体温は、運動、時間、気温、食事、睡眠、女性の性周期、感情の変化などによって変動します。特に、24時間単位で体温リズムがあり、1日のうちで早朝が最も低く、次第に上がって夕方が最も高くなり、夜にかけて徐々に低くなります。

Q4.測る場所によって体温差はある?

わき用、口用、耳用、おでこ用など、多様な体温計を見かけます。測る場所が違うと体温は変わるのでしょうか。

正木先生 体の表面や内臓、またその部位によっても温度は違います。特に、手足や顔などの体の末端や表面の温度は、季節や環境の影響を受けます。ですが、体の内部の温度は、脳や心臓などの大切な臓器の働きを保つために、高く安定しています。

わきの下には腋窩(えきか)動脈が通っていて深部体温に近いといわれるため、わきで測ることが多いわけです。測定する部位ごとに検温に必要な時間は異なるので、必ず体温計に表示された部位、時間で安静時に測りましょう。

Q5.体温を健康的に上げることはできる?

体温を上げると健康に良いと言われています。平熱が35度台でも、体温を上げることはできますか。

正木先生 体温を上げることで、ストレスに強く、病気になりにくい健康な体になります。免疫力が低下すると体内に異物を発見しても白血球が十分に働くことができず、風邪などのウイルスや細菌、がん細胞に負けて発病しやすくなります。

体温を上げる方法

(1)ウォーキングなどで筋力をつける。特に、体温の低い朝にウォーキングをすると最も効率的だとされ、基礎代謝、新陳代謝をアップする、ダイエット効果もあります。

(2)朝起きたときと、寝る前に白湯を飲む。

(3)入浴や、冬場ならカイロや湯たんぽで体を温める。

(4)ストレスを防ぐために、できるだけ規則正しい生活習慣を続ける。

(5)GABAなど、ストレスを緩和する成分が含まれる食品(トマト、玄米など)を食べるようにする。それらをサプリメントで補うのも一つの方法。

知っているようで知らない体温についての知識を整理することができました。また、体温を上げると、病気への抵抗力がアップするとか。今すぐ実践しましょう。

(岩田なつき/ユンブル)

取材協力・監修 正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、大阪府女医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。