなのでしょうか。
正木先生 医療の現場では、午前中、14時、20時、就寝前の合計4回体温を計測し、その平均をとって平熱とします。自分ではそう何度も測れないので、同じ時刻に週2回、2カ月ほど継続して検温し、平均を出してください。