精子のドナー、慢性的に不足している―オーストラリア

精子のドナーの話題を持ち上げることは人によってはおかしな話に思えるかもしれません。しかし、医療的介在を用いらない限り、妊娠ができない人にとってはこの問題は笑い事ではないのです。

アデレードのフリンダース不妊治療院のディレクター、マイケル マクイーボイ医師によると現在の少子化はこの精子ドナー不足の原因も含まれている、と言います。

現在のところ精子提供者はたったの6人で、2、30年前は年に20、30人の提供者がいた、と言います。

そしてこの精子提供者不足の原因は国全体での問題になってきているようです。

精子を選ぶ人にとっても選択肢が多い方が良いに決まっています。

30年前は精子ドナーの採用方法も違っていました。昔はもっと機密性も高く、彼らの精子により生を受けた子どもが将来会いに来る心配すらなかったのです。この”機密性”のが現在のドナー不足の要因であると考えられます。

成人した子どもは、オーストラリアの法律によって精子ドナーが誰だったのかを知る権利があるのです。また後々養育費が必要になってくるのではと、ドナーが誤解も持っているようです。

自分にあったドナーが探せず、また家系にも合う様に ドナーを求める人の中には海外で探してくる人も多くいます。

多文化、多民族化しているオーストラリアではこの問題はより複雑になっています。簡単に言うと、みんな自分に似ている子どもが欲しいからです。

日本では少し考えにくい問題かもしれませんが、子どもが欲しい女性にとってこの思いはとても切実だと思います。皆さんはどう思いますか?

参考:Sperm donors in chronic short supply
http://www.abc.net.au/news/2013-11-01/sperm-donors-in-chronic-short-supply/5063232